東アジアの平和を、
「後衛の位置から」主体的に!
代表世話人・青山学院大学名誉教授 羽場 久美子 他一同


明けましておめでとうございます。
この1年の皆さまの奮闘に敬意を表し、また、広範な国民連合に寄せられた支持支援に心より感謝申しあげます。
昨年1年は、戦後80年を迎え、また被団協の一昨年末のノーベル平和賞受賞もあって、平和と核廃絶を望む形で始まりました。
年の前半は、生活危機打開と日本の平和を望む動きが政府を追い詰め、自公与党を衆参両院で過半数割れに追い込みました。政権交代さえ可能な状況でした。しか後半の4カ月は、危機を感じた自民党が高市政権を樹立する右派の強力な巻き返しでした。国内の困難を国外対立に転嫁すべく中国を批判し戦争準備を行い、今や危険な水域に達しています。
今年、2026年はこれを転換し国民生活の危機打開と平和と安定を取り戻すか、それとも戦争と没落か。東アジアと日本にとって極めて重要な一年となるでしょう。
昨年3月、4月には国連で核廃絶を目指す会合が何度も開かれ、私も被爆2世として参加しました。そこで広島・長崎の被爆4世、大学・高校の若者たちが集い、被爆者と共に未来に向けての核廃絶と平和表明し、世界の人々に強い衝撃を与えました。
国内では、コメ不足と価格高騰に対して、「令和の百姓一揆」が行われ、食料自給の危機に対する政府の無策と国民軽視が報道され、日本列島の地殻変動を呼び起こしました。
夏には敗戦80年を迎える沖縄慰霊の日、盧溝橋事件、広島・長崎の被爆80年、中国の抗日戦争勝利80年を踏まえ、日本の50年のアジア侵略の歴史を振り返り、「加害と被害」を若者と共に考える契機になったことは大変重要でした。若者たちの結構な部分が高市政権を支えるといわれることを考えれば、広島・長崎・沖縄などの戦争被害地域の若者が、中国で七三一部隊の歴史を追体験し中国の若者と交流したことは、21世紀後半の未来を日中の若者が共につくるという点で重要な出来事でした。
「敵」をつくって
内政の危機打開たくらむ
しかし後半の4カ月で逆転現象が起きました。
高市首相の右派政権は維新の閣外連立で、伸張の参政党を背景に据え、日米同盟を軍事的中核とし、中国を敵と名指しして、国内危機を対外攻撃に転嫁していきました。
日本経済の衰退の中、「黄金の日米同盟」「世界の中心で咲き誇る日本」を掲げて支持を広げました。生活困難を抱える就職氷河期世代の中堅層や若者に対し、政府が問題なのではなく左派や中道派こそが腰抜けであり、すべての原因は中国の軍事的脅威であるという戦争前の常套手段で挑発を繰り返しています。移民を排斥し高齢者の生活保障を削りスパイ防止法で政府批判層を排除し核武装さえ辞さないとの言葉で若者を引き付ける参政党も応援団です。
日中敵対は百害あって
一利なし
高市氏の国会での「存立危機事態」発言に対し、中国は日本との交流や経済関係に大幅に制約を課し、日本渡航自粛などを打ち出して対抗しています。文化外交の筆頭であるパンダの上野公園貸与の期限が切れ、運悪く日本からすべて居なくなってしまいました。
こうして積み上げてきた日中友好交流は一挙に一触即発の緊張状態に逆戻りしています。
高市氏が謝罪ないし発言を撤回し、対話を開始すれば済むのでしょうが、それは高い支持を失うとの危機感もあり政府は好戦的な拳を上げ続けています。
今や1930年代の満州事変前夜にも似た、極めて危険な対立緊張状況に入っています。大手マスコミも大政翼賛会状況に入っています。「戦争は内政が混乱し政府に対する批判が強まったとき、それを外交に転嫁して始まる」。30年代の日本も、現在の世界の紛争地域もまさにその通りです。
しかし中国との緊張関係継続は、今の中国と日本の国力の違いを考えると、日本に利はないばかりか莫大な損害と国民の犠牲を伴います。日本は中国を敵に回して何を得るつもりなのでしょうか。
2026年を戦争危機の年にしてはなりません。犠牲になるのは政府ではなく若者たちと地域の市民です。大手メディアが、日本の大陸侵略の歴史を忘れたかのように、中国の危機をあおり、若者の近隣国への不信感を高めています。現実には、SNSで内向きになって自殺する若者、シングルマザーや子供の貧困に対するケアすらも怠り、最も戦争を嫌う沖縄の若者を犠牲に戦争に巻き込みつつあります。
生活防衛を基礎に
広範な結集で打開
私たちはどうすべきでしょうか。高市政権の戦争への流れに抗し、近隣国と共に平和と繁栄をつくるため奮闘しましょう。国民生活を守る。食や環境を守り、少子高齢化に共同で対処することが求められています。
丸山眞男の『後衛の位置から』のように、最前線で危機を訴え軍拡を言う人々に抗し、後方から主体的に日本の加害と被害を深く認識し、中国・韓国・ASEAN・インドさらにグローバルサウスと結び、国内の高齢者、シングルマザー、若者と結び、日中不再戦、核廃絶、日本市民の平和と繁栄を掲げて、よりよい世界をつくりましょう。
皆さまお一人お一人のご活躍を心よりお祈りいたします。
