新春メッセージ 中園 謙二

新春メッセージ

地域活動や世代間交流を通じて、平和の大切さや国際情勢への理解を深める機会を創出する

日本青年団協議会第41代会長 中園 謙二

 平素より本会並びに地域で活動する青年たちに格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。
 日本青年団協議会は、その結成以来、青年の生活を豊かにすることを目的に地域活動を続けてきました。読書や趣味、家庭生活の重要性を訴えるベストセラー『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は、現代社会の課題を反映しています。仕事に追われる日常の中で、自分らしさを保つためには仕事、家庭、趣味のバランスを取ることが重要です。地域青年団はこの理念に基づき、地元での文化・スポーツ活動や世代間交流を通じてコミュニティづくりに貢献してきました。
 この活動が目指すのは、誰もが自分らしく生きられる社会の実現です。しかし、昨年は能登半島地震をはじめとする自然災害や、物価高騰による生活の困難など、青年の暮らしを脅かす出来事が続きました。これらの課題に直面する中、青年たちが地域社会での絆を深め、政治や社会を動かす原動力となることが求められています。
 こうした状況において、昨今注目されているのが「台湾有事」です。地政学的緊張が高まる中、日本にとっても台湾海峡の安定は極めて重要です。台湾有事が現実化した場合、日本の安全保障や経済にも多大な影響が及ぶことは避けられません。特に青年世代にとって、この問題は決して他人事ではなく、自らの未来に直結する課題です。
 日本青年団協議会では、このような国際的な課題に対しても目を向け、青年が主体的に考え行動するきっかけを提供する必要性を感じています。台湾有事の可能性は、日本国内の経済や安全保障だけでなく、地域社会や日常生活にも波及する可能性があります。そのため、地域活動や世代間交流を通じて、平和の大切さや国際情勢への理解を深める機会を創出することが大切です。昨年は、日本被団協がノーベル平和賞に選ばれるなど、平和をめざす機運は世界レベルで高まっています。私たち青年団でも、日ごろから地域における平和活動に力を入れております。
 私たちの周りには、国籍のことなる仲間が増えているからこそ、そうした方々に日本のことを知ってもらう場を設けたり、加害の歴史や被害の歴史を知る学習会を開いたりしてきました。こうした社会情勢だからこそ、私たちは学ぶこと、声をあげること、行動することが大切です。
 いよいよ被爆・戦後80年を迎える節目の一年が始まりました。今年行われる参議院議員選挙では、候補者が台湾有事や安全保障問題にどのように取り組むかを注視し、自らの価値観に基づいた一票を投じることが求められます。歴史的に見ても、社会や国家を動かしてきたのは青年の情熱と行動でした。私たちもこれをもって邁進していくことをお誓い申し上げます。
 結びに「日本の進路」読者の皆様、編集部はじめ国民連合関係者の皆様には、昨年も様々な情報の発信や、研修会等々の実施など大変お世話になりました。今後も公私ともに情報提供の場をいただくと同時に、全国各地で力強く活動する青年たちにあたたかいご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げて、新春のメッセージとさせていただきます。世界のあらゆる地域でまばゆい朝日に照らされ、多くの方々の新年が希望に満ち溢れた年になりますよう心から祈念申し上げます。

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