日本商工会議所 日本商工会議所結果発表

政府は中小企業へ支援を

 日本商工会議所は6月12日、「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」(約2500社が回答)を発表した。集計結果によると、中東情勢の緊迫化による燃料や石油化学製品の不足や価格高騰で中小企業の約7~8割に影響が出ている。経営への影響を受けているのは9割超にも上る。
 その対策として企業では「価格転嫁」および「在庫確保」が多いが、あまり価格転嫁が進んでいない実態が明らかになった。こうした状況が早期に終息する見通しはなく、状況の悪化が長期化すると、企業にも国民生活にもさらに深刻な影響を及ぼすことになる。

中小企業で進まない
価格転嫁

 経営に影響を受けていると回答した企業は92・5%にも上っており、ほとんどの企業が影響を受けていることが分かる。その影響内容は「仕入価格の高騰」(74・8%)、「燃料価格の高騰」(62・9%)、「物流費の高騰」(38・7%)の順となっており、コスト負担の増加という形で影響が表れている。
 影響を受けている企業のコスト増加分の価格転嫁の状況は、「価格転嫁できている、一部できている」と回答した企業は46・6%で、「ほとんど価格転嫁できていない、していない」が48・4%と半数近くになっている。
 仮に燃料・石油化学製品の供給途絶や著しい価格高騰が生じた場合、「1カ月以上の事業継続が可能」と回答した企業は37・1%にとどまる。一方、16・8%の企業は「1週間以内」と回答している。2割弱の企業とはいえ、状況がさらに悪化すれば1週間以上の事業継続は不可能と回答していることは非常に深刻だ。
 さらに、中東情勢の緊迫化に対し約8割の企業が何らかの対応を行っているにもかかわらず、少なくない企業が事業継続の困難さや価格転嫁が進まないと見ていることは、企業努力だけでは何ともならない状況がすでに始まっているということだ。
 企業側の対応策としては「上昇したコストの販売価格への転嫁」が39・7%で最多だが、逆にいえば6割強は価格転嫁の対策すらとれなかったということになる。「価格転嫁」などとても不可能という実際なのだ。また、従業員数が少ない企業ほど価格転嫁が進んでおらず、0~5人の企業では31・4%にまで低下している。一方、101~300人規模の企業では45・7%が価格転嫁できており、中小企業の中でもさらに規模による格差が拡大していることが見てとれる。

中小企業の支援策充実が必要

 こうした状況に対し、政府・自治体に求める対応策の上位3つの回答を求めた問いで一番多かったのは「エネルギーの安定供給確保」で約6割に上っている。事業継続が困難になりかねない状況が迫って、政府の対応に対する不満がかなり燻っている状況が出ている。
 個別支援策では「電力・ガス料金の負担軽減」に24・2%、「燃料費の負担軽減」が23・6%など、価格高騰でエネルギー・燃料負担軽減策を求めている。「資金繰り支援」にも23・7%の企業から要求が出ている。
 エネルギー・燃料価格への企業負担軽減のニーズが高いのは、それだけ価格高騰によるコスト増の負担が重いと感じているといえる。
 資金繰り支援のニーズも少なくない。中小企業の経営がそれだけ追い込まれているのである。すでに倒産増のニュースも流れる。加えて、人件費高騰も経営コスト増の要因の一つと考えられる。
 さまざまなコスト増がふりかかる中、資金繰り支援にとどまらない公的支援は、中小企業の経営を守り、労働者ひいては国民生活の防衛のためにも必要といえる。こうした中小企業が求めているさまざまな支援策を政府や自治体が急いで実施するよう求める。

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