2024年11月一覧

年金で生きながらえるコメ作農業は限界

若者が農業を発展させる日本へ

農地を守る営農体に国費投入

宍粟市議会議員(兵庫県) 今井 和夫

 特に中山間地域における農地・農村の現状・原因と、当面なすべきことについて書かせてもらいます。

1 中山間地における農地担い手の変遷

 まず、中山間地における、戦後の農家の変遷を簡単にまとめてみます。(戦前までは、地主と小作人でした。そして、農地解放で自作農になりました) 続きを読む


米価から見える理不尽な社会構造

一部だけが潤う社会でいいのか

前JA福島中央会会長 菅野 孝志さん

40年ぶりの米価上昇

 僕のところも9月末から本格的に稲刈りをやっています。天気が続けばあと5、6日で終わるかな。稲刈りと総選挙の応援で大忙しの毎日です。
 最近の米をめぐる動きですが、福島のコシヒカリは去年は1俵(60㎏)1万2000円前後だったのに、9月初めには1万7800円に上がりました。10月に入ったらJAグループでも米が集まらないような懸念が出てきたんですね。民間業者が2万円とか2万1千円とかで買い集めているので、県下のJAも慌てて2万円で足並みをそろえたわけです。2万円なんて40年ぶりです(その後も低温多雨等による一過性で高い年はありましたが)。 続きを読む


[各地の活動] 広範な国民連合・福岡 第22回総会

「沖縄に学び・連帯」「日中不再戦」「広範な連携促進」を確認

 広範な国民連合・福岡は第22回総会を10月5日に福岡県教育会館で開催した。
 司会を共同代表の高久明雄氏が担当し、共同代表の中村元氣氏が開会あいさつ。来賓として、衆議院議員・堤かなめ氏(立憲民主党・福岡5区)、福岡県教職員組合連絡協議会議長・藤井隆晴氏があいさつされた。また在日本朝鮮人総聯合会福岡県本部の李周学氏、平和・人権・環境福岡県フォーラム事務局長・松尾純一氏、出席された自治体議員が紹介された。また野田国義参議院議員、広範な国民連合山本正治事務局長などからメッセージが寄せられた。 続きを読む


[日本被団協 ―ノーベル平和賞、受賞] “全ての被爆者に敬意”

“全ての被爆者”とは?

広範な国民連合・長崎代表 中村 住代(元日赤長崎原爆病院職員)

 「日本被団協」にノーベル平和賞授与を聞いた時「快挙」と思わず口にしていました。そして、仕事や平和活動などで出会った多くの被爆者の皆さんのことが思い出されました。つらい体験を、声を振り絞りながら時には涙を流しながら語ってくださった方々。
 授賞理由に「ノーベル賞委員会は今年の平和賞を日本被団協に授与することで、肉体的苦しみやつらい記憶を、平和への希望や取り組みを育むことに生かす選択をした全ての被爆者に敬意を表したい」と述べたくだりがあります。今回の「日本被団協」の受賞は、核廃絶と戦争反対を訴え続けてきた名もなき多くの被爆者の方々を代表しての受賞であることがわかります。
 そしてその上で、「全ての被爆者とは?」と考えました。
 被爆地ナガサキで私が出会った被爆者の中には、朝鮮半島から強制連行されて海底炭鉱「端島」(通称軍艦島)で強制労働させられ、後に三菱造船所で被爆した韓国人被爆者がいました。彼は、語り部として核廃絶を訴え続けました。
 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)にも国交がないために被爆者援護から完全に見捨てられている被爆者がいます。
 中国から炭鉱に強制連行され、食べるものも十分支給されず非人間的な強制労働を強いられたあげく、あらぬ嫌疑をかけられ刑務所(現在の平和公園の場所)に捕らえられ原爆死した32人の犠牲者のことも知っています。ご遺族はいま日中友好の懸け橋となっています。
 捕虜収容所で被爆死したオランダ人のことも知っています。
 また、アメリカやフランスが、南太平洋諸島で繰り返した原爆・水爆実験により心身に被害を受け、満足な補償もない現地住民は「全ての被爆者」に入るのか?
 「全ての被爆者」というのであれば、これらの人びとが当然入っていなければなりません。被爆したのは決して日本人だけではなかったことを記憶にとどめるべきです。そして、何故、こうした被爆者が生じたのか、日本の朝鮮や中国侵略の歴史、強制連行のことについて考えなくてはいけないと考えます。

日本政府、米国政府に強く求める

 また、今回の授賞を契機に日本政府に求めなくてはいけないと思います。一つは、日本が唯一の戦争被爆国というのであれば、この機会に「核兵器禁止条約」の批准に一歩踏み出すべきです。
 そして、もう一つ、「被爆者」であるのに「被爆者」として認められない「被爆体験者」の救済は待ったなしです。解決の方法は政治決着しかないと思います。
 また、アメリカのオバマ氏とバイデン大統領が祝意を表したと報道がなされています。2016年当時大統領だったオバマ氏がヒロシマを訪問。平和公園で演説しましたが、原爆を投下した当事国でありながら、謝罪の言葉はなく、原爆投下の責任を認めない。まるで核兵器廃絶を訴える平和主義者のような振る舞いでした。今回も、祝意の前に、謝罪や反省があってしかるべきと思いますがありません。
 祝意とは裏腹に、ヒロシマ・ナガサキに原爆投下後も、度重なる核実験を繰り返し、世界のいたるところで核の脅しをしている最大の核超大国アメリカ。そして現在に至るまで、被爆者から何も学んでいないことを世界にさらし続けています。絶対に許せません!

 

 


[日本被団協 ―ノーベル平和賞、受賞] 被爆者として戦争を憎み

核兵器が最後の一個まで廃棄されるまで叫び続ける

歓喜の先に ノーベル平和賞授賞の報に

長崎被爆者 本村 チヨ子

 過日10月13日夕刻6時過ぎ、それまで漫然とテレビをつけていた時ニュース速報が流れた。ノーベル平和賞「日本被団協」受賞と。一瞬目を疑ったが間を置かず固定電話・携帯電話が鳴った。友人や知人からのオメデトー・コールであった。
 思えば長い道程であった。2008年から09年にかけ被爆者としてピースボートの「被爆者百人乗船」のプロジェクトに参加し地球一周をして始まった。それから今日まで原爆の実相を知る者として、いろいろと国内外で「平和・核兵器廃絶」を訴え原爆放射能が人体に及ぼす影響など繰り返し繰り返して訴えてきた。17年にNGOのICANに同じく平和賞が贈られた時、世界に向け喜びのメッセージを発信したカナダ在住のサーロー節子さんも、一被爆者として参加しており、訪れた国々で平和の目的を訴えてきた同期であった。 続きを読む


[お詫びとお知らせ]

『日本の進路』誌24年12月号は25年1月号と合併で「新春特別号」として、12月27日ころ発行予定です。
11月号誌面にてお知らせすべきところ、手違いで掲載できませんでした。お詫びしお知らせいたします。
これからも『日本の進路』誌ご愛読いただきますようお願い申し上げます。


[中国・深圳市、男子児童殺害事件]深圳の悲劇を中国敵視の道具にするな

友好こそが、被害者への追悼になる

ピース・フィロソフィー・センター代表 乗松 聡子

火がついた嫌中

 中国・深圳市で9月18日、日本人学校の男子児童が殺害された事件について、日本のメディアは連日大きく取り扱い、日中間の外交問題として政治化した。
 この日が1931年、関東軍が南満州鉄道を爆破した「柳条湖事件」の日で、その後15年間にわたる満州植民地支配と中国全土に対する侵略戦争を記憶する「9・18」の日であった。そのことから日本では、中国の「反日教育」が招いた結果であると語られ、中国に対する嫌悪が主要メディアでもネットでもエスカレートした。この3カ月前の6月24日、蘇州の日本人学校のスクールバスが刃物を持った男に襲撃され、親子が怪我をした事件もあった。 続きを読む


[中国・深圳市、男子児童殺害事件]中国に「反日教育」はない

「私たちは中国を憎みませんし、同様に日本を憎みません」

王 景賢

 深圳で10歳の小山航平君が凶悪な犯罪者に刺され命を失いました。この悲しすぎる出来事に、まず心より遺憾の意を表しご冥福をお祈り申し上げます。日本人の父と中国人の母の間に生まれた子供がこんな無残な目に遭ったことに対して、日本だけでなく、中国社会においても深い悲しみと強い怒りに包まれ、ネット上では犯人への批判が止まりません。一日も早く真相を徹底的に究明し、厳罰を下してほしい。 続きを読む


「わかやま女性議員の会」で取り組む

白浜町、海南市、橋本市の3市町議会 全会一致で

白浜町議会議員 水上 久美子

 「わかやま女性議員の会」では8月、これまでの米兵による性的暴行事件に対して、事案の説明、共有がありました。その後、議員各自が調査し9月議会定例会に臨みました。その結果、白浜町議会、海南市議会、橋本市議会で意見書を提出し、いずれも全会一致で採択されました。 続きを読む


[⽶兵性暴⾏に厳重抗議意見書]長崎県議会 全会一致で採択

⾃⺠党会派でも「佐世保に基地があるから当然」との声が

⻑崎県議会議員 ⽩川 鮎美

 ⻑崎県議会は9⽉定例議会において、沖縄の「⽶兵の性的暴⾏に厳重抗議し、⽇⽶政府に対策を強く求める意⾒書」を政府国会に対して提出しました。
 昨年12⽉、沖縄県嘉⼿納基地所属の⽶空軍兵が、16歳未満の少⼥を⾞で誘拐し、性的暴⾏を加えたとして、那覇地検がわいせつ⽬的および不同意性交等犯罪で3⽉に起訴していたことが、6⽉25⽇の報道で明らかになりました。
 また、5⽉にも不同意性交致傷の疑いで⽶兵が県警に逮捕され、その後起訴されていたことが6⽉28⽇、捜査関係者への取材で判明しています。さらに今年1⽉から5⽉にも3件の⽶兵による不同意性交容疑での逮捕があったことも判明しました。 続きを読む


[米兵犯罪から女性を守る]二度と事件を起こさせない

全県一丸となった県民大会を!

沖縄県女性団体連絡協議会会長 伊良波純子さん に聞く

問題は女性の人権が侵害されたこと

 沖縄では米兵による性的暴行事件が相次いで発覚しています。私たち女団協は商工会や労働組合など21の女性団体で構成されていますが、何かを決めるときには全会一致です。昨年末の米兵による少女に対する誘拐・性的暴行事件に抗議して再発防止などを求める県民一丸となった大会開催を要請することも、全会一致で決まりました。7月26日には記者会見を開き、県民に広く呼びかけたところ、賛同団体が40以上に広がっています。 続きを読む


中国・グローバルサウスとの平和協力関係へ

日中共同声明は、今も生かすべき日本外交の原点

『日本の進路』編集長 山本 正治

 石破茂新首相は衆議院を解散してその足で10月10日未明、ラオスに向かった。ASEAN首脳会議に参加し、李強中国首相と首脳会談を行った。日中関係打開に向けて、「台湾問題において『日中共同声明』を堅持するという日本の立場に変更はない」と明言した。これは当然のこととはいえ、最近の政府首脳からは聞かれぬ立場であり、英断と言える。
 命脈尽き内部対立も激化する自民党中心の連立政権であり、しかも政治状況は総選挙結果でどうなるか分からない。 続きを読む


中国側の評価と期待は高い

石破政権の誕生 その対中外交政策はいかに?

福井県立大学名誉教授 凌 星光

 中国のネット世論では、石破茂氏は平和憲法改正論者のタカ派国防族、中国にとっての「敵対的存在」と見られている。ところが、10月10日、ラオスでの石破・李強会談で、李総理は「私たちが大きな関心を持っている所信表明演説の中で、中国との戦略的互恵関係を引き続き推進し、と述べたことを、中国は高く評価している」と語った。これは一般の予想を上回る評価と期待を表している。 続きを読む


「運をつかんだ」 石破新総理に期待する

最大の課題は「台湾有事は日本有事」にさせないこと

元自民党副総裁・山崎 拓 氏 語る

 自民党総裁選挙は紆余曲折がありましたが石破茂さんが逆転勝利しました。小泉純一郎元総理が「息子は出さない」と言ったのは、3月7日と5月14日でした。もしそうであれば、石破さんの勝利はかなり堅いというふうに判断した時期もありました。しかし実際には小泉進次郎さんが出馬したために、大混戦になったという経過なんですね。 続きを読む