来賓あいさつ 沖縄県知事 玉城 デニー

県民は、軍事力の抑止のみでは地域の緊張を高め、
不測の事態が発生するとの強い不安を感じている

沖縄県知事 玉城 デニー

 はいさい ぐすーよー ちゅう うがなびら。
 皆さま、こんにちは。沖縄県知事の玉城デニーです。
 今日は「アジア対話交流」ということで、この入り口の「アジア美味いもの大交流祭」にキッチンカーが何台か出ていました。アジア各国の民族料理が提供されていて、私はそこでカレーライスをいただきました。できるのを待っている間に、たくさんの県外の方から「昨日の沖縄全戦没者追悼式に行きました。ありがとうございます」と声をかけていただきました。警備もあって少し物々しかったかもしれませんが、平和であることの大切さを改めて確認できたのではないかと思います。お越しいただいた皆さま、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました。  

 本日、「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流」が開催されるにあたり、ひとことごあいさつを申し上げます。


 「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流 PROJECT」は、沖縄が琉球王国時代から近隣諸国と友好関係を築いてきた歴史的原点に立ち返り、対話と交流で東アジアを平和的に発展させることを目的として発足されたと伺っております。これまでの関係者の皆さまの取り組みに深く敬意を表します。
 沖縄県は、わが国の中でも独特の歴史や文化を有しており、沖縄のもつソフトパワーや地理的優位性を生かして観光、物流、環境、保健・医療、教育、文化、平和など多様な分野における国際交流を行ってきました。
 特に、昨年度は、本土復帰50周年記念事業として「アジア太平洋地域平和連携推進事業」を実施し、中国、台湾、韓国、フィリピン、パラオ等、近隣諸国との連携強化に向けた新たな取り組みを開始しました。また、今年4月には「地域外交室」を設置して、平和を希求する「沖縄のこころ」の発信など、沖縄ならではの平和的な地域外交を進めることとしています。
 わが国を取り巻く安全保障環境が変化し、南西諸島の防衛力が強化されるなか、多くの沖縄県民は、軍事力による抑止のみではかえって地域の緊張を高め、不測の事態が発生するのではないかとの強い不安を感じています。
 このようななか、平和的な外交・対話による緊張緩和や信頼醸成に向けたプロジェクトが沖縄で開催されることは、誠に意義深いことであります。特に、本日のイベントでは、有識者によるシンポジウムや若者も交えたトークセッションも行われると聞いており、活発な議論が行われるものと期待しております。
 結びに、本シンポジウムのご成功を祈念いたしますとともに、ご列席の皆さまのご健勝とますますのご活躍をお祈り申し上げ、あいさつといたします。
 イッペー ニフェーデービル