第2次アジアの平和と未来をひらく若者訪中団に参加して

 「第2次アジアの平和と未来をひらく若者訪中団」が9月7日から瀋陽および撫順と北京を訪問した。その感想レポートである。(編集部)

日中両国の視点を知る

津田塾大学2年 白坂 伊織

 

北京大学紅楼、
若者がひらいた未来

 約百年前の「若者」が自分たちの国家や未来のために学び、議論し、行動したことを象徴する建物「北京大学紅楼」を訪れました。「若者」である大学生・大学院生の団員たちと訪れ、まさにその紅楼で、日中の歴史や政治など多岐にわたって意見交換をしたのはとても意義深い経験でした。また百年以上前から、多くの中国人留学生が日本で学び、日本の新聞や雑誌を読み、国内外の政治情勢に関する情報を得ていたことを知りました。彼らの勇気ある行動は、中国留学を目指す私にとても響きました。

愛国主義と国際主義

 今回の訪中を通して、愛国とは、「外国に反対する」「外国を排斥する」ことではないと強く実感しました。昨今、愛国を謳い、外国人を排斥しようとする動きが国内外問わず強まっています。国家や民族の枠組みを超え、国同士の協力、相互理解、世界の平和や繁栄を目指す人々が、〝非国民〟〝売国奴〟と中傷されることが増えています。
 例えば、中国の歴史教育を〝反日〟教育と報道するメディアを、国内外で目にします。しかし、実際に中国で教育を受けた中国人と交流する中で、歴史教育の目的は〝反日〟感情の養成ではないと強く確信しました。
 行った人にしか分からないことがあります。
 行ったから言えることがあります。しかしながら、政治情勢に巻き込まれ、行きたくても行けない、学びたくても学べない人がいます。だからこそ、行った人が声を上げる必要があると感じます。大好きな日本と大好きな中国で、再び傷つく人が出ないように、誹謗中傷を受けることも多いですが、平和を諦めず、歴史を学び続けながら、友好活動に尽力したいです。

豊かな多文化共生社会へ

 日中両国の視点を知ることの大切さは、大使館の方、ジャーナリストの方、この訪中を通して関わった、多くの中国人が強調していたことです。
 日本国内にいながらも、中国人の視点、中国の立場を知ることは可能です。日本国内には、中国にルーツを持つ方々が多くいます。彼らとの民間交流、文化交流が相互理解の鍵を握る、そして豊かな多文化共生社会へとつながると考えます。
 今回の訪中経験は、保守的な環境でも、自分の見たものを信じ、自分の信念を貫く勇気につながりました。大変難しい政治状況の中でも訪中団の派遣を決定し、私たち若者に学びの機会を与えてくださった、変革のきっかけを与えてくださった、日中両国関係者の皆さま、私の考えを尊重し、私を信じ、中国へ送り出してくれた家族に深く感謝申し上げます。