横浜市で日中国交正常化50周年記念講演会
「東アジアの平和と共生を求める」
羽場 久美子教授 講演
5月29日、横浜で「日中国交正常化50周年記念、東アジアの平和と共生を求める」講演会が開かれコロナ禍にかかわらず100人近い人が集まった。主催は実行委員会で、広範な国民連合・神奈川は協賛。
最初に、北京の中央音楽学院附属中等音楽学校在学の本多ゆとりさんから美しい二胡の演奏。
開会のあいさつとして、元神奈川県副知事の久保孝雄さんから「今年は日中国交正常化50周年という大変記念すべき節目の年でありますが、日中関係は50年で一番良くない状態になっている」「38都道府県が中国の省と友好提携をしています。また400近い日本の都市が中国の都市と友好提携をしております。こんなにたくさんの自治体が外国の自治体と友好提携をしている国は中国以外にはありません」「2000年にWTOに加盟し、そして2010年に日本のGDPを追い抜いて中国が世界第2位になった。この辺から日本と中国の関係はギクシャクし始めた」「アメリカの方はもっと単純。アメリカのGDPの6割を超す国が現れたらつぶすというのがアメリカの暗黙の国是になっている」「ただアメリカは現在、自分の国だけでは中国を抑え込めない。だからこの間バイデンが日本に来ましたが、日米豪印クワッドを使って、中国を包囲しようとしている」「これからも日中関係あるいは世界を考えてゆく上で市民の力、自治体の力が非常に大切になる」などと、日中関係を打開していくためには、外交への市民参加や自治体参加が必要であるとの話がありました。
講演は、神奈川大学教授・青山学院大学名誉教授の羽場久美子先生から(本誌7月号掲載)。
感想とあいさつとして、神奈川県議会議員の日下景子さんから「神奈川県と遼寧省は、日中両国民は決して再び戦争を行わずという友好提携協定を40年前に結んでいる。今、県内の議会に呼びかけて、平和外交を進め日本と中国は不再戦、戦争はしない、こういう意見書を出そうと働きかけている」などとの報告があった。
神奈川県日中友好協会の三浦修さんから「歴史に学ぶということが最近ちょっとおろそかにされている」「神奈川県日中友好協会は今年40年を迎えます。先ほど羽場先生から草の根交流、あるいは地域間、民間の交流が大切だというお話があった。私ども神奈川県日中友好協会は、まさにそれが大事だと思ってやっている」などと、民間交流で頑張るとの話がありました。
最後に閉会あいさつとして、実行委員会事務局の蓮尾から「この講演会を呼びかける中で、私たちの『軍備増強よりは平和外交を』という主張は多くの方に支持され、『日中両国民は決して再び戦争を行わず、両国の子々孫々の友好を増進し、平和友好関係を維持、発展させる』ことが、日本の将来にとって非常に重要であることを、多くの人たちと確認することができました」などと取り組みを報告。
講演会の成功を踏まえ「日中友好・日中不戦」の世論をつくるために、引き続き頑張ります。
(神奈川事務局 蓮尾浩)