安倍首相の売国外交をこれ以上許してはならない

 

首脳会談 日米FTA「大統領選前に形にする」と約束

 4月末ワシントンで行われた日米首脳会談の冒頭、トランプ大統領は「農産物の関税をなくしたい」と述べ貿易交渉での関税撤廃を要求した。さらに交渉妥結の期限を「5月来日時」に設定した。安倍首相は、超高額のF35戦闘機の大量購入や自動車産業などの対米投資などを再確約するとともに、FTAについても「大統領選の前にはちゃんと形にするから安心してほしい」と全面譲歩を約束し、ひとまずそらした。トランプ大統領夫人の誕生日に期日を設定して「ともに祝うのを一大行事に据えた」訪米だったが、マスコミは「抱きつき戦略に誤算」と報じた。対米従属の政権維持のために国益を放棄した。中国敵視政策に縛られているためだ。
 安倍首相は、5月トランプ大統領訪日から6月サミットまで、参院選を前にトランプ大統領に翻弄されることになった。国民の命、食料を差し出す売国外交を許してはならない。東大の鈴木宣弘教授も言うように農業を差し出せば自動車が守れるなどは幻想である。
 瀕死の状況に追い込まれているわが国農業だが、文字通りの瀬戸際となった。大国間の「経済戦争」が激化し、とくに次世代通信網5Gなど技術覇権争奪激化のもとで、対米従属のわが国は農業だけでなく国民経済全体が深刻な事態である。中国敵視でアジアの平和と国の独立が実現できるか。財界の中にも危機感が高まっている。
 日米FTA(自由貿易協定)に反対し、日本の農林漁業を守り発展させる、国民の命と安全のための食料安全保障確立の国民的運動を今こそ発展させなくてはならない。これは決して農林漁民だけの課題ではなく、労働者や商工業者も知識人や市民層も、中小企業家だけでなく大企業も含めて文字通り広範な国民の共通課題、民族の課題である。

以降、「特集 農林漁業の再生へ国民運動を!」として、いくつかのインタビュー、寄稿を掲載する。