「日本の食と農の未来を考える」つどい その後
5月8日の「日本農業新聞」は、「通常国会終盤の攻防・食料安保が焦点」という記事を掲載した。しかし読んでみると、そうであってほしいという農業新聞(つまり農家)の願いではないかと、私には感じられた。野党の皆さんには、食料自給率37%という現実を踏まえて、腰を据えて頑張っていただきたいと思うのだが、同じ紙面に「維新、企業の農地取得に執着」という記事が。何をか言わんやである。大阪あたりのビルの中で考えていると、こういう発想になるのだろうと、一人毒づいているところだ。
さて私たちはこうした状況に抗して、先日「日本の食と農の未来を考える」つどいを福岡市で開催した。このことに関しては本誌の先月号で報告させていただいたが、集会アピールに「本日の『つどい』が、その為の小さいけれども確かな第一歩になることを私たちは希望し、かつ確信しています」と記したことに関わって、その後の一月余りの間の動きを箇条書き的に報告させていただく。
一.まずは記録集を発行したこと。鈴木宣弘氏の基調講演、各界からの5名の報告、開・閉会あいさつをほぼそのまま文章化した。この国の食と農を守るために、どのような人たちと連携すべきなのかをこの記録集は提起できたと自負している。鈴木氏から「多分野が渾身の連携で結集した見事な会」との評価をいただいており、学習会等の資料として活用していただければ幸いである。
二.「つどい」には14名の地方議員が参加されたが、そのうちのお一人は、所属する自治体の6月議会の一般質問で、食と農の問題を主題にすべく準備している。農業振興、まちづくりと有機給食、前提となる有機農業の育成等に関して行政としてどう取り組むのか。問題提起をすると現在調査活動中である。
三.「つどい」では隣県大分からの報告もあったが、この「つどい」を機に両県で共同した取り組みはできないかとの提起があった。例えば県境をはさむ二つの地域で、連続した学習会を共同で開催するなどの案が検討されている。
四.4月9日の「つどい」の後も、記録映画「タネは誰のもの」の自主上映会は続いている。4月17日には筑豊地区で、5月13日には熊本県長洲町で実施された。
五.多少私事に関わるが、私も参加している「いちのたんぼの会」は2003年から、友人の農家の農作業を手伝いながら、無農薬・無化学肥料での栽培を続けてきた。無農薬の稲作は雑草との格闘で、当初の10年ほどは真夏に田んぼに入っての除草作業だったが、その後偶然田んぼに発生したジャンボタニシを除草に活用するノウハウを獲得して今日に至っている。今回の一連の取り組みの中で、民間稲作研究所の「3回代かき、深水栽培」による抑草法を知ることになり、今年小さな一枚の水田で実験的に取り組むことになった。
どれもまだ動き始めたばかりだが、「つどい」の成果を踏まえ、一歩でも前に進むことを目指している。
(福岡 事務局 樋口茂敏)
記録集 講演と交流の集い ・日本の食と農の未来を考える
A4判 28ページ マット紙色刷り
頒価200円
ただし県外からの注文は10部単位でお願いします。
(2,000円送料込み)
連絡先 広範な国民連合・福岡
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