ー 米中対立を超えて ー
西原 春夫
(1)日本国民の一般の考え方
①「民主主義は善、専制主義は悪」「資本主義は善、社会主義は悪」という固定観念
②したがって、嫌中・親米になりがち
③台湾問題の危険性は中国包囲網で対応→アメリカとの同盟関係維持・強化
(2)しかしそこに実は落とし穴がある
①台湾問題について戦争に巻き込まれる危険性→共和党が過半数をとった米下院
②世界戦略について米は中にすでに敗北し、この傾向はさらに強まる。
*米の「アメリカファースト」と、中の「人類運命共同体論」の落差!
③世界は間もなく大変化を迎える。中は「社会主義に基づく自らの変化」を前提にしてこれに対応する用意ができているのに対し、米にはそれが無い。
(3)間もなく起こる世界の大変化=singularityの到来
①singularityが来るか来ないかの議論は無意味→AIの能力が次第に人知を超える方向にあることは誰も否定できない。
②AIの発達が人類の経済政治機構に与える影響について、民主主義国は自らの体制を永遠不易と考えているために、これに気付くのがおそい→日本人も。
③AIの発達は、「民主主義・専制主義」「資本主義・社会主義」の対立構造を希薄にする傾向
「国境」も低くし、「戦争」をなくしていく方向にある。
(4)そこから見えてくる日本の国家戦略
①AIの発達の成り行き予測を明確にし、変化を人類の理想に近づける努力の最先端に立つ。
②AI発達の着地点を、国の体制の違いを超えて同一にする方向で努力
③同一の着地点を日は「民主主義の側から」中は「社会主義の側から」追求するという目標を中の指導部と共有する→これは日本の西側グループからの離脱を意味しない。(隣国であることを理由とする)「西側の代表」という位置付け。
④習近平国家主席は、その歴史観からして歓迎こそすれ反対しない。
⑤人類共通の課題を追求するのだから、中米の対立構造を超えて日本らしい役割を演ずることができる。
西原春夫先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます
衝撃が大きく、言葉がまとまりません
あらためて何か文章にしたいと思いますが、少しお時間をいただけませんでしょうか
冬の月燃ゆるが如くかがやきて
夢をのこして沈みゆきたり
寒月のまぶしきかげをかくしたる
むらくもふきてはらひてすすめ
はるかなる夢をのこして逝くひとに
我もつづきてたのしかるべし
2月 2日 古川 禎久