6/17緊急集会開かれる
「一つの中国」原則堅持を提起
「一つの中国」原則の堅持を求める集会実行委員会が主催して6月17日夜、「日中戦争回避、国交正常化の原点に戻ろう」緊急集会が、東京都千代田区で開催された。
集会は松尾ゆり杉並区議会議員が司会を務め、4月の日米首脳会談以後の日米政府による対中国の危険な動向などに触れ、この集会がもたれるに至った経過を報告して始まった。
最初に、元内閣総理大臣の鳩山由紀夫氏があいさつした。
東アジア共同体研究所所長・元外務省情報局長の孫崎享氏が、「安全保障論議は扇動であってはならない」との問題提起を行った。
国会議員が発言
参議院議員の伊波洋一さん(会派「沖縄の風」)は、「中国のGDPは日本をはるかに超えて4倍、5倍にもなる。極めて重要な隣国だ。例えば、日本の自動車はどこで売れているかというと中国市場だ。かつて中国は世界の工場だったが、今や世界一の市場だ。中国のファーウェイ1社で1兆数千億円も日本から素材を買っている。この中国との協力関係こそ国益だ」などと日中関係の重要さを強調した。
参議院議員の杉尾秀哉さん(立憲民主党)は、「国会議員のグループで訪中の機会を昨年来探っている。ところが、日中関係はどんどん悪くなっている。そして軍事費を倍増するとか、敵基地攻撃だとか。先日は『総統』就任式なるものに国会議員が大挙して台湾を訪れた。一方、中国とのパイプはどんどん細くなる。本当に危険な状況になってきている」と日中の交流に努力する決意を述べた。
衆議院議員の原口一博さん(立憲民主党)は、「日中間は長い歴史があり関係悪化はほんの一時期だ。今日の中国の発展には日本も貢献した。その果実を両国が共にしようというときに中国と仲違いをしろと言う。米国は行ってみると驚くほど衰退し、中国を憎んでいる。私たちは同じアジア人だ。米国の策略を許さない。独立自尊の日本を、平和な東アジアを外交でつくろう」と呼びかけた。
衆議院議員の川内博史さん(立憲民主党)は、「新しい戦前の様相。沖縄だけでなく私の地元の鹿児島でも南西諸島も本土も、軍事施設がどんどんできる。建設会社の会長さんに会ったら、『仕事がいくらでもある。防衛省の仕事は言い値でできる。仕事だからやるが、こんなことで良いのか。もう戦争状態だ』と。かつての戦争も、満州事変から日本が始めた。そんなことを許してはならない」と呼びかけた。
参議院議員の大椿ゆうこさん(社民党)は、「今年の1月に社民党は訪中をしてきた。最初に中国人民抗日戦争記念館(盧溝橋)を訪ね、献花をして、福島瑞穂党首が『日中不再戦の誓い』をした。中国側からは何人もが『台湾有事は日本有事ではない、台湾は中国の内政問題だ』と語られ、私たちはしっかりしないといけないと思った。ところが国会の中では、いまだに、中国や韓国は程度の低い国といった認識があるように感じる。排外主義、ヘイトスピーチを生んでいる。武力で平和はつくれない。外交で平和を」と結んだ。
参議院議員の髙良鉄美さん(会派「沖縄の風」、沖縄社会大衆党委員長)は、「沖縄は『南の玄関口』ということだったが、至るところにミサイル基地、弾薬庫が造られている。中国に届くようなミサイルだ。戦争するとどうなるか。来週の23日は『慰霊の日』だ。結果を示している。人も、文化も、自然も失われる。『不再戦』以外にない。日本は米国ばかり見ている。そうではなくて南の玄関口から南を見たらどうか。世界は変わっている」と沖縄の歴史を踏まえて提起した。
共同を確認
さらに羽場久美子さん(青山学院大学名誉教授)、安河内賢弘さん(ものづくり産業労働組合JAM委員長)、野平晋作さん(ピースボート共同代表)、棚田一論さん(日本青年団協議会事務局長)などが発言した。また、会場から、大嶋和弘さん(日本労働党)、パレスチナ戦争の停戦を求める学生などが次々発言した。集会は最後に、集会アピールを確認し終了した。
緊急に開かれたこの集会は、中国に対する戦争挑発が強まる中で、「一つの中国」原則を基にこれを打ち破る国民的闘いの出発点となるに違いない。