春の統一地方選挙をたたかう仲間の皆さんへ

「TPPも消費税もNО!」訴えるチャンスです

静岡市議会議員 佐野けい子

 厳しい政治・経済情勢の下、勝利に向けて日夜奮闘している仲間の皆さんにエールを送ります。わが市は市議は折り返しにあたり、市長選(実はこれが大問題)と県議選のダブル選挙〈4月10日投票〉が実施されます。

 問題の市長選挙は......ここに来て一気に全国の注目区となってしまいました。
 立候補するのは元民主党参議院議員U氏、元自民党県議T氏、直前議長Y氏。いずれも地味な、どこにでもいるキャラの持主です。16年つとめた現職K市長不出馬宣言の際には「他に候補はないのか!」といわれたほどの小粒トリオです。
 それが何と、U氏=減税日本公認候補、河村たかし名古屋市長同席での記者会見です。大阪・橋下~名古屋・河村~静岡・U~神奈川・△~東京・Мのハシズム=ファシズムの列島ラインの中にしっかり収まる風情です。
 もちろん、シナリオはО氏が書き、表舞台役者のH氏が担当する政界再編劇の一幕でしょう。
(U=海野、T=田辺、Y=安竹、K=小嶋 М=松沢、О=小沢、H=原口)
 消費税増税......どうやら本気らしい!
 菅内閣改造人事で「たちあがれ日本」の与謝野馨氏が、離党して経済財政大臣で入閣し「消費税増税シフト」の形成です。その後の取り組みの急ピッチは目を見張るほどです。
 もともと「社会保障と税の一体改革」についての取り組みは
2010.10.28  政府・与党社会保障改革検討本部の立ち上げ
   11.9~12.8 社会保障に関する有識者検討会
2010.12.10  検討本部に有識者検討会報告
2010.12.14  閣議決定
2011.1.21  第3回検討本部で「社会保障改革に関する集中検討会議」の設置
2011.2.5  第1回集中検討会議の開催
 2月19日には第2回、2月26日、3月6日と毎土曜日のペースで議論が重ねられてきています。
 菅政権は「税の問題」「社会保障の問題」を政権の最大の課題ととらえているようです。2月19日の第2回集中検討会議では早々と本音の方向性が出されました。
①消費税率を引き上げる方向――速やかに10%、2020年代半ばまでに10%台後半にすべき
②15年には社会保障と税の共通番号制を導入したい
――まさに"ありき"の議論です。
 当日、公開ヒアリングを行った「日本経済団体連合会」「経済同友会」「日本商工会議所」「日本労働組合総連合会」の提言の方向性も全く同一方向でして......出来レースとはこのようなものでしょう。
 4月には中間報告、6月には一体改革案を策定することを目指しています。
 納税者番号制も......導入したい
 おやおや本音がついでに出てきましたよ。これを菅政権がやりたいというのが御酒落すぎます。社会保障と税に絞った番号制度と説明しています。
 モデルは、アメリカの社会保障番号でしょう。ベトナム戦争時、徴兵を逃れようとする黒人を追いかけるために使われたというのはあまりに有名な話です。
 住民基本台帳ネットワークシステムの時にも痛いほどの議論もあったし、その後も何度も情報は流出しました。本当に懲りない人たちです。監視社会、管理社会のプラットホームを完成させたい~国民総背番号制を導入したいのでしょう。
 国家がこんなに信頼されていない時代にとんでもない話です。しかし、共通番号制度導入議論は、菅首相の積極的リーダーシップの下で進められようとしています。
 昨年5月、鳩山内閣が末期症状を呈する中で、しぼみかけた「番号制度」問題を強引にまとめたのは当時副総理だった菅首相のようです。
 2010年11月9日に「社会保障、税に関わる番号制度に関する実務検討会」を立ち上げ、本格的議論が始まっています。予定では、夏ごろには「社会保障、税番号大網」(仮称)をまとめ、秋以降国会に法案を提出したいとしています。
 消費税だけは絶対に増税してはいけません
 経済への影響や逆進性だけではありません。
 天下の悪税=不公平きわまりない税だからです。今さらおさらいするまでもありませんが――
消費税は1988年成立  
    1989年4月実施
    1997年税率は3%から5%
に引き上げられました。橋本6大改革で、行政、財政、金融、経済、社会保障、教育の分野で9兆円の負担増、特別減税を廃止、健保負坦率を増加させ、銀行の貸し渋りは倒産を増やし、不況のどん底へ陥らせました。
 平成不況20年、歪み切ってしまった格差社会をつくりだしました。増税などで改革の道が開かれるとお考えでしょうか。
 日本の消費税は非課税負担が極めて少なく(個人の場合は保険対象となる医療費などごく限定されている)幅広く課税されています。
 一方、ヨーロッパ各国の付加価値税は、非課税対象として教育、医療、住宅取得と関連の不動産・金融があり、生活必需品(食料品、医療品、新聞、書籍の一部)は軽減税率ないし非課税のものが多くあります。アメリカも同様です。つまり、ヨーロッパの消費税は贅沢税的な性格をもつ税なのです。ですから日本の消費税率は、すでにスウェーデンの税率25%に相当する高率なものだという指摘があります(菊池英博文京学院教授)。
 しかも日本の税制は法人税と所得税の比率をどんどん下げてしまいました。法人税率は40%から30%に、所得税は高額所得者減税、低額所得者に増税などというバカげたことをしたため、法人税と所得税の税収が激減し、消費税のウエートが高まっています。
 更に今回、またもう一歩進めたいというのですから、所得の再配分どころか、格差は広がってしまいます。
 消費税が福祉目的財源とされるかのような位置付けで、これに賛意を表す人が多いと報道されていますが、「政府のウソ」です。現に消費税は大企業の完全転換、輸出税のがれ還付の恩恵を受け、中小企業は自己負担です。ですから消費税の滞納は新規発出額中29.2%、滞納整理総額中45.8%です。
 消費税増税に反対もせず、地方税減税など(政令市民税3,000円の10%は300円)、人気とり政策にダマされてはいけません。
 統一地方選挙をたたかい抜き、消費税増税ストップをかける全国運動を皆さんと一緒につくり上げましょう。

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