都立・公社病院の
独立行政法人化反対の申し入れ
広範な国民連合・東京(共同代表・片岡健、西澤清)は2月7日、小池百合子都知事及び関係部局に対し独法化中止を求める要望書を提出しました。東京都は都立・公社病院の独立行政法人化(独法化)計画を推進しています(3月の都議会で議決される見込みとされる)。新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、都民は公的医療機関の重要性を痛感しましたが、東京都の進める独法化は医療の充実に逆行するものです。
(広範な国民連合・東京事務局 松尾ゆり)
東京都知事 小池 百合子 殿
東京都福祉保健局長 中村 倫治 殿
東京都病院経営本部本部長 西山 智之 殿
都立・公社病院の独立行政法人化の中止を求める要望書
自主・平和・民主のための広範な国民連合・東京
代表世話人 片岡 健
代表世話人 西澤 清
新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、都民のいのちと安全を守るために奮闘される東京都の医療関係者はじめ、多くの皆さまに心から敬意を表します。
さて、都立病院は1879年にコレラなどの感染症や精神疾患・生活困窮者の診療を担う行政的医療機関として設立され、現在も都立病院及び東京都保険医療公社病院として、災害医療、難病医療、周産期医療、小児精神医療、感染症医療などに対応する都民のいのちを守る医療機関として欠かせない存在であり、とりわけ、今般のコロナウイルス感染症対策において極めて重要な役割を果たしております。
しかし、昨年、新型コロナウイルス感染拡大の第3波や第5波においては、都内で入院できない軽症・中等症のコロナ患者を激増させ、50人以上の方が自宅等で死に至るという悲惨な状況となりました。現在の第6波でも自宅療養者が8万人を超えています。
ところが、知事は感染拡大局面の2020年3月31日、8都立病院と6公社病院を2022年に地方独立行政法人化するべく「新たな病院運営改革ビジョン」を策定、独法化に向けた準備予算を計上し、さらに、都民が苦難に直面するさなかの2021年9月28日には第3回都議会定例会に「地方独立行政法人東京都立病院機構定款」議案を提出、10月13日の本会議において、都議会は同議案を可決しました。更に今般、2022年度東京都予算(案)においてもその予算化と組織定数について提案されました。
このように貴職らが都立・公社病院の独立行政法人化を進めてきたことは、厚生労働省による全国の公立・公的病院の再編・統合に対し抵抗するどころかむしろ積極的に従う動きであり、現下まさに都民が切望する東京都の医療体制整備に全く逆行するものと言わざるをえません。
独立行政法人化は、コスト削減圧力を強め、病院職員に大きな負担を強いるばかりか、設備・機器等への制約が生じ、患者・家族が適切な医療へアクセスすることが困難になります。私たちは、都民の誰もが安心して等しく医療を受けられる公的医療を守りぬくことが、とりわけコロナ感染症のような医療危機のもとでは絶対に必要であることを痛感しました。都民のいのちと安全を守るため、下記のように要望します。
記
東京都は、都民のいのちと安全をおびやかす独立行政法人化を直ちに中止し、都立・公社病院の存続へと方針転換すること。
以 上