国際情勢・政治一覧

米国新政権でも止まらぬ一層の国益譲歩

東京大学大学院教授 鈴木 宣弘suzuki-tpp

「儲かるのは一部企業の経営陣のみで我々の暮らしはもっと苦しくなる。これ以上ごめんだ」と、国民の「格差是正」「自由貿易見直し」の声が巨大な「うねり」となり、直接選挙だから、大統領候補もすべてTPP(環太平洋連携協定)反対と表明し、TPP破棄を主張したトランプ氏が勝利した米国のみならず、日本とニュージーランド(11月15日に61vs57で可決)以外の参加国は、1国としてTPP関連法案を可決していない。つまり、各国の市民の力が「やはりTPPは悪い」と証明しつつあるのに、我が国だけが「バラ色」としか言わず、不安の声を抑えつけ、多くの懸念事項について、国会決議との整合性も含め、納得のいく説明は得られないまま、数の力で最後は強行採決すればよいとの姿勢をあからさまにしてきた。このような非民主主義的な国は日本だけである。誰のために政治・行政をやっているのか、このような手続きは日本の歴史に大きな禍根を残す。見え透いたウソとごまかしが平然と繰り返され、まかり通ってしまう、この国は異常である。 続きを読む


「戦争」の前に「経済」でつぶされる安倍首相の日本

広範な国民連合全国世話人、元外交官 天木 直人天木直人

 

 

 1月30日の新聞は永久保存版にしておく価値がある。後で振り返った時、あの時が日本滅亡の日だったのか、と思い出させてくれるものになるかもしれないからだ。
 「戦争が起きる事を心配する前に、経済政策の失敗をおそれよ。われわれは政府によって戦争で殺される前に、生活苦で殺される」。これは、私が戦争と平和の議論をするときに、改憲論者を前にして反論する時に使うセリフだ。

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