日本青年団協議会会長 中園 謙二 様
本日ここに、自主・平和・民主のための広範な国民連合第25回総会が盛大に開催されますこと、心よりお慶び申し上げます。全国の地域青年団を代表して、お祝いのメッセージをお送りいたします。
世界各国が今、争いの渦中に時代を巻き戻そうとしています。朝鮮民主主義人民共和国からは度重なるミサイル発射実験が行われ、さらなる挑発的な行動もほのめかしています。中華人民共和国では新指導部が発足し、台湾への武力介入などを示唆する動きを見せています。ウクライナ情勢は語るに及びません。間もなく冬将軍が到来する現地では、徴用されたロシア連邦の若者が、自国による大義無き侵略に加担させられています。アメリカ合衆国の中間選挙では、共和党内外を無用に煽るトランプ前大統領の一挙手一投足により、おなじアメリカ国民が分裂を余儀なくされています。争いは無用な諍いを生み、社会的な分断をより深刻なものにしています。
日本を含む国際社会が、制裁による経済戦争に加担していると言っても過言ではありません。これら負の連鎖を断ち切るには、まず互いの意見を聞き、いったん受け入れるところからその第1歩がはじまります。私たちは、「何か」に抗議するばかりでなくその本質を見定め、それを解決するための動きを仲間と共につくり上げていく決意をもち、日々暮らしていく必要があります。その先に、誰もが安心して生きられる世の中があると確信しております。
日本国内では、大幅な円安と物価高に、青年たちの懐は大いに痛んでいます。同じ商品が1年の間に複数回値上げされるなど、これまでとは異次元の状況に足を踏み入れているとも言えます。「失われた30年」と言われ、これほど物価が上昇しなかった国は世界の先進国を見ても日本をおいて他になく、必然的に他国の物価上昇に置き去りにされています。グローバル社会において適度な物価上昇は必須だったはずが、経済政策や不況も相まって物価も賃金も上昇していないところに今般の情勢が直撃しては、誰しもが困難な立場におかれて当然です。賃金を上げるための政策実現も重要ではありますが、最も大切なのは私たち一人ひとりが自分の賃金や物価に意識を持ち、身近なところから改善への動きを行っていくことではないでしょうか。そのための学びを支えるべく、私たちも微力ながら取り組んでまいります。
私たち日本青年団協議会は、結成当初からいわゆる右側左側を問わずに、分野を分け隔てることなく意見を交わし、青年の生活を高めることをめざして共に歩みを進めてきました。社会の大きなうねりに直面している今こそ、自分と異なる者の一言一句を受け止め、相手を論破したり打倒するのではなく、誠実にしかし着実に対話を進めていく時です。
本総会が、文字通り「政治的な立場を超えた広範な国民の自由意志」に基づく連帯により、社会を動かしていく記念すべき総会になることを祈念いたします。これからも共に運動を進めていきましょう。