沖縄戦80年――西田発言に怒り渦巻く沖縄

全国でわがことに、闘いが求められる

 自民党の西田昌司参議院議員による「沖縄戦をゆがめ県民の尊厳を踏みにじる」発言への強い怒りが沖縄を覆う。
 県議会は16日夜、自民党に西田議員への厳格な処分と党として沖縄戦への認識を示すことなどを求める抗議決議を、自民党も含む賛成多数で可決した。ひめゆりの塔所在地で沖縄戦終焉の地となった糸満市議会は、「沖縄戦の教訓を受け継ぎ、次の世代に伝えていくことを高らかに宣言する」と満場一致で決議した。
 那覇市議会など市町村議会でも決議が相次ぎ、県医師会などさまざまな方面が抗議に立ち上がっている。県民大会を求める声も広がる。

対中国戦争の思想準備か

 この西田発言は彼の思想の発露には違いないが、たまたまの偶然ではない。
 陸上自衛隊の幹部候補生学校が、沖縄戦を戦った旧日本軍第32軍を「本土決戦準備のために偉大な貢献をなした」と肯定する学習資料で教育していたことも最近発覚した。日本軍が時間稼ぎに沖縄を「捨て石」、犠牲にした狙いもあけすけである。
 しかも沖縄の陸自は、沖縄戦を指揮した牛島満司令官の辞世の句(沖縄は草木残らず焼け野原となっても天皇の国である日本の勝利する時を信じて待つ、の意)をホームページ掲載した。昨年10月、抗議を受けて一度削除したが、25年1月に再び掲載した確信犯である。陸自はまた、地域のイベントに「一撃必墜」の幟を掲げて迷彩服姿で参加し誇示するなど歴史や住民感情を無視し、あたかも「戦意高揚」するかのような動きが目立つ。西田発言を擁護した神谷宗幣参政党代表発言も同様だ。
 中国を仮想敵に仕立て上げ米軍と共同でミサイル配備をするなどの戦闘準備と同時に、世論操作も非常に巧妙に進められている。
 全国で闘いの強化が急がれる。

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