米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-6

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

自治体の立場で何ができるか考える

柳澤 協二

 はい。とりあえず2点だけ申し上げますと、まずは私も台湾問題にどういう答えを出すべきなのかといろいろ悩んでいるんですね。
 とりあえずは、「『一つの中国』の合意に戻れ」と政府レベルでアメリカに対しても言うこと、それはあり得るとは思うんだけど、緊急避難的にね。しかし、「一つの中国」ということを台湾の人たちが望んでいるのかという、もっと本質的な問題もあるわけです。
 とにかく早急に事を荒立てないために、とりあえず「一つの中国」の合意を大幅に動かすような余計なことをやってはいけないというのは一つのあり方なんだろうと思います。しかし、本当に台湾の人たちが何を望んでいるのか、そして、当然戦争なんか望んでいないわけだしね。そういうものをしっかり考えながら、少なくともわれわれが余計なことをしてはいけないんだろうということでしょうか。
 もう一つ、皆さん自治体議員の方に申し上げたいのは、馬毛島にしても、宮古の問題にしても、先ほど伊波さんが指摘したように米軍の訓練のあり方がどんどん変わってきている問題です。この間も宮崎県串間市で米軍普天間基地のヘリコプターが不時着しました。あんな航続距離の短いヘリがなぜあの場所を飛んでいたのか。やはり、それは米軍の訓練のあり方が変わり、全国の自衛隊の演習場、航空基地がどんどん共同使用をされているということを示しています。基地がある地元への影響がこれから出てくると思っています。
 沖縄県のホームページにありますが、私が委員長を務めた「万国津梁会議」が3月に提言を出しました。とくに日米地位協定の問題として、自治体として住民を守る立場から、地方防衛局との間で、しっかりとした協定書をつくれという提言をしています。当然、米軍そのものを縛るわけにはいかないけど、自治体の立場で何を約束させられるかということを議論していくことがすごく大事であり、その必要性を住民にも訴えていく。そういう取り組みが大事だと思います。