水路壊れても修復する人がいない
宮永 均・JAはだの組合長
神奈川県秦野市の農業協同組合運営をしている宮永と申します。食料安全保障としての自給率向上が第一級の課題ですが、これは今に始まったものではないわけであります。
いま都市部現場では、とにかく売る米がないという状況に陥っております。本当に、私どもが農業協同組合を運営する上でも、ファーマーズマーケットを運営する上でも、本当に困っております。
直売所で売る米は1日150キロに制限しています。9時からオープンですけれども、8時過ぎから毎日行列です。何人の方に米が渡るんですか。このような状況です。
耕作できない状況ひろがる
日本の国土全体の40%が「条件不利地域」ですよね。そうしたところが耕作できない、耕作しない、そういう状況に陥っているということです。
秦野管内もそうです。私ども都市部全体でも、もう100ヘクタールない状況であります。生産量も400トンを切っている状況でもあります。
秦野は後ろには丹沢山地があります。こういうところで何が起きているかというと、耕作できない状況がどんどん生まれているんですよ。この異常気象です。雨が降る、水路が壊される。それを堰上げする人たちがもういない、できない。もう農業をやめようということにもなっています。
もう一度、米の生産はどうあるべきかを、今日お集まりの皆さんで考えていただきたいと思います。少しでも自給率が向上できるように、しっかり考えていただきたい。
日本の場合、この自給率向上は地域での地産地消以外にないんじゃないかというふうにも考えているところであります。頑張りましょう。