米中激突の東アジア、問われる日本の進路 2-9

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第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

日中共同声明と平和友好条約は基礎

伊波 洋一

 台湾有事での戦争というのは日本が関与しなければ、アメリカはできないということができると思います。だから、集団的自衛権として日本が台湾有事に関与しないことを、大事にしないといけないと思います。
 先ほどの沖縄の島々からのロケット砲の発射や、中距離ミサイルを日本に展開させ、そこから発射することは、日米安保条約の事前協議の対象なので、日本が了解したことになり、その時点で中国と敵対することになります。
 だから、私は、日本政府と日本国民は日中共同声明と日中平和友好条約の価値を今一度確認しないといけないと思います。日米安保と日中平和友好条約を天秤にかけてみたら、どうなるのでしょうか。つまり、日中平和友好条約の方が日本を中国から守っているのではないでしょうか。もはやアメリカは中国領土を攻撃しません。米中全面戦争になって、米本土が核攻撃される恐れがあるからです。米軍は、日本の防衛で日本国内や東シナ海で中国艦船を攻撃することはしても、中国本土への縦深攻撃はしないのです。
 その結果、自衛隊がやられっぱなしになるので、自ら中国のミサイル発射地を攻撃する「敵基地攻撃論」が自衛隊や自民党の中で提起されているのです。米軍は通常ミサイルでも中国領土を攻撃しないのですから、日本のために核兵器で報復することなどあり得ないと言ってよい。沖縄などでは、米軍は地域の住民生活を破壊するような訓練を日常的にしています。政府は、米軍は日本を守るための抑止力維持のために訓練をしていると容認しますが、本当にそうでしょうか。日本国内で戦争する訓練ではないでしょうか。このような日米安保は日本を守っていると言えるのでしょうか。今一度確認する必要があると思います。
 第二次世界大戦後のアメリカは日本に基地を置いて、朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争など、世界中で戦争をしてきたのです。当時の戦争の相手は共産主義の国々や地域の国家でしたけど、今の時代は変わっています。
 私たちは、日米安保条約のありよう自体も問わないといけないと思います。政府が米軍訓練を一つも規制できない沖縄のような状況をこれ以上放置してはならないと思うのです。先ほど現地から報告があった馬毛島のように、誰がいったい、何をつくろうとしているのか分からないまま、米軍のために何でもできるようになっている。米軍最優先が当たり前のように行われている。日本の政治家や政府は国民に説明できないまま、米軍のために、いろんなことを強行しているのです。辺野古新基地建設でもそうです。
 それから、今年の4月28日に東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定が国会で批准・承認され、韓国や中国も含む初めての自由貿易協定ができたわけです。日本の貿易総量のうち中国は24%を占めています。アメリカは14%しかありません。ASEAN諸国などの東南アジア、香港、台湾、韓国、中国を含めると日本の貿易総量の52%です。私たちの国が大事にすべきはアジアであるということを確認しないといけない。アメリカではないのです。ですから東南アジアは、日本がアメリカに協力して中国と戦争することを大変懸念しているわけです。かつて東南アジアはアメリカが戦争する場所でした。今は日本をアメリカが戦争する場所にしようとしているのです。戦争は地域に悪影響を与えますから、ASEAN諸国もアメリカの主導する中国包囲網にノーと言っているのです。だから、私たちの国がノーと言う勇気を持つこと、あるいはノーと言う勇気を国民と共につくり上げることが大事だろうと思います。
国益を守る議論が必要
 私は、この5年間の外交防衛委員会のなかで、今日お話ししたようなことを委員会でやってきました。日本の領土からアメリカが中国艦船にミサイルを撃ってしまえば、中国との関係は破綻します。今までの中国との友好関係や経済関係が全部なくなってしまうのです。そういう国益をめぐる議論にどうしてならないのでしょうか。
 焦点になっている尖閣諸島の問題は、日中がもっと知恵を出して外交で解決すべきだと思います。あえて戦争する必要など全くない。奄美大島とか九州まで基地をつくって、尖閣に対処する必要は全くないのです。それをしているのは、日本国土を戦場にしてでも台湾防衛につなげ、アメリカの覇権を守るためだと思います。では、私たち国民の利益をどのように守っていくのか。沖縄の政治家として、沖縄を再び戦場にさせないことを一番に求めていきます。他にも沖縄の抱える課題は、いっぱいありますが、二度と戦場にさせないで解決していきたいと思います。日米安保がもはや日本を守っていないことは確かじゃないでしょうか。中国を攻撃しない代わりに、日本を戦場にしていく仕組みになっているのです。
 ですから、日本政府は、なぜ日米安保をそんなにありがたがるのか。そこが問われるべきだと思いますし、野党もそのことを真剣に考える必要があると思います。立憲民主党も、国民民主党もそこはまだ克服していないと思うのです。日米安保を日本の安全保障政策の一番中心に置いているわけです。果たしてそれでいいのか。私たち沖縄から見ると、日米安保はそんなもんじゃないと思います。
 第二次大戦後のアメリカは、一番多く戦争をする国だったのです。アメリカは、独裁国家を支援する国でした。ついこの間までそうだったのです。韓国でも、フィリピンでも、中東でも、中南米でも、民主化を求める国民を弾圧していた軍事国家や強権的体制を支援し続けてきたのが、アメリカです。沖縄での米軍の姿勢や住民の迷惑を顧みない訓練などもそうです。きっとアメリカは、かつての独裁国家が米軍に文句を言わなかったように、今の日本政府は米軍の行動を認めているじゃないかと言うでしょう。日本を戦場にするかどうかは、アメリカの問題というより、まさに日本の問題・日本国民の問題なのです。日本国土を戦場にするかどうかは、どうしようもない問題ではなく、私たちが選択できる問題なのだということを確認しましょう。国民主権とはそういうものです。
 そのことをしっかりと見極めて、戦争ではなく、軍事力ではなく、平和な外交で日本がアジアの中で次の時代を生きていく、そういう時代にしていかなくてはいけないと思います。皆さん、頑張ってまいりましょう。

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