日米地位協定の抜本見直しを決議
実行委員会代表たちが対政府要請行動
沖縄で開催された「第20回全国地方議員交流研修会」実行委員会は2月6日、国会内で外務省や防衛省の担当者と面談し、日米地位協定の抜本的見直しを要請した。要請行動は、沖縄実行委員会代表の山内末子県議の発議で、全体会で確認された「決議」に基づくもの。決議は、基地負担の問題や米軍による相次ぐ女性への暴行事件などを受け、ドイツなどでは当たり前になっている国内法適用がなされないなどの日米地位協定を厳しく批判し、「主権国家の矜持をもって連帯して、地位協定の抜本的見直しを全国に広く発信し、全国地方議会で決議し、国民世論を盛り上げるため努力することを確認した」。
要請には実行委員会共同代表の北口雄幸北海道議、藤本眞利子和歌山県議、山内末子沖縄県議をはじめ全国から20人以上の自治体議員が出席した。また、北海道や沖縄選出の衆参国会議員9人が駆けつけ国への要請を後押しした。
政府側から外務省と防衛省の担当者が出席したものの、石破首相の改定主張の認識にすら至っていないものだった。
参加者は、決議とそれを踏まえたこの行動を出発点に、全国の自治体議会で日米地位協定のあり方や基地負担の問題について議論を提起し、意見書採択などを進め、国民世論を盛り上げるため奮闘を確認した。
2・6 政府交渉に参加して
これで独立国か! 米軍機の市街地低空飛行
栃木市議会議員 内海 まさかず
交渉相手となった政府側参加者は外務省と防衛省。私は名刺交換をしていないので分かりませんでしたが、職位はノンキャリアの上の方かキャリアの下の方。係長か課長補佐って感じを受けました。
この交渉で意見を述べる機会を与えてもらった私は「エセ右翼」を演じることにしました。その方が相手に印象が残るのではないかと思ったからですが、発言の冒頭、次のエピソードを話しました。「私が最初に議員なった時、もらった議員バッジの裏にメイドインUSAと刻印があった。なぜ日本国民、栃木市民から選ばれた議員が外国製のバッジをつけるのか」と議会事務局にクレームを言って、そのバッジは替えさせた(これは事実)ことを話しました。なんとなくこれ右翼っぽくないですか。
さて、私が言いたかったのは次の二点。一点目は米軍機による市街地上空の低空飛行。二点目はそれに対する防衛省の対応でした。
一点目の米軍機の低空飛行に関しては、私の住む栃木市の上空にずいぶん前から現在までC︱130Jと思われる米軍の輸送機が低空飛行しています。しかも複数機で栃木市上空で進路を変えています。
私たちは上空に飛行するものがあれば無意識に見上げてしまいます。飛行機1機ならまだしも、栃木市の上空を飛ぶ米軍機は大体2機か3機で編隊を組んで飛んできます。これが低空飛行なのです。ある時には超低空飛行、地上からパイロットの顔が見えるくらい。顔が見えるという距離は、おそらく地上100mくらいです。それが3機連続で飛んできます。なんかブオーンと音が聞こえるなと思って上空を見上げると飛行機が見えてきます。低空飛行なのであっという間に頭上を通り過ぎ、見えなくなる。低空飛行する機体を見ると星のマークが描かれており米軍機だということが分かります。
私は空港以外でこんな低空飛行の飛行機を見たことはありません。私の家の近くの2㎞と離れていないところに救急病院がありますが、そこへ飛んでくるドクターヘリでもこんな低空は飛びません。沖縄の基地周辺や神奈川の爆音訴訟の話を聞くと生活が侵されるという住民の怒りに共感が持てます。栃木市ではたまたまブオーンという程度であるだけです。
米軍は、自国では市街地の上空をこんなに低空飛行することができないのに、なぜ日本の上空ではこんなにわが物顔で飛ぶことができるのか。日本政府は何をしているのか。
実態も把握しない
政府防衛省
二点目は、防衛省の対応。栃木市の上空で毎日のように低空飛行が続いていた時、コロナ前だったのでもう5、6年前くらい前の話です。ある市民の方が防衛省にこの低空飛行のことを問い合わせたそうです。すると防衛省も米軍の飛行は把握していない。何時ごろどちらの方向から来てどちらの方向に飛んで行ったのか状況を教えてほしいと言われたそうです。その方は米軍機を見るたび、要請通り電話していたそうですが、何日も続いて飛んでくるので電話しなくなったと言われていました。
自国の空なのに、外国のしかも軍用機にわが物顔で飛ばれて、その実態さえ把握できない状況で主権国家、独立国と言えるのでしょうか。最近は自衛隊と米軍は仲が良いようですが、少なくとも自国内における外国軍の行動を把握しなければ政府という行政機関とは言えないのではと思います。
米国でMAGAの大統領が誕生し移民の排斥を訴えていますが、わが国は外国軍排斥、攘夷運動が必要なのでは。あーわが国・日本よ。私たちはカナダにも抜かれアメリカの52番目の州となってしまうのか。
最後の部分はエセ右翼の独り言でした。
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日米地位協定の抜本見直しを求める要請書
内閣総理大臣 石破 茂 殿
外務大臣 岩屋 毅 殿
防衛大臣 中谷 元 殿
第20回全国地方議員交流研修会参加の地方自治体議員の総意をもって、わが国国家主権が著しく制約されている日米地位協定の抜本見直しにわが国政府が取り組むよう要請する。
とくに、次のような点の見直しが求められる。
1.米軍基地を提供・返還する手続き、内容が米軍に都合の良いものであること。
日本のどこでも期限の定めなく使用目的・条件を厳しく限定しないまま、施設や区域が提供され、国会の関与がなく密室で合意される非民主的な仕組みであること。
2.米軍基地や米軍が日本の法の規制を受けない仕組みとなっていること。
このことで市民の生活や基本的人権、地域の自然や生活環境が阻害され地方自治体の行政に多大な影響を及ぼしていること。
3.さまざまな特権が米軍や米兵・軍属に与えられていること。刑事事件あるいは行政上の面でもさまざまな特権が与えられているため、法的正義を害したり市民生活を圧迫し、住民にとって不公平な事態を生じさせたりしていること。
以上
2025年2月6日
第20回全国地方議員交流研修会実行委員会