墜落機オスプレイの強引な飛行再開と沖縄県の地方自治を認めぬ最高裁判決に抗議して、「広範な国民連合」の首都圏地域の地方議員有志が、12月27日、内閣総理大臣や防衛大臣への抗議、申し入れを行った。佐藤栄佐久(元福島県知事)や上田文雄(前札幌市長)など16氏が呼びかけた「地方自治体とりわけ沖縄の地方自治と民主主義実現を求める全国地方議員共同アピール」に賛同していた広範な国民連合全国世話人の地方議員が呼びかけたもの。沖縄県選出の参議院議員伊波洋一氏が、防衛省交渉を設定するなど、地元活動が忙しい中で尽力してくれた。
参加地方議員は参議院議員会館会議室で、事前会合を持ち、斉藤ゆうこ荒川区議会議員が司会し、「全国地方議員共同アピール」の発起人でもある中村進一・三重県議会議員が代表して開会あいさつ、伊波洋一参議院議員が情勢報告した。 参加者を代表して、厚木基地をかかえる神奈川県綾瀬市議会の越川好昭議員(全国世話人)が申し入れ書を読み上げ、防衛省代表に手渡した(上写真)。
それに先立って広範な国民連合・神奈川は、くさか景子県議(県世話人)を先頭に、12月19日、「オスプレイの墜落抗議・日米地位協定の抜本改定を求める」知事要請行動を行った。
また、広範な国民連合・長崎も27日、「オスプレイの長崎県内での展開中止と日米地位協定の抜本的改定を求める要請」を中村法道県知事に行った。
以下、緊急要請書。
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
外務大臣 岸田文雄 殿
防衛大臣 稲田朋美 殿
オスプレイ事故・飛行再開 と 最高裁判決に抗議し、地方 とりわけ沖縄の民意尊重を求める 緊急要請書
12月13日未明、MV22オスプレイが市街地から800mの名護市安部海岸に墜落する重大事故が発生しました。
しかし、事故の究明には「日米地位協定」が立ちはだかり、名護市の事故現場には当該自治体の長である名護市長も、沖縄県知事も立ち入ることが出来ませんでした。原因究明が行われぬまま、事故発生から6日後にオスプレイは全面的に飛行を再開しました。
さらに、東村高江では、今回の事故を目の当たりにした住民の不安や抗議を一顧だにせず、いまも夜間を含む不法なオスプレイ・へリパッド工事が強行されています。
また、12月20日、最高裁は辺野古新基地建設をめぐって国が沖縄県を訴えた訴訟で、国の主張を一方的に認め、沖縄県知事による『埋め立て承認取り消し』を無効とする判決を下しました。
辺野古新基地建設については、沖縄県と県議会各会派、県民の大多数が反対の意思を表明しており、翁長雄志知事は「最高裁の判決は出たが、新辺野古基地は造らせない。オスプレイの配備撤回は今まさに新しいスタートに立った」と表明し、22日の「北部訓練場返還式典」を欠席し、夜の県民緊急抗議大会に出席しました。これは、地方自治体の長としての重い決意を示す行動にほかなりません。
地方自治を侵害するこの重大な事態に対し、沖縄県民のみならず、全国の関係自治体や住民にも急速に危機感が広がっています。私たちは地方自治の現場に携わる者として、地方主権の根幹を揺るがす政府の対応を看過することはできません。
そこで、別紙アピールの発起人・賛同議員有志として、緊急に「地方自治体とりわけ沖縄の民意の尊重」を強く申し入れ、以下を要請し、回答を求めます。
《 要 請 事 項 》
- オスプレイの飛行再開を直ちに中止すること
- 県との合意が形成されない限り、辺野古新基地建設は工事着工を行わないこと
- 住民の意思を尊重せず、危険を顧みない高江のヘリパッド建設強行を止めること
- 我が国の主権を侵害する米軍の治外法権、「日米地位協定」を抜本的に改定すること
2016年12月27日 「地方議員アピール」署名議員 有志代表
三重県議会/ 中村進一
北海道議会/ 北口雄幸
山形市議会/ 石沢秀夫
志賀町議会/ 堂下健一
荒川区議会/ 斉藤ゆうこ
綾瀬市議会/ 越川好昭
筑紫野市議会/ 上村和男