物価値上げラッシュ国民を痛撃、アベノミクスのツケは貧困層に

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安倍政権打倒で国民生活の危機打開、自治体にも大きな課題が

「日本の進路」編集部

 納豆など身近な食品の値上げが相次ぎ、街の牛丼も値上げされた。円安による輸入物価上昇による原材料価格値上がりが理由だ。4月からは医療や介護の保険料や窓口負担が増える。75歳以上の一部の人の保険料が上がり、入院時の食事代自己負担額が1食100円上がって460円になる。介護保険料も3年ぶりに見直され、65歳以上の保険料は平均で月数百円上がる見通しだ。
 これが安倍首相の「デフレ脱却」をめざすアベノミクスが庶民にもたらした「成果」だ。
 「デフレ脱却」とは言うが、消費者物価水準は全体としてあまり上がっていない。労働者の賃金が上がらず国民は貧困化、欲しいモノやサービスも金がないから手に入れられない。需要は減る一方で価格が上げられるはずがないのである。
 だが、生きていく上で必要不可欠な食料品の購入をこれ以上減らせない。貧乏人も食料品は多少高くなっても買わざるを得ない。医療や介護なども同様だ。
 アベノミクスのツケは、貧困化が著しい国民大多数に回されている。アベノミクスに反対し安倍政権を打倒して、国民生活を守るための闘いを全国で発展させなくてはならない。

株価は倍、地価も上昇、企業利益増で配当8%増

 アベノミクスの5年間で大企業や資産家は笑いが止まらない。黒田総裁の日銀による「異次元緩和」によって市中に資金が莫大に過剰供給され、バブル景気があおられているからにほかならない。それに労働者を不要にする技術革新を巡る企業間、各国間の国際競争が激化し、内外で省力化投資がブームとなっているからである。
 株価(日経平均株価)は、12年末1万395円だったが17年末には2万2764円となり、5年間で倍ちょっとに上昇した。政府が、日銀や年金などの資金をつぎ込んで株価をつり上げた結果でもある。日銀は、毎年6兆円の株式を購入し、5年で12倍化の24兆円を保有、日本株全体の4%弱を持つ巨大株主になった。欧米にも例がない「禁じ手」で、異常な資本主義の姿である。
 国土交通省の18年公示地価は、東京、大阪、名古屋の三大都市圏を除く地方圏で、商業地の平均が前年から0・5%伸び、26年ぶりに上昇に転じた。中でも、地方中核都市である札幌、仙台、広島、福岡の4市が住宅地3・3%、商業地7・9%の高い伸びを示した。
 アベノミクスの円安は輸入物価を上昇させ食品価格などで国民に転嫁された。だが、円安は大企業に輸出利益増と海外からの投資利益の円換算を膨らませ大もうけである。17年度の東証一部上場企業の配当総額は前年度比8・3%増の12兆1700億円と過去最高を更新する見通しである。この莫大な利益は銀行や資産家、金持ちに分配される。
 ところがこの春闘で労働者の賃金は一体いくら上がったのか。8・3%アップの労働者はどこにもいない!
 こうして貧富の差、大企業・一部富裕層と国民大多数の矛盾は深まるばかりである。怒りの爆発は必定だ。

国民の消費生活水準は急激に悪化

 国民の生活水準、消費は、安倍政権、アベノミクスの下で急激に悪化した。
 総務省統計局は、消費水準指数(15年=100)を発表している(グラフ1)。

グラフ1 消費水準指数
(世帯人員及び世帯主の年齢分布調整済)

統計局は、「(この指数は)消費支出から世帯人員(二人以上の世帯)及び世帯主の年齢、1か月の日数及び物価水準の変動の影響を取り除いて計算した。家計消費の面から世帯の生活水準をより的確に把握することができる」と説明している。それによると17年は98・5にとどまる。2年前よりも平均して1・5ポイント悪化である。安倍政権の始まった13年は104・8であるから、平均した消費生活水準はわずか4年間で約6・3ポイントも悪化しているのである。
 ちなみにこの指標によると、最高値は1992年の112・4であり、ここから見ると1割以上も悪化した。2017年の水準はデータの出ている最初の年1981年97・3とほぼ同じであり、国民生活水準は約40年前に舞い戻っていると言える。
 この数値は、「二人以上の世帯」データである。単身青年男女、あるいは単身高齢者の多くの生活の困難さは想像に余りある。

節約できぬ死活にかかわる食料や医療

 安倍政権のアベノミクスの下で、何故、かくも生活水準が悪化したのか。次のグラフ2は消費者物価統計のグラフである。はっきり読み取ることができることは、全体の物価(総合物価)上昇はわずかだが、2013年以後、食料物価が大きく跳ね上がっていることである。それに保険医療サービス(診療代が大半)も上昇している。

グラフ2 食料および医療保険サービス
物価の動向比較

 食料も医療も、これ以上節約が難しい、無理して節約すれば体を壊し、病気などになって手遅れとなる支出である。現実に、痛ましい事件・事故のニュースが後を絶たない。これがアベノミクスの5年間の実際である。
 安倍首相はまだ、「アベノミクスの成果を全国に届ける」などと言っているが、これ以上はたまらない、やめさせなくてはならない。

一律ではない負担、貧困層ほど大変

貧困層は収入があまり増えず
 さらに大きな問題は、貧困層ほど負担が大きいということである。
 総務省統計局は、家計調査結果(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)を家計年間収入に応じて5区分のデータを発表している。第1分位が下位20%の世帯(17年の平均年収は357万円)、第2分位、第3分位、第4分位があり、一番上の第5分位が上位20%の世帯(平均年収1212万円)となる5区分で世帯を区分している。
 安倍政権の5年間で全体の平均経常収入(月)は、12年平均と17年平均を単純に比較して1万5826円、3・1%増となっている。5分位で見ても、第1分位も額は4437円で平均の半分以下だが2・5%増えている。第5分位は3・6%、2万9982円もの増加である。
 しかし、世帯主の勤め先収入は全体で平均して1万4335円、約3%増だが、第1分位は1726円、0・6%減少、他方、第5分位は3万2851円、4・1%増である。第2、第3、第4の中間分位は触れないが傾向はわかるであろう。
 第1分位の収入減は高齢化での勤め人の減少によるものだろう。それは統計の中にある数値で、この第1分位だけが65歳以上の無職者人員が増加していることでもうかがえる。

消費支出は減少するも食費が激増
 経常収入は増えたが、消費支出は全体の平均でも5年間に817円、0・26%減っている。第4分位が若干増加しているが、ほぼどの分位の世帯も減少している。消費支出増には消費税増税分の3%も含まれているから、実質的な消費は相当に落ち込んだと見るべきだろう。
 消費全体は減少したにもかかわらず、食料費は大幅に増えている。すでにふれた食料品物価上昇の結果である。平均して7・3%、中でも第1分位は11・4%も増加している。第5分位も増加しているが、4・7%にすぎない。金額は、それぞれ6142円と4217円だが、負担感がまるで違う。
 だから、消費支出に占める飲食費の割合であるエンゲル係数が上がっているし、5分位で大きな違いが出る。平均して1・7ポイント上昇だったが、第1分位は2・7ポイント上昇で、第5分位は1・0ポイントの上昇にとどまる。
 アベノミクスの物価上昇政策の負担が誰にかかっているか、一目瞭然である。
 特に、育ち盛りの子供たち(その親)には耐え切れない負担である。実際に耐え切れない!
 全国で「子ども食堂」の取り組みが広がっているのもうなずける。こうした取り組みは非常に重要である。自治体での支援、自治体での取り組みが重要であると同時に、アベノミクス、安倍政権との闘いと結びつけないと際限ないことになる。

貧困層に重い税や社会保険料負担
自治体闘争の重要課題に
 経常収入は増えたが、消費支出が減少しているのはなぜか?
 非消費支出が平均して5904円、6・3%も増加したからである。5分位で見ると、第1分位が6・2%、第5分位は6・6%の増だからあまり違いはない。非消費支出、直接税や社会保険料などの増加、これが安倍政権の政策のもう一つの特徴であろう。
 直接税は、平均5・6%増だが、第1分位は8・9%増で、第5分位は6・3%にとどまる。直接税は、主に所得税と住民税である。だが勤め先収入などが減少する第1分位にとっては所得税額が増えるはずはない。
 増えているのは個人住民税で平均2・3%増だが、第1分位は3・4%増と高く、第5分位は1・3%にすぎない。
 社会保険料では、介護保険料の負担増である。この5年間に平均で579円、30%上がったが、第5分位は438円、11・8%増にすぎない。ところが第1分位は、790円、実に100%増(倍増!)となった。日本経済新聞の調べで、8割の自治体で65歳以上の介護保険料を今年から引き上げ、全国平均の保険料は制度発足の2000年と比較して倍になったという(18年4月19日付)。
 住民税や介護保険料の減免措置の強化など自治体での重要な課題であろう。

 本誌前号でふれたが、安倍政権は消費支出が最も低い10%の世帯(生活保護世帯は除く)の生活水準を、生活保護世帯の生活扶助基準と同じようにする見直し案を社会保障審議会の部会に示した(4月号22ページ「長期に困窮が進む国民生活水準」)。
 すでに見たように勤め先収入が減り、一方で税や社会保険など非消費支出が増え、消費支出は大幅に減っている。しかも食品や医療費は上がり続ける。貧困層の生活は日ごとに悪化している。
 さらに収入が少ない最下位10%の水準に、生活保護生活扶助を合わせるのだという。これが基準となって最低賃金額や就学援助費等々が影響を受けることになる。
 国民各層は連携して闘い、安倍政権を打倒し国民生活を守る政権をめざそう。

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