米国に奪われた主権を取り返そう

「日米地位協定改定」を求める

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 いったい日本は独立国なのか。多くの国民は怒りに震えている。ましてや被害の酷かった沖縄の住民たちの怒りや悲しみは想像に絶する。

コロナ・ウイルスは、「オミクロン変移種」になり世界中に猛威を振るう。日本政府は、「外国からの入国を認めない」と水際対策を強化したという。

ところがこれには、「米軍基地の大穴」という重大な欠陥があった。そのため大穴の開いた米軍基地を持つ地域、特に米軍基地が集中する沖縄で感染がまず爆発した。昨年暮れ、キャンプ・ハンセン米軍基地から広がった。12月21日午前、玉城デニー知事は沖縄駐留アメリカ軍トップ、ジェームズ・ビアマン四軍調整官と小田原潔外務副大臣に電話で「今回の感染流行が収束するまでアメリカ本国から沖縄への軍人や軍属の移動を停止すること、基地の軍人・軍属の外出の禁止とPCR検査の実施」などを求めた。しかし米軍の回答は具体性を持たなかった。

外交権を持つのは国である。県知事の権限での要求はこれが精一杯であった。

沖縄などの米兵は、軍事基地から丸ごと「検疫なし」で日本に入国し、マスクも着けることなく基地外に出歩く。こうして沖縄や岩国基地の山口・広島にとどまらず三沢、横須賀、横田などでも感染、さらに市中への拡大が判明した。日本全土が米軍基地という大穴から流出したウイルスに感染したと言っても過言ではない。

米軍が他国に駐留するにあたっては、「駐留する国の主権」を守るのが道理である。ドイツ、イタリアは駐留米軍に対し、検疫に関する国内法適用や基地立ち入りの権限を持つことを「地位協定」に明記し、自国の主権が侵されないようにしている。これが当然である。

ところが、日本政府の態度は違う。

「日米地位協定(当時は行政協定)」は、日米安保条約に基づいて1952年2月20日にラスク特使(米国務次官補)と岡崎勝男国務相との間に結ばれた。「米国は米軍基地の設定を日本のどこにでもできる。駐屯費用は日本分担。公共事業は米軍優先。米軍の軍人・軍属・家族は治外法権」が基本である。極めて「植民地」的なもので、日本の主権をすすんで米国に渡してしまったものだった。

それは継続され、しわ寄せが今日まで続いている。記憶に新しいところでも、1995年9月の3米兵による「少女レイプ事件」、2012年6月、米兵による「女性暴行致傷事件」など重大な事件が引き起こされたが、いずれも容疑者米兵の身柄が引き渡される事はなかった。2004年「米軍大型輸送ヘリの沖縄国際大学墜落炎上事件」では沖縄県警も現場にも立ち入れなかった。

 そうした中での今回のコロナ・ウイルスの感染拡大である。日本政府は今回も、米軍の「自粛発言」でけりをつけた。それは日米地位協定第9条の「日米合同委員会合意」で「日本主権」否定されているからである。これまで、ことが起こると日米政府は、その都度「覚書」で処理してきた。今回も岸田首相は、1月17日から始まった通常国会で、「地位協定の見直しはしない」と言明した。この発言に断固反対し、取り消しを求める。

今こそ、アメリカ従属国化を終わらせなくてはならない。

私たちは、日本の主権をアメリカから取り戻すために次の事項を、現行地位協定の見直しの基本とし、何らかの形で明記することを要求する。

一 米軍基地の設定は、日本政府との合意に基づかなければならない。

一 米軍の駐屯費用は米国が負担する。

一 航空・交通・通信の管理及びすべての公共事業は日本政府が優先的に実施する。

一 米軍の軍人・軍属・家族の駐留はすべて日本の法令に従う。

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