「沖縄を平和のハブに」が3回目のシンポ開催

高市発言で危機的な日中関係の打開へ

 「沖縄を平和のハブとする東アジア対話交流PROJECT」のシンポジウムが11月22日、那覇市で開催され、約100人が参加した。主催は同実行委員会で沖縄県、連合沖縄、沖縄タイムス社、琉球新報社が後援した。この取り組みは2022年に始まり、今回は3回目。
 シンポジウムの全体は神谷めぐみさん(Action Okinawa)の司会で進行した。
 冒頭、玉城デニー沖縄県知事、チリツィ・マルワラ国連大学学長、鳩山由起夫元首相からのビデオメッセージが紹介された。また中国の呉江浩駐日大使のメッセージが読み上げられた。
 シンポジウムの第一部は「台湾有事と日中関係、国連と沖縄」をテーマにシンポジウムが行われた。
 羽場久美子・青山学院大学名誉教授は、焦点となっている高市首相の「存立危機事態」発言について、「中国を仮想敵としてミサイルや武器を配備するということは、日本経済の衰退につながる。これまで脈々と積み上げてきた、歴史的な日中友好関係が暗礁に乗り上げている」と危機感を示すとともに、「日本の戦後外交の基礎は、日中友好と、『台湾は中国の内政である』という考え」と指摘、高市首相の発言を厳しく批判した。
 髙良鉄美・琉球大学名誉教授は、沖縄が長らく中国や朝鮮との交易を通じて繁栄してきた歴史を振り返りながら、戦後、米国による「異民族支配」のなか、国連平和憲章の適用を強く求めてきたことに触れ、「沖縄が平和のハブとしてふさわしい地域」と強調した。
 前泊博盛・沖縄国際大学教授は国際情勢を俯瞰しながら「世界的に軍拡時代へ加速している」と警鐘を鳴らし、その転換に向けて「経済的な連携こそ重要」と訴えた。その上で、EU(欧州連合)に倣う形でAU(アジア・ユニオン)の構築を提起、歴史的・地理的に沖縄がその中心となることの重要性について述べた。
 続く二部は沖縄在住の神谷美由希さんが司会を務める形で、広島、長崎、沖縄、そして中国からの留学生によるクロストークが行われた。
 長崎で反核・平和活動を行っている一般社団法人「MICHISHIRUBE」の大澤新之介さんは日本の若者が沖縄の歴史について十分知らないことに触れ、教育の重要性を強調した。
 「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(カクワカ広島)の田中美穂さんは広島での被害の実相と併せて、日本の加害の実相についても認識を深める意義を訴えた。
 中国から沖縄に留学している万斉岭さんは高市首相の発言を念頭に「平和主義の沖縄は日中関係の悪化の歯止めになり得る」と述べた。
 シンポジウムの終了後には交流会が開かれた。連合沖縄の仲宗根哲会長が来賓あいさつ、伊波洋一参議院議員が乾杯の音頭をとった。シンポジウム登壇者をはじめ参加した国会議員や自治体議員と共にさらなる活動への意欲を語り合った。
 翌11月23日には、交流イベントで「沖縄戦の実相」と「基地と経済」の二つのコースでバスツアーが行われた。沖縄戦の実相や米軍基地による諸問題や沖縄の発展を阻む現状などの理解と交流が深められた。
 対中国戦争準備の軍備拡張や日米合同軍事演習などが頻繁に行われ、しかも高市発言のような挑発が繰り返される重大な情勢が進む。北東アジアの平和安全を確保するための「沖縄をハブとする」国際的取り組みはますます重要となっている。