「朝鮮危機」があおられる中で

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広範な国民連合第1次訪朝団

原田章弘(第1次訪朝団団長、全国代表世話人)

広範な国民連合は、7月4日から7日までの日程で、原田章弘全国代表世話人を団長に第1次訪朝団をピョンヤンに派遣した。朝鮮側の受け入れは、対外文化交流協会であった。団は、友好連帯と親善を確認し元気に帰国した。以下は、団長を務めた原田章弘氏の報告である。【編集部】

 今にも戦争が始まるような報道で、危機感があおられている時期の訪朝となった。
 こんな日本の雰囲気の中で、私たちは広範な国民連合の団を構成し、7月4日から7日までの短い日程だったが、「日本の雰囲気を笑い飛ばしながら」訪朝した。北京空港では、高麗航空に乗り込むまで、随分待たされた。後で聞いて理解したのだが、朝鮮が「大陸間戦略弾道ロケット」を打ち上げたからだった。この件については、後に触れる。
 空港には対外文化交流協会(対文協)の指導員が迎えに出てくれていたが、そのほかに、朝鮮中央通信など報道機関の記者が来ていて、早速記念写真。団名については、「自主・平和・民主のための広範な国民連合訪朝団」では、記事にするのに長すぎるので「日朝友好活動家代表団」でよいかと。

2日目は、開城・板門店から信川へ

 長距離のマイクロバス移動だ。これまでの訪朝では、板門店までかなりのスピードでの移動だったが、今回は道路事情(凸凹状態)により、多少、ゆっくりめで走行。車内で交わした会話では、 「緊張があり、戦車でも数多く走ったのではないだろうか」と。冗談でもないのでは?
 緊張感漂う板門店では、南側には誰一人見えず。軍事境界線を跨ぎ、建物の中へ。訪朝団を迎えた34歳の課長(中佐)は、「いい時期に来訪した。金日成主席生誕105年、金正日総書記生誕75周年、そして7・8金日成主席逝去の深い追慕の日の直前の時期だ。さらに、アメリカの独立記念日に、わが国からの偉大なプレゼントを贈った」と、前日の「大陸間戦略弾道ロケット」の成功を喜んだ。
 私たちも、「これで、地球のどこであっても、相手を打撃できるな」との話で応じた。これまでは、「アメリカ西部にまで届く」と言っていたのが、内陸から東海岸までになった」と考えた。朝鮮と連合国側が「停戦協定」に調印した会談場も訪問した。南側は調印後も協定違反を80万回以上犯しているそうだ。
 開城は世界遺産が数多く残っている都市だ。世界遺産の善竹橋や表忠碑などを見た後、民俗旅館で昼食、伽耶琴の演奏付きだ。
 次に、朝鮮戦争の米軍の蛮行を残す信川を訪問した。私は2度目で、前回は「朝鮮戦争勝利65周年」を祝しての国際祝典を開催した2013年だった。この時に参観した資料館は、戦争当時米軍が本部司令部を置いた建物で、小学校の校舎のような場所だった。しかし、今回はリニューアルして、素晴らしい建物になっている。この建築作業中にも58体の遺体が発掘されたそうだ。今もって、付近から遺骨が出土している土地だ。
 写真は案内してくれた72歳になる当時の被害者だが、彼ら母子941人が、小さな建物に押し込められた。米軍のハリソン(当時・将校)が「母と子が一緒なのは幸せすぎる」と、母親を別の倉庫に入れ、自分たちには1週間も水一滴くれなかった。すきっ腹の子どもたちにガソリンを与え、飲んだ子供たちは悶え死んでいった。12月、米軍は逃亡前にガソリンをぶちまけ、火を放った。
 翌朝、孫の安否を確認に来た老人が自分を救ってくれた。たった3人だけが生き残っていたそうだ。あれから67年が経過するが、米軍の蛮行を許すことができない、憎悪と憤怒が激しくなるばかりだと、閉じ込められた倉庫内で語ってくれた。
 資料館(博物館)には、米軍の蛮行を示す蠟人形や再現場面が多く展示されている。10月17日から12月7日までの間に、体じゅうを釘で傷つけ、その釘を頭に打ちつけて殺したり、言うことを聞かない女性には、刃物で乳房を切ったり、髪に石を結びつけて橋から投げ落としたりするなど、残虐な方法で朝鮮民族を虐殺している様子が表現されている。
 朝鮮戦争時期、戦争を利用して戦後復興を果たし、経済成長を遂げた日本だが、より多くの日本人が見て、朝鮮戦争の真実を知るべき施設だ。

さて、3日目

 普通江ホテルにおいて、日本研究所との座談を行った。出席されたのは、日朝交渉の初めから携わっていた元・外務省職員で、現在、日本研究所チャ・イルソン所長と、チェ研究員の2人だった。

日本研究所との座談

 初めに、日本研究所の成立の背景についての説明があった。
 それによると、「はっきり言って、日本の外交姿勢には失望している。しかし、日本人の勤勉さと正直さは認められる。昨年、11月23日に発足し、日本を全面的、多角的に研究している。研究者は20人足らず。外務省、新聞社出身などの者がいる。不信が重なって、日本に対する正しい認識がなくなっていると言える。われわれは、認識を正しく与えるために情報を出している」とのことだった。
 4日に発射した弾道ミサイル成功については、「国力と戦略価値が新しくなった、特筆すべき大慶事、イベントだ」と説明され、日朝関係については、「最悪の対決状態が続いている。朝鮮戦争に参加・加担し、敵視政策から脱退しようとしていない。衛星発射についても弾道ミサイルだと言っている。われわれの自主権行使に対して制裁を科す。今でも、共同訓練を繰り返している。最悪の対決状態で胸が痛い。アメリカに追従すれば良いことはない。対決の道を歩み続ければ、良いことはない。最小限、反共和国敵視政策をやめるべきだ。拉致については解決していて、人権問題については南の情報に基づいてのみで、それをあちこちに出向いてふれ回っている。 南の人権問題にも、軍事演習にも貝になっていてしゃべらない。アメリカのシミュレーションのみを歓迎している」などと説明した。
 まとめると、日本は
 ①過去を清算しようとしていない。これは正しい姿勢ではない。
 ②自主権と尊厳については、朝鮮敵視政策に狂奔している。
 ③アメリカに追従し、敵視政策をとっていれば、日本にも不利益だ。
 私たちの質問に答えて、「外務省のスポークスマンが、日本に存在する米軍・軍事基地がターゲットになると言うのは事実だ。個人として思うが、制裁についても野蛮で、反人民的な制裁を加えている。薬品の搬入もできないという時代錯誤的な措置が採られている。弾道ミサイル発射成功についても、1世紀前に、ロシアやアメリカが『橋の下に朝鮮という魚がいて、これを釣ろうとしている絵』が描かれていたが、妄想に駆られているのでは?」と。
 ストックホルム合意についても、日本側が約束違反し、一方的に破棄した。双務的な合意であり、自動的になくなっている。もう、調査委員会も解体した。私も記憶にないと述べていた。
 懇談は、非常に友好的で、しかしながら日本の置かれた位置については厳しくも正確な分析・指摘が行われていて、私たちとも認識はおおかた一致した。
 午前中の最後に、野菜専門共同農場を訪問した。ここには高層住宅が54棟で324世帯が住み、平屋住宅は83棟で、98世帯が居住している。
 温室が665棟あり、トマト、キュウリ、カボチャ、ナシ、白菜、唐辛子が栽培されている。この時期には、キャベツが収穫期だったので、トラックが畑の中に。人海戦術で、トラックにポンポンと投げ入れるように収穫。山のようなキャベツをピョンヤンに運んでいた。
 科学技術殿堂では3000台のコンピュータが並び、学生も作曲したり、アニメを見ていたりとさまざまだったが、小学生が社会見学だろうか、教師たちに引率されて来ていた。科学に興味を持たせ、そこから調べたり、実験したりすることができる施設だ。
 万景台学生少年宮殿でも、学生たちの朝鮮舞踊、書道、アコーディオン、刺繡、伽耶琴などの課外活動を見せてもらい公演も観覧した。ミスもなくプログラムが進められる。素晴らしい訓練結果だろう。

成果と課題

 7月4日に入国、7日には帰国という短い日程だったのは残念だったが、所期の目的達成には十分だった。所期の目的は「長きにわたっての友好交流と親善」の確認だ。
 私は、何度も「第1次訪朝団」と前置きしながら「第2次、第3次もより大きな団で来るから」と言葉をつないだが、共和国側は、「友好を結びたい意思があれば、共和国は受け入れる」と。
 そしてさらに、在日朝鮮人に対する差別に反対する活動にも、日朝関係改善の努力についても評価するとし、今後も反共和国、在日朝鮮人差別を阻止し、大きな成果を上げることについても期待していると述べてくれた。
 これまでのような各県ごとの訪朝団も良いが、地方議員訪朝団とか、職種別訪朝団も良い。広範な人びとが結集する訪朝団を構成することができるのは、私たち「自主・平和・民主のための広範な国民連合」だ。
 多くの人びとが朝鮮を自分の目で見て、そこに住む人びとの姿を見て、「敵対国」などでないことを確認してもらいたい。
 十年一日のごとく流されるフェイクニュースで作り上げられてきた朝鮮に対する「極悪国」「最貧困」イメージとは、まったく違う姿が、そこここに見られるのだ。ピョンヤンには平和に、幸せに暮らす人びとの姿が見られる。
 「自主・平和・民主のための広範な国民連合」訪朝団を、今後、何次にわたっても派遣できるだろうと確認し、その最初の団を担った意義を確認し、喜びとしたい。

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