差別・ヘイト一覧

敗戦80年 相模ダムにおける強制連行の歴史

相模ダムにおける強制連行の歴史

相模湖・ダム建設殉職者合同追悼会事務局
相模湖・ダムの歴史を記録する会 代表 橋本 登志子

 

 相模ダムは1938年に神奈川県議会で可決し、47年に完成しました。背景には、戦時下における軍需産業の拡大に伴う電力不足があり、安価な電力供給で軍需産業を誘致し財政再建や、工業用水の確保がダム建設の目的でした。
 先祖代々の土地が湖底に沈むことを知った集落の住民らは、土地を残せるよう求める反対運動を展開しました。しかし、「時局柄重大性ある」事業という理由から山梨県側を含めた136戸の家々が湖底に沈みました。立ち退きを余儀なくされた人々は県内の海老名市、東京の日野村や八王子などに分散移住しなければなりませんでした。 続きを読む


敗戦80年 朝鮮女子勤労挺身隊の被害者

 朝鮮女子勤労挺身隊の被害者

未解決のまま80年

林 安沢

三菱重工本社前での抗議要請行動

 朝鮮女子勤労挺身隊とは、アジア太平洋戦争末期の深刻な労働力不足を補うために、日本が植民地支配をしていた朝鮮半島から、小学校(国民学校)卒業間近の生徒などを「噓と脅迫」の勧誘で集め、日本に連行された朝鮮の女の子たちです。今で言えば中学生ぐらいの女の子たちです。日本の一流企業で大企業の三菱重工の「日本に行けば女学校で学べる」「お金を稼げて親孝行ができる」「ご飯を腹いっぱい食べられる」などの噓を信じて応募しましたが、約束(労働契約)は何一つ守られませんでした。 続きを読む


石川一雄さんを追悼する

石川一雄さんを追悼する

和歌山県議会議員 藤本 眞利子(広範な国民連合全国世話人)

 

 

 

 石川一雄さんが亡くなられました。

 ご存じない方もおられると思います。1963年5月に埼玉県狭山市で発生した女子高生が殺害された狭山事件で犯人として逮捕され、無期懲役刑に服した石川一雄さんです。

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敗戦80年 北海道炭鉱強制連行

笹の墓標強制労働博物館を創る

NPO法人東アジア市民ネットワーク代表理事 殿平 善彦

 

 

 

 

 2024年9月28日、北海道幌加内町朱鞠内に「笹の墓標強制労働博物館」がオープンした。オープニングセレモニーには日本各地、韓国、ドイツ、オーストラリア、フランスから180人が参集した。 続きを読む


敗戦80年 井上 洋子

長生炭鉱の坑口を市民の力で開けた
次は死者に会いに行く

長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会 共同代表 井上 洋子

 

 

事故は石炭供出を優先
した「人災」だ

 1942年2月3日早朝、山口県宇部市にあった長生炭鉱の天井はついに水圧に耐え切れず崩れた。戦時下の石炭増産が国からの至上命令だったなか、海底炭鉱の大規模な水漏れを補修しながら、石炭採掘を強行したためだ。奥の浅く危険な採炭場には、朝鮮半島から連れて来られた朝鮮人坑夫たちが配置され、彼らは流れ込む海水に瞬く間にのまれた。犠牲者183人のうち7割に及ぶ136人が朝鮮人だった。

「刻む会」は朝鮮人犠牲者の追悼碑建設と遺骨発掘事業の功績により、第12回リ・ヨンヒ賞特別賞を受賞した(12月2日、ハンギョレ新聞本社)

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群馬の森「記憶 反省 そして友好」の碑

 第20回追悼集会

強制連行・犠牲者を追悼し、運動の発展と碑の再建を誓う

 「群馬の森『記憶 反省 そして友好』の碑」第20回追悼集会が群馬県前橋市内の群馬県教育会館で5月11日、開催された。碑が県の行政代執行で破壊された後の最初の追悼集会だったが200余の人々が参加した。 続きを読む


朝鮮人労働者追悼碑の破壊に断固抗議する

広範な国民連合代表世話人 角田 義一

記者会見する弁護団長としての角田義一さん
(中央)

 

 

 

 

 

 

 「群馬の森」(県立公園、高崎市)に建てられていた朝鮮人労働者追悼碑の行政代執行撤去を群馬県は強行、2月2日に完了した。この許されざる暴挙に対して、広範な国民連合代表世話人で碑の建設当初から奮闘努力し、今も「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」共同代表を務める角田義一さんは、次のコメントを発表した。
 「無惨にも追悼碑は破壊され、瓦礫の山と化してしまった。このような暴挙は人間性を欠いた非情な仕打ちであり、恨みが残り、決して許されるものではない。強い憤りを覚える。
 しかし、諦めることなく、全国の有志の力を結集し、新たに追悼碑の再建に取り組んでいきたい」

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民族差別を許さない 谷口 滋

植民地主義、同化政策によるアイヌ民族差別

元東京教組委員長、広範な国民連合・東京世話人 谷口 滋

 

 侵略と植民地主義によって差別が生まれることは周知のことですが、日本の植民地支配は、アイヌモシリ(北海道)に始まり、琉球、朝鮮、台湾に及びました。
 アイヌ民族に対して明治政府は、土地(アイヌモシリ)を奪い、生活の糧であったサケや鹿などの狩猟を奪い、名前や言語を含む文化を奪って、日本人への徹底した同化を迫りました。これらの侵略と植民地支配によって、アイヌ民族を蔑む差別を蔓延させたことは言うまでもありません。この植民地支配と同化政策は、琉球、朝鮮、台湾にも引き継がれました。
 アイヌ民族に限らず、琉球、朝鮮、中国への差別、偏見、敵対は日本の植民地支配と同化政策を歴史的事実として反省し、克服できていないことに起因すると思います。

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♬入管問題うちらの問題♫

連帯できるってめちゃ希望!

大学生 伊礼 悠花さん

 

 

 

 

国会で入管法改正案審議が大詰めを迎えた5月27日、神奈川県川崎市内で改正案廃案を求めるデモが行われた。土曜日午後、川崎駅周辺を行き交う数千人の人々の注目を集め、沿道から温かい声援や拍手も寄せられた。このデモを企画し実行した大学生の伊礼悠花さん(21)に話を聞いた。

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外国人実習生等の人権問題

ウィシュマさんの死が問いかけるもの

 

弁護士 指宿昭一さんに聞く

 

昨年3月6日、スリランカ出身のウィシュマさんが、名古屋出入国在留管理局の収容施設で亡くなって1年が経過した。外国人実習生等の人権問題に献身的に取り組む指宿昭一弁護士に聞いた。2月19日談に3月に補足してもらった。(見出しとも文責編集部)

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[全国水平社創立100周年]記念集会 3月3日、京都市岡崎

部落解放・人間解放にむけた闘いのいっそうの強化を誓う

解放新聞社提供

 

 

 

 

 部落解放同盟中央本部は全国水平社創立から100周年を迎えた3月3日、創立大会が開かれた京都市岡崎のロームシアター京都(京都会館)で全国水平社創立100周年記念集会を開催した。約1000人参加の、新型コロナウイルス感染症の影響で規模を縮小しての開催となったが、厳しい部落差別と闘った先人の苦闘を受け継ぎ、部落解放にむけた広範な闘いを前進させることを確認した。

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憲法改悪、「戦争する国」づくり許さず

部落解放同盟第75回大会

「推進法」具体化、狭山再審闘争などの強化確認

部落解放同盟中央執行委員長 組坂繁之

 世界人権宣言70周年の今年、第75回全国大会を先ごろ終えられた部落解放同盟の組坂繁之中央執行委員長に、全国大会のポイントや、この1年どのように運動を進めていくかお話を伺った。

 この間、第71回全国大会から、女性代議員の割合を3割以上にしようということで取り組んできましたが、第75回全国大会も実現することができました。男女平等社会実現に向けた組織内目標の一つにしていますから、今大会でも達成できて良かったと思っています。 続きを読む


「ヘイトスピーチを許さない」川崎市条例づくりに取り組んで

「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク事務局 三浦知人

 国民連合・神奈川の第19回総会で、「ヘイトスピーチを許さない」かわさき市民ネットワーク事務局の三浦知人さんが闘争報告をされた。地域から民族差別と闘い、国会で「ヘイトスピーチ解消法」を成立させ、現在は川崎市での条例づくりに取り組んでいる。
 報告要旨にその後の動きなどを加筆してもらった。【編集部】

 民族差別をなくすという地域活動に関わる立場から報告します。川崎市南部の桜本地区を中心として、在日2世の人たちが40数年前から差別に向き合いながら、共に生きる地域社会を築いていこうという地域活動・市民運動で活動をしてきました。
 関東の中でも在日コリアンの集住率が高い桜本を中心とした街に、2015年11月に突然ヘイトデモが襲撃してきました。それに対する闘いが、私たちがヘイトスピーチと向き合う始まりでした。 続きを読む