沖縄社会大衆党委員長、参議院議員 高良 鉄美
明けましておめでとうございます。昨年はコロナで始まり、コロナで終わった感があります。個人的には「辛」型コロナの一年でした。
沖縄では、6月の県議選がこれまでと違った選挙運動となり、沖縄社会大衆党(社大党)の大城委員長が惜敗する事態となりました。社大党の委員長後任選出問題が持ち上がり、2カ月近くも民主的議論を重ねた結果、私が9月末に新委員長に選出されました。しかし、入党1年ほどで政治家としてのキャリアも短い者に、節目の新委員長の大役を託すという社大党の決断は党史上初のことで、大変重く受け止めています。沖縄社会大衆党の名と歴史に恥じないよう、党はもちろんのこと、多くの県民の思いをも取り込んでいくことに尽力したいと思います。
沖縄では、人口10万人当たりのコロナ感染者数が長期間全国1位を記録し、現在もたくさんの感染者が出ています。島嶼県沖縄の基幹産業である観光業への打撃がとくに大きく、経済、医療、教育、労働等、多方面に影響が及んでいます。
これまでも多くの課題となってきた米軍基地問題に新たにコロナ問題が加わり、米軍基地内感染とその感染拡大だけでなく、基地従業員の生活、子どもたちへの差別などにまで広がっています。
社会の変化とともに政治も変革が求められています。社大党も土着政党として、ポスト・コロナの沖縄社会を見据えた政策の提言と実現に向けて東奔西走する覚悟でおります。
沖縄の民意を蔑ろにする辺野古新基地建設強行、普天間飛行場の危険性放置をはじめ、環境汚染、墜落、犯罪など米軍基地に派生する事件・事故、さらには自衛隊配備問題等、基地関連の課題は山積したままです。今年も「建白書」の実現を掲げる玉城デニー県政をしっかりと支えてまいります。
結党から70年、社大党の理念をあらためて沖縄の現状に照らしてみると、今もその重要性と必要性、存在意義はいささかも失われてはいません。特に今年は、来年5月に復帰50年を迎える準備の年となります。社大党は土着政党として、県民の声を拾い、沖縄の問題を全国の問題として広く発信し、解決に取り組んでまいります。
全国各地の土着政党が真の地方自治を追求し、国政にまで各地の課題を持ち上げていく、それこそが、「地方の時代」と「全国民の代表」との融合であり、国政の活発化にも資すると思われます。国のコロナ対策のドタバタを見ていると、地方の力の重要性をあらためて感じた昨年でもありました。
新しい年の目標は、牛歩でもよい、じっくりと全国各地方の歴史と現況を見極めながら、政治に関心を寄せる人材発掘に努め、ともに日本の、そしてアジア、世界の未来に向けて路を創ってまいりましょう。