東京でトラクターデモを
令和の百姓一揆実行委員会代表 菅野 芳秀(置賜自給推進機構共同代表 山形県長井市で養鶏とコメづくりを営む)
https://youtu.be/6MGVUOfZpTE(菅野さんの百姓一揆呼びかけ動画)
令和の百姓一揆に立ち上がる。
人が生き続けていくためには農が不可欠だ。人の世の持続性は持続する農があってのこと。食料がなくなれば、持っている他国に土下座するしかない。それでも手に入らないかもしれない。
農業の問題はそのまま日本列島に暮らす人々のいのちの問題であり、この国、この社会の自立、尊厳、持続にかかわる問題である。
農家も農民も村も消える
今、農業の貴重な人材が洪水のように離農している。全国の水田・稲作の現場を中心に、大変な事態が進行している。国民の多くが知らないうちに、日本から農家も農民も村も消えていこうとしている。この事態が日本国民の意思の結果ならば諦めもしよう。もしそうでないならば、進行している事態をなるべく早く共有し、市民の声、国民の声をもって力に変え、この進行を押しとどめなければならない。それが最後のよりどころなのだから。われわれにはもう時間がない。
昨年、一時的に米価が上がったが、農政の基調は農家の離農促進であることは変わらない。趣味でコメを作れ、できなかったなら農業の現場から去れ! これが政府の方針だ。
政府は、「稲作農家は時給10円で十分」との考えだ。農家はそれを知っている。
一口に言えば、日本に農民のやる農業がなくていい。農民がいなくなっていい。村がなくなっても構わない。大きな農業法人か企業が担う大規模農業で、安価なコメが効率的に生産できれば、それで十分だ、ということだろう。そんな農業政策が続き、大規模区画整備、大規模農業育成政策が進む中、40、50ha……100ha、そんな大規模稲作農業が誕生し、小農、家族農の離農、崩壊が止まらない。
だから農民の農業からの逃亡は変わらない。幾百・幾千年にわたって蓄積されてきた農の技術、農の知識が農民と共にこの国から消えていく。もう二度と戻ることはあるまい。
日本の国と生命の源である農業にとって、それはどれだけ大きな損失だろうか。この事態を招いているのは一時の政権の、一時の政治だ。
それが歴史的に形成されてきた社会的共通資本である農の営み全体を壊滅状態に追い込んでいる。
連帯を求める一揆だ
この百姓一揆は国との対立・対決のためではない。
このままでは日本から村が消え、農民が消える。有史以来、誰もが経験したことのない日本農業の崩壊的危機を前にして、何とかその局面を打開せんとする農民、市民、志ある人たちの、やむにやまれぬ行動。それが私たちの一揆だ。
対決ではなく連携を求める一揆だ。生産者、消費者、官も民もなく、農業を守らんとする全ての関係者の大同団結と立ち上がりを促す一揆だ。
農地は耕すものの手に。昭和22(1947)年、農地解放で戦前の地主制が解体され新しく生まれた475万余自作農中心の日本農業。その農民の手によって日本列島の隅々まで丁寧に耕され、国民の食料を生み出してきた。その自作農を中心とする戦後日本農業は今、これまで経験したこともないほどの規模と速さで崩れていこうとしている。
日本農業から農民の姿が消え、村がなくなり……。
過去、連綿と続いてきた「農のタスキ」を途絶えさせてなるものか! ここが正念場だ! 絶対に負けない!
農民に欧米並みの
「所得補償」を!
市民に安定して食料を
手にできる生活を!
産業政策一辺倒に傾いた農業政策を根本的に改める。国の自給率を上げ、地域政策を重視し、地域農業と暮らしをつなぐ。地域農業と教育、福祉、医療などをつなぐ。農への市民参加を促進し、市民皆農を進める。土と学校給食や、病院食などをつなぐ。
そうだ、これは農を基礎にした循環型地域づくり政策だ。「生きるための農業」だ。この世界での小農、家族農業の役割は大きい。
このことは総じて農民の問題である以上に、消費者の問題としてより深刻だ。質のいい食材を安定的に確保することが消費者の願いだが、自作農による農業がつぶされることによって、自給率はさらに下がり、食料は広く海外に依存することになるだろう。時代はまさに多国籍企業が国家を動かし、国連すら動かしながら、自分たちの利益の最大化を図っていこうとする、そんな時代だ。さらにその上、異常気象や戦争、コロナのような流通停止の事態は形を変えて襲ってくることも想定しながら、国民のいのちを守らなければならない。それらのことを考えれば、国の食料自給率が38%、このことは戦慄が走るほどの低さだ。
農の崩壊は日本の崩壊
農業を諦めてはいけない。農がそばにあることの豊かさを改めて確認しよう。
専業のみならず、兼業農家も、日曜百姓も、定年百姓も、ホビー(趣味)農業、ベランダ農業、プランター農業でもいい。広く農と土といのちの世界に親しんでいく。もちろん、既にある小さな地域内循環の輪を守り、生産、流通、加工、消費、サービス・旅館業者などの地域内連携を進める。
農の崩壊は日本の崩壊につながっている。負けてはいけない。
3月30日、明治神宮からのトラクターを先頭とするデモ、それに続くシンポジウムで狼煙を上げる。
それを皮切りに北海道から沖縄まで縦断するデモとシンポジウムと地域づくり、運動の交流と語り合い。これを秋まで続け、年始か年度末にはその集約としての大きな集会、シンポジウムを行い、その結論をもって社会と国への提案を行わんとする。
もう一度農を興そう。市民皆農の瑞穂の国を取り戻そう。令和の一揆はそれへの連携の狼煙だ。
農民と市民、官と民が共に話し合うことから始めよう。われわれには次代の希望が託されている。諦めてはいけない!
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『令和の百姓一揆』で日本の農、食、いのちを守ろう!
トラクターと人々の行進 案内
私たちは、『農家が生活できる欧米並みの所得補償』を国に求めていきます。
消費者も『農と食の問題はいのちの問題』と捉え、農家、生産者、消費者、大人も子どもも、今こそみんなで立ち上がろう。未来の子どもたちのために声を上げよう。つながろう。
一揆は対立ではなく、連携への狼煙。
■ トラクターと人々の行進
集合場所:青山公園南地区 多目的広場
集合時間:3月30日(日)14時
青山公園は南地区と北地区に分かれていて、南地区です(住所 東京都港区六本木七丁目23)
交通案内:
地下鉄千代田線「乃木坂駅」5番出口から徒歩4分
日比谷線「六本木駅」2番出口から徒歩12分
銀座線・半蔵門線、都営地下鉄大江戸線「青山一丁目駅」5番出口から徒歩14分
令和の百姓一揆実行委員会
連絡先 ☎03-5211-6880(山田正彦法律事務所)