石垣島自衛隊ミサイル基地開設
軍拡の最前線の島から平和をめざす報告
石垣市議会議員 花谷 史郎
3月5日、石垣島の陸上自衛隊駐屯地に軍用車両が搬入される予定と聞き、私は市内にある港近くで早朝から待機していました。
この港の敷地内には数日前から貨物船で運ばれてきたと思われる大量の車両が止められており、それを目隠しするため周囲に高さ3メートルほどの囲いが設けられており、出入り口の前には警備員が立ち、中の様子を窺うことはできません。
朝5時ごろになると、自衛隊配備に反対する市民の方々がだんだんと集まり始め、しばらくすると車両を運転するための自衛隊と思われる集団が囲いの中に入っていくのが見えました。
明るくなる頃には100人前後の市民が出入り口に集結しており、警備員とにらみ合うような形になっています。この日は市民団体が呼びかけた全国集会の当日でもあり、島外からいらした方も参加されていました。
そこに機動隊と思われる警察官が数十人来たかと思うと、バリケードのようなものを設置し、市民を取り囲むような形になりました。ハンディーカメラで反対運動に参加する市民を撮影している警官もいます。
そのうち出入り口の幕のようなものが開き、車両が出てくるような動きを見せました。車両の行く先をふさぐ市民と警備員、警察官と自衛官にメディア関係者も入り交じり怒号のような声が飛び交う中、膠着状態が続きます。
市民に車両の前からどくように促していた警官がハンドスピーカーで「最後通告」をし、バリケードでつくられた簡易な囲いの中に市民を入れ始めました。辺野古ゲート前のように、警官複数人に手足を抱えられ移動させられている人もいます。
ほとんどの人が囲いに入れられてからは、大型トラック、装甲車、ミサイル発射用車両などが次々に現れ、午前中だけで約150台の車両が港から駐屯地へと搬入されたようです。
石垣が軍事施設のある島になった実感が
このような非日常的な場面を目の当たりにし、石垣島は軍事施設のある島になったんだな、と実感せざるを得ませんでした。
午後には集会とデモ行進が行われ、全国の方々と意志を共有するとともに、発信できたことはせめてもの救いでした。
本稿を書いている前日の3月16日に石垣島の陸上自衛隊駐屯地が開設されました。翌日の18日にはミサイルなど弾薬類が搬入される予定です。
22日には市民説明会の開催、4月2日に開設式典と、石垣島に自衛隊が入ってきたことを住民に知らしめるかのように関連したイベントが続きます。
住民は複雑な想いを抱えたまま、駐屯地の開設を迎えています。
自衛隊配備に賛成・反対という構図から、「自衛隊は歓迎するが、米軍は困る」と言う人や、「軍拡には反対だが、島の住民となる隊員たちと揉めるつもりはない」という複雑な意見を耳にします。
これから先、軍拡の最前線の島から平和のためにできることを模索していきたいと思います。全国の皆さまには、引き続き私たちの現状を注視していただくとともに、連帯の輪を広げてもらうことをお願いいたします。