原子力空母の横須賀母港化を許さない7・19全国集会
全国から1万5千人が結集
「原子力空母の横須賀母港化を許さない7・19全国集会」が7月19日、横須賀市のヴェルニー公園で開かれた。主催は平和フォーラムを中心に組織された原子力空母の横須賀母港化を許さない全国実行委員会。猛暑の中、全国各地からバスで駆けつけた労働者、県内などから参加した労働者、市民などで会場はあふれた(写真上)。最終的には目標の1万人を大幅に超える1万5千人が参加し、地元神奈川の参加者の多くが会場には入りきれなかった。
オープニングの「寿」などのコンサートにつづいて集会が開会。主催者あいさつで福山真劫・平和フォーラム事務局長は「原子力空母の強行配備は、米軍再編・強化の一環であり、米軍によるアフガニスタンやイラク侵略戦争にもうこれ以上加担することはできない。ジョージ・ワシントンは、火災を起こし、サンディエゴで修理中であり、当初予定の8月には横須賀には来れない。今日集まった力を拡大し、横須賀母港化を阻止しよう」と訴えた。
地元あいさつとして宇野峰雪・神奈川平和運動センター代表は、かつて原子力船「むつ」が漁民や自治体の反対運動によって結局、廃船となった経過をのべ、「みんなの力で原子力空母の母港化を阻止しよう」と呼びかけた。
国会情勢報告では、沖縄等米軍基地問題議員懇談会事務局長の川内博史・衆議院議員のメッセージが紹介された。民主党の那谷屋正義・参議院議員、社民党党首の福島みずほ・参議院議員、山内徳信・参議院議員、日森ふみひろ・衆議院議員による国会情勢報告が行われた。また、ハワイ、エクアドル、オーストラリアなど海外からの連帯メッセージや、逗子、海老名、綾瀬、大和の各市長からメッセージも紹介された。
つづいて、激辛風刺ライブ「はだかの王様」によるアトラクション、東京~神奈川平和行進団の紹介とタスキの受け渡しも行われた。
参加団体アピールとして3人が発言した。原子力空母の横須賀母港化の是非を問う住民投票条例を成功させる会共同代表の呉東正彦弁護士は、「原子力空母が強行配備されれば首都圏3千万人が原子炉事故の恐怖と同居することになる。さらに騒音、米兵の犯罪なども恒久化されることになる。空母の火災事故はいまだ原因不明だ。投票条例を取り組んだ力を生かし、全国と力を合わせて、阻止のための運動に発展させよう」と訴えた。
厚木基地爆音防止期成同盟の鈴木保委員長は、1973年の米空母母港化強行以来の経過をのべ、4次にわたる厚木基地爆音訴訟を闘ってきたことを報告、「引き続き力の限り闘う」と決意を述べた。
沖縄平和運動センターの山城博治・事務局長は「今日結集した力をかてに全国が団結して米軍再編を阻止しよう。与野党逆転した沖縄県議会は普天間基地の辺野古移設反対決議を採択した。あきらめず闘えば必ず道は開ける。共に頑張ろう」と力強く訴えた。
「原子力空母母港化撤回」を求めるアピールを採択した後、参加者全員が「ストップCVN(原子力空母)」「いらない原子力空母」と書いたカードを一斉に掲げて、抗議した(写真上)。
最後に三影憲一・三浦半島地区労議長の音頭で「団結がんばろう」を行い、集会を終了した。
集会後は、参加者は米軍基地ゲート前を通るデモ行進に出発した。参加者が多かったため、最後尾がデモに出発するまで一時間以上かかった。基地ゲート前では、ひときわ力強い「原子力空母は来るな」「米軍基地撤去」のシュプレヒコールが響き渡った。
広範な国民連合・神奈川もこの集会に参加し、最後までデモ行進を行った。
8月19日配備予定であった原子力空母「ジョージ・ワシントン」は、火災事故を起こし、現在は米カリフォルニア州のサンディエゴ基地で修理中だ。米軍は9月下旬の強行配備をもくろんでいる。今集会の成功をかてに、米軍再編に反対し、配備を阻止しする闘いを前進させよう。