米中激突の東アジア、問われる日本の進路

第17回全国地方議員交流研修会 ■ PART2 パネルディスカッション

第17回全国地方議員交流研修会が8月10日、Zoom会議システムを使ってオンラインで開催された。そのパート2では、「米中激突の東アジア、問われる日本の進路」のテーマで、パネリストは羽場久美子さん(青山学院大学名誉教授・神奈川大学教授)、柳澤協二さん(国際地政学研究所理事長・元安全保障担当の内閣官房副長官補)、伊波洋一・参議院議員(沖縄県選出)の3氏。「台湾有事」を画策し、日本をその前面に立てようとするアメリカの策動を許さず、東アジアの平和と繁栄を確保するため、地方自治体議員の報告発言を含めて活発な討論が行われた。地域、地方自治体での課題も鮮明にされた。以下、その報告。誌面の都合で2回に分けて掲載する。

総合司会・山本正治(広範な国民連合事務局長・『日本の進路』編集長)
 今日は8月10日、昨日は長崎の原爆の日、間もなく迎える15日は敗戦記念日、来月18日は満州事変が始まった日です。今年は、日本が1931年9月18日に中国大陸への本格的な侵略を始めた満州事変から90年です。
 8月15日、日本は「二つの敗戦」を迎えたと思います。
 一つは言うまでもなく、アメリカとの間の太平洋戦争ともいわれる戦争での敗戦です。もう一つは、日本による朝鮮半島から中国大陸への植民地支配、侵略戦争での敗戦であったわけです。こうした歴史を、東アジアで再び緊張が高まるこの8月15日、あるいは9月18日を迎える前にしっかりと記憶を新たにしておく必要があるのではないかと思うのです。
 さて、このパート2では、「米中激突の東アジア、問われる日本の進路」というテーマを定めています。緊張高まる東アジアは、成長する東アジアでもあり、日本経済も大きく相互依存する東アジアであります。そのなかで日本は外交・安全保障でどのような進路を取るべきか。国の進路を再び誤ってはいけないと思います。
 米中激突は日本の地域の人びとの暮らしや経済に、あるいは自治体にも影響を及ぼします。
 地方自治体議員の立場からも国の進路の課題に積極的に発言していく必要があると思います。今日は3人のパネリストの方から問題提起を受けながら、議論を深めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 まず、羽場久美子・神奈川大学教授、その後、柳澤協二さん(国際地政学研究所理事長、元安全保障担当の内閣官房副長官補)、沖縄県選出の伊波洋一・参議院議員の3人からそれぞれ20分程度の問題提起をしていただきます。
 その後、地方議員の皆さんを中心にそれぞれ地域の事情を踏まえた報告や問題意識、あるいは質問などを出していただきます。
 その議論の中で、3人のパネリストの方から途中で質問に答えたり、あるいは互いに議論などをしたりする時間もお願いしています。
 そして、最後にもう一度、パネリストの方々から議論を踏まえたまとめの発言をしていただき、終わっていきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
 では、早速ですが羽場先生、お願いします。