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[声明]ロシアはウクライナから即時撤兵せよ

広範な国民連合は、進行中のロシア軍のウクライナ侵略に対して、強く抗議する以下の声明を出しました。

ロシアはウクライナから即時撤兵せよ

 自主・平和・民主のための広範な国民連合

ロシアが2月24日、ウクライナへの軍事侵略に乗り出した。罪のないたくさんのウクライナの人びとが殺され財産を損なわれ軍事施設や都市が破壊されている。ロシア軍が核攻撃の準備に入ったとすら伝えられる。

このような暴挙は、21世紀の世界で断じて許されることではない。

全世界で、ロシアで、抗議のデモンストレーションが巻き起こっている。当然である。

私たちは、ロシアが即刻軍事行動を中止し、ウクライナから軍隊を撤退させるよう強く求める。

ウクライナをめぐる歴史的な、また、冷戦崩壊以後の米欧諸国とロシアとのNATO東方拡大をめぐる一連の複雑な経緯を理解しないわけではない。

とくに最近も米国バイデン政権は、ウクライナに軍事援助を進めNATO拡大実現を画策し、独仏など欧州をロシアと対立させる方向を打ち出してきた。こうした事態にロシアが、安全保障上の脅威を深刻に受け止めていたことも理解できる。また2015年、当時のドイツ・メルケル首相などの努力で実現した平和と安定のためのミンスク合意が、ウクライナ政権と親ロシア派の武装対立の継続によって実現されず、内戦が続いていることも重大な問題である。

しかし、いかなる理由があるにしろ、およそ独立国に一方的全面的に軍事侵攻し、領土と国家主権を蹂躙し、その国民の生命を奪う行為は断じて許されない。

重ねてロシア軍の撤退を求める。すべての国の主権尊重と領土保全、内政不干渉は、複雑化している今日の国際社会を安定させる最も重要な原則である。

同時に、どの国の安全保障も、他の国を一方的に犠牲にしては成り立たない。ウクライナ問題の安定は、ミンスク合意に立ち戻り、平和的に外交的に解決する以外にない。国連はそうした役割こそ果たすべきである。

ところが米欧諸国は軍事的圧力を強めてロシアを屈服させようとしている。これはむしろ事態を悪化させるだけである。そもそも乱暴にイラクに攻め入ってフセイン政権を倒したイラク、同様のアフガニスタンなど、他国への侵略と政権転覆を繰り返してきた米国にロシアを非難する権利はあるのか。

驚くべき事に自民党の一部勢力、例えば安倍晋三元首相は(25日)、「台湾に対して中国がどのような対応をとるか。たいへん日本にとって深刻な出来事だ」などと述べ、佐藤正久自民党外交部会長は、「今日のウクライナを明日の台湾にしては絶対にいけない」などと危機を扇動している。ウクライナ問題を理由に根拠もなく、中国の不可分の一部である台湾の「有事」をあおり立てるべきではない。ロシアと独仏との対立をあおった米国の手先かのように日中対立をあおるのは国を誤るものである。

わが国は、米中両国の対立緩和に動きこそすれ、戦争を引き寄せる側に立ってはならない。台湾有事を日本有事とさせてはならない。今年は、日中国交正常化50周年である。両国の平和的な繁栄をさらに前進させる事こそ真の国益である。

わが国は中国や韓国など近隣諸国と共に平和な世界のために積極的に努力すべきである。