極東最大の岩国基地(山口県)
連日の訓練、機能強化が進む
岩国市議会議員 姫野 敦子
極東最大の米軍基地になった岩国基地には、空中給油機、空母艦載機やF35Bなどに加えて、このたびステルス機能の戦闘機F35Aがカナダから、またF22も飛来。このF22はステルス性能に加えて多様な任務にも対応できる性能を持ち、猛禽類を意味するラプターと言われる。数日前には無人偵察機の「トライトン」も飛来している。
議会中も昼休みの12時40分ごろには連日次々と爆音を轟かせて離陸していく。騒音の苦情もいつにも増して多いと聞く。
訓練の狙いは即応能力の向上。背景には中国や北朝鮮の存在があり、外来機の飛来は力の空白を生じないようにとの配慮などで仕方ないと言われている。
空も心配だが、基地に付設の軍港には2021年度には17隻、本年度もこの2カ月で4隻が寄港と、これまでの15年間に5隻とは比べものにならない数の艦船が接岸、戦略上の拠点化が進んでいる。








米中対立は激しさを増す一方であり、このままでは「新冷戦」にとどまらず、この地域で「熱戦」が起き、日本も戦場になりかねない。世界も米ブロックと中国ブロックに二分されていく。この状況下で日本には、軍事力強化の声しか存在しないかのような空気である。筆者が代表を務める新外交イニシアティブ(ND)では、この事態を強く懸念し、安全保障についての政策提言書「抑止一辺倒を越えて~時代の転換点における日本の安全保障戦略」を発表した。ぜひ、ご注目いただきたい。
NPO法人「新外交イニシアティブ」は、3月、「抑止一辺倒を越えて」と題する安全保障に関する提言を発表した。同提言は、北朝鮮、ロシア、韓国、インド太平洋、中東など、広範な外交課題についても触れているが、ここでは、米中対立のなかにおける日本の対応に関する部分を中心に紹介する。