沖縄東村での米軍ヘリ墜落抗議!国家主権を取り戻せ
10月11日に沖縄県東村高江で起こった米軍ヘリ墜落事故について、SEALDs ・RYUKYU の元山仁士郎さんの広範な国民連合・神奈川総会での報告の一部と松永勝利「琉球新報」編集局次長・報道本部長の特別評論(琉球新報10月13日付)を筆者と琉球新報社の了解を得て掲載します。
元山仁士郎(SEALDs・RYUKYU、大学院生)
この総選挙で、沖縄で争点になったのは米軍基地問題でした。これは、沖縄だけでなく全国で争点になるべきなのですが、残念ながらそうはならなかった。これがまず、選挙でもそうですが、日本の政治の一番といってよい問題です。辺野古での新基地建設問題と普天間基地閉鎖の問題がずっと争われてきています。それにオスプレイの事故、不具合が相次いでいます。
とくに、10月11日には、沖縄本島北部の東村高江で、報道では「緊急着陸炎上」と言われているヘリコプターの墜落事件が起こった。民有地の牧草を作っている農地に墜落した。民家からわずか300メートルのところです。
乗組員は無事脱出したのですが、牧草が燃え、農地が破壊された。日米地位協定の壁で、現場から約100メートル離れたところの内周規制線で知事もそれ以上は立ち入れないわけです。マスコミなどは300メートルの外周規制線の外から見ている状況です。ストロンチウム90による放射能汚染も心配されています。しかも、事故7日後の18日には、海兵隊は日本政府も認めぬ中、飛行再開を強行しました。翁長雄志知事も「日米地位協定の中で日本には当事者能力がない」と強く怒っていました。さらに海兵隊は、日本側が現場検証も原因調査もできぬまま機体残骸と周辺の土を削り取って持ち去りました。
これが日米地位協定に阻まれた日本という「主権国家」の現実です。
オスプレイは沖縄だけでなく、8月に岩国や大分で不時着し大問題になったように、米軍は全国で飛行を強行しています。さらに日本政府、自衛隊も、このオスプレイを破格の値段で17機購入します。日本中に、問題をまき散らすことになります。
東村高江の現場の土地所有者である西銘さんの声が地元紙に載っていました。「もう牧草も地面にへばりついてぺしゃんこになっていた。大型車もあれだけ入っていたから。変わり果てていた」。(米軍は大型トラック5台分の土を奪い去った)「ええ! あんなに持って行くわけ? 県の調査も全然できていないのに」と驚いたと。
西銘さんの牧草は畜産農家からも「質が高い」と有名だった。「土壌は30年かけてとても良くなった。元通り回復させるのは不可能に近いだろう」と、怒りを抑えるように語ったとありました。
さらに西銘さんは、「これが地位協定の壁なんだ」と。米軍が、ノーと言って、米軍の管理地、占有地にされてしまう。こうした実態を、自分は初めて目の当たりにした、体験したと話しています。
これは沖縄では多く起きていることですが、沖縄だけの問題ではありません。
特に、神奈川県でもいろいろと起きている。6月には米軍のイージス艦がコンテナ船に衝突する事件がありましたが、その時も海上保安庁は捜査権を行使できなかった。8月には、横浜港をまたぐベイブリッジに米軍ヘリが大接近しあわや衝突かという事件もあった。もちろん、衝突すれば大惨事ですが、米軍ヘリは日本の航空法を守らずに自由勝手に、横浜の空を、日本の空をどこでも飛行しています。これも地位協定と付随する日米の密約で守られています。
沖縄だけでなく、神奈川県でも考えないといけない課題だと思います。
私は、今、大学院で日米地位協定や日米外交史について勉強しています。日米関係の問題を含めて勉強して、今後も発信していきたい。
特に若い皆さんの中に、一緒に考え、行動するネットワークを広げてゆきたいと思っています。