2015年11月11日国民連合:神奈川 丹羽宇一朗 講演会要旨

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「ツキジデスの罠」

 2つ目の「ツキジデスの罠」について、両国の首脳は勉強しているということです。
 2500年前のエーゲ海で覇権を握っていたのは、「スパルタ訓練」と言う言葉の由来となったスパルタという厳しい国でした。「パックス・アメリカーナ」というように、世界の覇権を握っているのはアメリカです。その前は「パックス・ブリタニカ」で、大英帝国の力で世界の平和が保たれていましたが、2次大戦後、アメリカの力で世界の平和が保たれて来ました。そのアメリカの力が弱まり、「パックス・アメリカーナに陰りが出てきて、世界は混迷の状態にあります。
 それと同じように、2500年前、スパルタに対抗するように出てきたのが、都市国家、新興国のアテネです。アテネは経済の増強と同時に軍備増強を続けていた。スパルタが「俺に歯向かってくるのか」とアテネを叩き、戦争になる。これが有名なペロポネソス戦争です。この戦争の歴史を書いたのがツキジデスです。なぜ「罠」と言うのか。「どこに、罠があるかも分からず、はまるから「罠」と言います。絶対に起きないと思っている戦争が起きる。戦争というものはそういうものだと。「絶対に戦争は起きない」と思っていても、戦争になってしまう。それを、「ツキジデスの罠」といいます。
 ハーバード大学のジョセフ・ナイ先生によれば、1600年から今まで400年ちょっとの間に、15回の紛争があり、そのうち11回が戦争になった。現代版に直せば、今の覇権国アメリカがかつてのスパルタ、新興国アテネが中国ですが、世界中を巻き込むような戦争は絶対ないと言えるでしょうか。今の人間はそんなに賢くなりましたか。皆さんは100年、50年前のおじいちゃんやおばあちゃんより賢いと思いますか。賢いと思う人は手を挙げてください(笑)。誰もいない。21世紀のわれわれが急に賢くなるわけがないですから、戦争は15分の11の確率で起きるということです。
 オーストリアの皇太子が暗殺された時、第一次世界大戦になるとは誰も思っていませんでした。ところが、「罠」に足を突っ込んでしまった。いま覇権国アメリカの力が弱まり、中国はかつてのアテネのように軍事力を増強してきた。さあ、どうするか。「戦争をなんとか避けよう」と、両国首脳がテレビ会談を行い、フロリダ湾でアメリカと中国が軍事演習やることになったわけです。
 多くの人たちは戦争は絶対ないと思っているけど、私は絶対にないと言い切れません。人間はそんな賢くない愚かな動物です。夫婦喧嘩でちゃぶ台引っくり返すとか、ぶん殴るとか、お茶をひっかけるとか。皆さん、今晩は丹羽の議論をめぐって、大激論して夫婦喧嘩をやらないでください(笑)。その程度ならいいけど、戦争は国と国が銃の引き金を引くわけです。米・中首脳のいちばん心配なことです。最も可能性が高いのは南シナ海ということになります。今すぐ解決はできません。冷静に、冷静に少しずつ対話をやっていくしかありません。

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