課題・言葉一覧

生コン協同組合の健全な発展と18春闘勝利

全日建連帯労組関西生コン支部書記長 武 洋一

 今、近畿(滋賀、京都、奈良、和歌山、兵庫、大阪の府県)の生コン協同組合は、労働組合との協力関係によって生コン価格改定が相次ぎ、軒並み再建基調にあります。

 1994年に設立された大阪広域生コンクリート協同組合(以下、広域協組)は、82年以来の関生支部との対立関係を改め、対等な労使関係を構築することによってスタートしました。この間も10年単位の周期で混乱を繰り返しながらも、2015年に大阪府下の3協同組合(阪神生コン協組、レディース生コン協組、広域協組)が大同団結し、今や164社189工場を擁する日本最大の生コン協同組合です。
 しかし、その広域協組は、4人組(木村、地神、大山、矢倉)と称せられる連中に乗っ取られ利権確保の道具となっています。 続きを読む


憲法改悪、「戦争する国」づくり許さず

部落解放同盟第75回大会

「推進法」具体化、狭山再審闘争などの強化確認

部落解放同盟中央執行委員長 組坂繁之

 世界人権宣言70周年の今年、第75回全国大会を先ごろ終えられた部落解放同盟の組坂繁之中央執行委員長に、全国大会のポイントや、この1年どのように運動を進めていくかお話を伺った。

 この間、第71回全国大会から、女性代議員の割合を3割以上にしようということで取り組んできましたが、第75回全国大会も実現することができました。男女平等社会実現に向けた組織内目標の一つにしていますから、今大会でも達成できて良かったと思っています。 続きを読む


最後の保障、生活保護を敵視する安倍政権の悪行

長期に困窮が進む国民生活水準、さらに急テンポに悪化

 第二次安倍政権の登場から5年余り、この間に、国民生活の困難は急激に進み、貧富の格差が拡大した。さらに今、安倍政権は生活保護の生活扶助削減や年金支給額削減などで、貧困化する国民生活に追い打ちをかけている。財政難を口実にするが、軍事費はうなぎ上りに増やし続けている。実質賃金も減り続けている。生活困難と格差拡大に怒る国民の声を結集し、安倍政権を打倒しなくてはならない。 続きを読む


EV(電気自動車)化に伴う自動車産業の構造的変化と県民生活への影響について

特集 今、地域で何が進んでいるか

広範な国民連合北九州懇談会・世話人 中村哲郎

 広範な国民連合・福岡は、昨年12月の総会決定に沿って地域に入って調査活動を進めようとしている。金融危機後の経済危機と急速に進む技術革新の下で、とりわけ県内のリーディング産業と位置付けられてきた自動車産業がEV化などの影響を大きく受けて地域経済の激変が予想され、県民各層の暮らしに大きな影響が出ると見られるからである。
 今回、県世話人会の事前学習会で北九州懇談会の世話人の一人である中村哲郎氏が「EV(電気自動車)化に伴う自動車産業の構造的変化と県民生活への影響について」というテーマで報告した。その上で、①自動車産業が集積する地域の現場に入って、とりわけ逆風を受ける企業の経営者の話を聞き、行政に何を求めているかを聞き取る、②できれば現場の労働者、労働組合があるところでは組合の役員から、労働者の要望を聞き取る、③そうした要望を対行政の課題、とりわけ福岡県政に対する課題とする、④そのためには地方議員の役割が大きいので、協力できる地方議員と共同して、調査活動などに当たる、⑤引き続き調査活動を続けながら、次回、もう少し広い範囲の人たちに呼びかけて学習会を開催する、などを今後の活動方向として確認した。
 大企業は、企業間の国際競争に打ち勝とうと急テンポで、IoT、AI、ロボット化など技術革新に対応する合理化を進めている。疲弊した地域経済の中で自動車や電機など生き残った産業分野でも大打撃が避けられない。こうした中での福岡の取り組みは全国的に重要な意味をもつであろう。中村氏の報告要旨を紹介する。【編集部】

 電気自動車(EV)化の流れが加速していて、自動車産業には大きな構造的な変化が起ころうとしています。その背景についてお話ししたい。そしてもう一つは、そういう大きな構造変化の中で、日本の自動車産業、特に福岡県は麻生県政・小川県政の中で、北部九州自動車産業アジア先進拠点構想として「180万台生産」を目標にするなど、県政の重要な柱にしているわけですから、そこにどのような影響が及ぶのかということをお話しします。 続きを読む


AIを活用した、持続可能な日本の未来に向けた政策提言

特集 今、地域で何が進んでいるか

持続可能な地方分散シナリオの実現をめざすべき

京都大学こころの未来研究センター教授 広井良典

はじめに――AIは政策に活用できるか

 「AI(人工知能)」という言葉が、あらゆる場面や領域で現れるようになっている。現実的な場面では、AIによって人間の仕事ないし雇用の大半が取って代わられ大量の失業が生まれるといった話題がある半面、AIは多様な可能性やビジネスチャンスを生み出し、それを最大限活用していくことが、生活の利便性や、防災などさまざまな政策領域における的確な未来予測や意思決定につながるという見解もある。 続きを読む


安倍内閣自ら「破綻」評価を下した「地方創生」政策

特集 今、地域で何が進んでいるか

本稿は「【特集】今、地域で何が進んでいるか」を構成するいくつかの論文の前書であり要旨でもある。

地方の課題を考える

 これほど率直な物言いの閣議決定も珍しいのではないか。
 安倍政権の看板政策として鳴り物入りで始まった「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂を決定した昨年12月22日の閣議決定(以下、『改訂』)のことである。「最近では、関係者の中で地方創生への熱意が薄れているのではないか」と指摘した。2107年度が5カ年の「総合戦略」の中間年に当たることから、各施策について総点検を実施した結果を踏まえた評価である。この指摘は、官僚たちの、熱意が薄れ地方創生をほとんど口にすることがなくなった安倍首相への当てつけかもしれない。もっとも最初から、安倍首相に「熱意」があったとは思えないが。 続きを読む


朝鮮南北関係の劇的前進を断固支持! アメリカは平和協定を結べ

安倍政権は制裁を撤廃し対話、国交正常化に向かえ

 息詰まるような緊張の朝鮮半島情勢は一転した。3月5日、朝鮮民主主義人民共和国の金正恩委員長は韓国の文在寅大統領の特使と平壌で会談し、史上第3度目となる南北首脳会談を4月末、南北軍事境界線にある板門店の南・韓国施設内で開催することで合意した。この前進は、米朝関係の劇的な進展を生んだ。トランプ米国大統領は、文大統領特使に、5月までに金委員長との首脳会談開催を伝えた。文大統領は米朝韓首脳会談も提起した。
 こうした前進を心から歓迎する。史上初の米朝首脳会談が実現し、朝鮮半島の緊張緩和の合意が進み、さらに朝鮮戦争終結・平和協定を展望できるならばまさに歴史的なこととなる。 続きを読む


[名護市長選挙を受けて] 基地のない沖縄経済の夢を戦略的に示す

中国敵視ではなくアジアの平和交流こそ展望

伊波 洋一 参議院議員に聞く(文責、編集部)

 2月4日の名護市長選挙の結果については、渡具知武豊候補がかなりの票差で稲嶺進前市長に勝利したということで、大変大きなショックを全国の皆さんに与えたと思う。
 現地の皆さんも大変なショックを受けている。マスコミなど事前のさまざまな予測でも激戦であるとは伝えられていたが、これほどの票差がつくとは全く予想していなかった。 続きを読む


[追悼] 金子兜太氏の平和への思い

インタビュー(2017年8月3日 熊谷市のご自宅にて)

 2月20日金子兜太氏逝去への追悼として、前年の「日本の進路」9月号のインタビュー記事をここに掲載する。

 現代俳句の重鎮、金子兜太氏は「アベ政治を許さない」という文字を揮毫して、安倍政権と闘う全国の人々にエールを送った。同氏の平和への思いを伺った。(談 文責・編集部)

 私は1918年、大正8年生まれで97歳になります。
 神戸港のある町で日銀に勤めていた頃の句ですが、

朝はじまる海へ突っ込むかもめの死

 私は戦時中、日本銀行に勤めていましたが、海軍主計科士官・中尉としてトラック島に赴任し、そこで敗戦を迎えました。神戸港で海に突っ込む鴎とトラック島沖で海に突っ込む零戦闘機の姿が重なって、この句を作りました。 続きを読む


米朝は平和条約の締結で、朝鮮戦争の正式終結を!

衆議院議員 川内 博史

 朝鮮半島で南北会談が開かれ、南と北が、平昌オリンピック大会を成功させるために協力し、朝鮮半島の平和的な環境をつくるために共同して努力すること、南北関係の問題を対話と交渉で解決していくことで合意しました。これは歓迎すべきことです。
 一方、小野寺防衛相はオリンピック後に米韓合同軍事演習を再開するよう米太平洋軍司令官に要請し、北朝鮮への圧力を最大限まで高めようと申し合わせました。米国務長官はカナダで20カ国の外相会合を開き、北朝鮮の弾道ミサイル発射は世界全体の脅威だと主張しました。河野外相も対話ではなく、最大限の圧力をかけようと呼応しました。
 北朝鮮は経済がアメリカの千分の一もない、小さな国です。なぜ、こんなことになっているのか。 続きを読む


国民を守らない政治への対処方針

発想の転換

東京大学 鈴木宣弘

規制緩和、自由貿易の正体~グローバル企業への便宜供与

 米国民が否定したTPP(環太平洋連携協定)をTPP11(米国抜きのTPP)で推進し、TPP型の協定を「TPPプラス」(TPP以上)にして、日欧EPA(経済連携協定)やRCEP(東アジア地域包括的経済連携)にも広げようと日本政府は「TPPゾンビ」の増殖に何故に邁進するのか。 続きを読む


戦争を回避し、「対話」の流れをつくろう

朝鮮の「今」を理解し、市民への情報還元も

北原 守(福岡県日朝友好協会会長、元福岡県議会副議長)

 朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の平昌五輪への参加などもあって、米朝関係は一時的には緊張緩和の状態にあるが、本質は変わらないと考えている。朝鮮側は、圧力には絶対に屈せず、米国が核保有国と認め、平和協定を結ぶまでは核・ミサイル開発はやめないとしており、一方で日米は、北朝鮮が核政策を放棄(非核化)するまでは圧力を最大化するとし、制裁をさらに強化しようとしている。このまま真逆の対立が続けば、米朝間のチキンレース(ののしり合い)はさらに激化し、戦争の危機が実際化すると見ているのは私だけではあるまい。 続きを読む


緊張緩和の南北合意を断固支持する

わが国も民族の運命を自らが握る道へ!

「日本の進路」編集部

 新年を迎え、韓国と朝鮮民主主義人民共和国の双方は、朝鮮半島情勢を劇的に転換させるべく動いた。昨一年、対中国を中心に強引な「巻き返し」を狙うアメリカ・トランプ政権の登場で、とりわけ朝鮮半島での軍事緊張は限界近くにまで高まっていた。こうした中で南北双方は1月9日、閣僚級会合を板門店で開き、緊張を緩和へと導き、民族の運命を自分たちの手に握るための壮挙、誠に意義深い合意に達した。われわれはこの動きを歓迎するとともに、日本でも呼応し、緊張緩和へ日朝関係打開の世論を促さなくてはならない。 続きを読む