アメリカ追随、国民犠牲の大軍拡を許さず、自主外交でアジアの平和に貢献する日本へ

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「日本の進路」編集部

 防衛省は来年度、過去最大5・2兆円の大軍拡予算要求を決めた。安倍首相は、小野寺防衛大臣を任命した際に、「防衛計画の大綱」を見直して、新「中期防衛力整備計画(中期防)」策定を指示した。19年度からの新中期防となると、さらに軍事費は膨らむ。
 歴代政権の対米追随政治、とりわけ安倍政権による輸出大企業と富裕層のためのアベノミクスで、労働者も商工業者も農民も、国民各層は塗炭の苦しみである。年金や生活保護など社会保障給付は次々と抑制され、直接税も消費税も大増税、社会保険料も大幅負担増。国民はミサイルによってではなく、安倍政権の生活破壊で生存の危機に直面させられている。
 そもそも日米同盟のミサイル防衛網でも日本国民の生命と財産は守れない。安倍首相自ら国会で、核ミサイルを「撃ち漏らし」、日本に着弾するのは避けられないと答弁している。何のための大軍拡かと、疑われて当然である。
 しかも、8月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で日本側は、この軍拡計画をアメリカに約束してしまった。わが国の主権はどこにあるのか。
 対米従属の安倍政権による大軍拡路線に反対し、アジアの平和、自主外交をめざす国民的闘いを強めなくてはならない。

米国は日本を守らないかもと不安高める支配層

 この時期の2プラス2会合の開催を強く求めたのは日本側だった。「核兵器を含むあらゆる戦力(拡張抑止力)」による安全の保証をアメリカから取り付けることが中心的な狙いだった。朝鮮の核ミサイルへの「核抑止力」、尖閣列島への安保条約5条適用などを再確認してもらって安堵した。
 しかしそのためにわが国は、次期防での大軍拡を公約し、陸上配備型のイージスミサイル防衛システムなど巨額の兵器購入を「お願い」し、受け入れてもらった。陸上イージスは1基800億円といわれる高額兵器である。これを来年度にも2機購入するという。
 これらの購入は「有償軍事援助(FMS)」というもので、①契約価格、納期は見積もりにすぎず米政府は拘束されない、②代金は前払い、③米政府は自国の国益により一方的に契約解除できる、という不公平な条件を受け入れる国にのみ武器を売る仕組みである(東京新聞編集委員・半田滋氏)。要するに、言い値ぼったくりのような武器購入を約束させられたのだ。敵基地攻撃能力の獲得など、次々に巨額の請求書が回ってくる。しかし、軍拡競争は際限がなく、これで安全というものはない。
 また、「辺野古移設が唯一」と、沖縄を差し出すことを改めて「再確認」した。
 安倍政権がアメリカに差し出したのがこれだけかどうかも分からない。水面下では貿易面でも譲歩を迫られているだろう。
 安倍政権は、朝鮮や中国の脅威を煽り立て、それを口実に軍備増強に熱中している。これはアメリカに好都合である。朝鮮を圧迫して軍事対抗させれば、日本に言い値でいくらでも大量に武器を買わせるなど、譲歩を迫ることができる。
 しかし、朝鮮や中国を敵視してきたわが国支配層は不安でならない。侵略戦争と植民地支配の歴史を「修正」しようとしている安倍らはとりわけそうである。トランプ政権ではなおさらである。この事態を、イギリスの新聞「フィナンシャル・タイムズ」は、安倍政権はトランプ大統領になっての7カ月間に、実に28回もアメリカ政府にお願いして「日米同盟を再確認」してもらっていると皮肉っていた。
 安倍首相らは安堵したのだろうか。だが、日本の主権と国民の生命・財産、生存をアメリカに売り渡して、軍事大国化を遂げようとしている。これが「強い日本を取り戻す」と言う安倍政権の正体である。

朝鮮の核ミサイルを無害化する道はただ一つ

 朝鮮は核ミサイル武装を強化しているが、それは日本を直接に狙ったものではない。狙われているのは、米軍と在日米軍基地である。朝鮮の核武装は、核恫喝を繰り返す米軍との休戦にすぎない戦争状態の中で、自国の安全、存立のため対米交渉力、抑止力強化を狙ったものである。
 もちろん核武装は、唯一の戦争被爆国の国民としては認めがたいものがある。だが、「アメリカの核の傘」の下にあり、しかも南北分断をもたらした根源である朝鮮植民地支配を行った日本である。アメリカに核軍事挑発をやめさせる責任こそあれ、朝鮮の核武装を含む自衛権に反対する権利はない。
 最近はアメリカでも、朝鮮を事実上の核保有国として対処するのが現実的解決策との見方が広がっている。安全保障面の主流で標準的な見解を代表すると言われるゲーツ元国防長官などが、米本国に届くICBM開発は許さないが、核弾頭を一定数にとどめ査察を認めさせ管理するといった内容の提案をしたという。
 もし、トランプ政権が、こうした方向に踏み込むと、わが国に届く核ミサイルが朝鮮に残ることになる。朝鮮を敵視する安倍政権は、それを誇張しているが、自らは恐怖のどん底にある。
 ミサイルがわが国に脅威なのかどうかは、朝鮮の意思次第である。日朝間が真に和解すれば、朝鮮の保有する核兵器は、わが国には「脅威」でも何でもなくなる。小泉純一郎政権でも、ピョンヤン宣言で日朝和解、国交正常化を確認できた。わが国の決断である。
 一方、わが国の野党の一部に、「平和解決のための『無条件の対話』」という見解がある。一見よさそうだが、これは「朝鮮の核」が危機の根源という誤った前提で、その核の「放棄」を目標にしている。これでは朝鮮は受け入れ不可能である。「対話」は成り立たず、現実の緊張緩和策とはなり得ない。
 いまこそわが国は、敵視政策をやめ、日朝関係の和解に舵を切り国交正常化に踏み出すべきである。これこそ「拉致問題」を含めて諸懸案を解決する唯一の道である。

「アメリカ抜きの世界」が本当にやってきた

 「日経新聞」がトランプ政権半年の7月20日、「『米国抜きの世界』が本当にやってきた」と題した社説を掲載した。
 「『米国第一』はいまに始まったことではない。無謀な戦争を始めたり、⾦融市場を混乱させたり、と世界を振り回してきた。だが、いまほど存在感を失った⽶国は記憶にない。どう向き合えばよいのだろうか」と自問し、「もはやトランプ⽒の顔⾊をうかがっても仕⽅がない。(⽇本は)欧州やアジアの主要国との連携を深めることだ」と結論付けた。
 「アメリカ抜きの世界」という考え方は、世界の主流となりつつある。
 中国やロシア、インドなど新興大国が自主的動きを強め、米欧分裂が公然化し、ドイツなどが公然と「対米自主」を唱え始めた。
 韓国ではムン・ジェイン政権が成立、自主・平和の動きを進めている。ASEAN諸国も、対米自主を発展させている。アジアのことはアジア人の手で解決するという歴史的な流れが始まっている。
 日本はいつまで没落するアメリカと運命を共にするのか。世界中に広がる「対米自主」の機運と結びついて、自主外交を始めるべき時である。アジアと共生の道だけが、国民生活を豊かにする。
 この秋、安倍政権の大軍拡路線を許さず、対米自主でアジアの平和へ舵を切るため奮闘しよう。

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