沖縄をハブとする東アジアの平和ネットワークをめざす国際シンポジウム(続) ■ 朴 相鉄

アジアは世界経済の最も重要な地域になる

韓国ポリテク大学教授 朴 相鉄

 羽場先生がおっしゃったように、東アジアの経済成長というのは、IMF(国際通貨基金)や世界銀行なども予測したように、今後20年間で世界の平均経済成長の2倍以上を達成する唯一の地域です。そして東アジアの諸国家は、世界の生産量と物流量の50%以上をグローバル経済に供給している、最も重要な地域でもあります。


 こうした役割を持続的に遂行するためには、東アジアの安全と平和がなによりも大事です。羽場先生が発表してくださったように、2000年にわたる人類の歴史の中で東アジアの役割が世界に再登場している。そういった過程の中で米欧との競争が生まれていると考えられます。
 残念ながら東アジアの国というのは政治・経済的な側面では分離されております。例えば民主主義の国家とそうではない社会主義の国家という形で政治体制が分離されております。そのため経済的な部分を統合するのが非常に難しいという現実があります。東アジアの発展を持続させるためには、こうした現実を東アジア人が徹底的に認識して政治と経済を分離させ、東アジアの利害を増強させ、そして防御する力というものを自らが持たなくてはなりません。そのためには東アジアの国家間での緊密な対話と協力が前提条件として作用すると思われます。
 2030年を基準として予測をしてみますと、中国、日本、韓国そしてインド、インドネシアのアジアの5カ国が、世界の10大経済国家に含まれるということになります。東アジアが世界のハブになるばかりか、経済の中心地として浮上する最も重要な時期であるために、私たちの未来を私たち自身が理解し、そして私たちの未来と利益を防御する、その能力を私たちがもたなくてはいけないということです。これが最も重要であると考えます。ありがとうございました。