広範な国民連合 ■ 声明

米兵による
沖縄の少女への性的暴行事件に強く抗議する

女性団体が県民大会開催を求める

 昨年の12月、沖縄県内で嘉手納基地所属の米兵によって16歳未満の少女が拉致され、性的暴行を加えられるという重大事件が発生した。
 しかも、沖縄県民にはいっさい知らされなかった。事件から半年もたった6月の報道で明るみに出た。県民の間には、日米両政府による隠蔽への怒りも広がる。しかもその後、今年に入ってから他にも4件の事件があったことが判明し、怒りはさらに高まっている。
 玉城デニー知事をはじめ県民の大衆集会など抗議が広がる。県議会は7月10日、全会一致で「厳重に抗議する」決議を上げた。市町村議会もこぞって抗議決議を上げている。
 われわれは県民と怒りを共にし、支持して闘う。
 しかも米兵は7月12日、那覇地裁で開かれた初公判で「私は無実。誘拐も性的暴行もしていない」と起訴内容を否認した。12月の卑劣な行為と続く半年間、少女は日々どのように過ごしたのだろうか。耐え難い精神的、身体的苦痛と人間としての尊厳を奪われた少女にとって、自己を正当化し、無罪を主張する加害者の行為は、二重にも三重にも少女に苦しみを与え冒瀆し、存在そのものを否定するに等しいと言わざるを得ない。
 このような傲慢は米軍の日本占領意識、差別意識の発露に他ならない。そしてアメリカに逆らえない日本政府の従属的屈辱的姿を改めて浮き彫りにする。
 私たちは1995年、小学生少女への米兵3人による集団レイプ事件があったことを忘れない。沖縄県民は、この蛮行に抗議するため10万人ともいわれる県民大会で怒りを示した。老若男女、県内全域、政治信条関係なく多くの県民が参加した歴史的な大会となった。
 日米両政府は、その怒りに狼狽、震撼し、翌年、普天間基地の返還を約束した。しかし、この30年間にも米兵の性的暴行など事件事故は絶えず、繰り返し起きてきた。沖縄だけに差別的に米軍基地を集中させてきた結果に他ならない。
 報道では今回の事件発表をわが国「警察庁や外務省が難色」と、隠蔽加担が指摘される。岸田首相は6月23日、平然と全戦没者追悼式にのり込んだのだ。
 二度とこのような悲劇を起こさせてはならない。そのためには、再発防止策や日米地位協定の抜本的改定などはもちろんのこと、米軍基地を撤去する以外にないとの県民世論の発展は当然である。
 「再び戦場とさせない」との沖縄県民の声を無視して、「台湾有事」を煽り軍事強化を進め、事件事故を放置する日米両政府に強く抗議する。わが国政府は、独立国と言うのであれば米国に対して毅然たる態度をとるよう求める。少女への謝罪や補償、精神的なケアを行うこと等を強く要請する。
 沖縄の怒りをわがこととして全国民的世論を結集し、抗議の闘いを発展させるよう呼びかける。

 2024年7月
自主・平和・民主のための
広範な国民連合