[第24回全国総会] 開会のごあいさつ

代表世話人 角田 義一(元参議院副議長)

 私が本総会の開会のごあいさつを申し上げることになっておりましたが、不注意にも足を骨折し、福岡に参ることがかないません。全国の仲間の皆さまには申し訳ない限りですが書面にてごあいさつさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 今、日本は正に瀬戸際に立たされていると思います。そうした緊迫した情勢下で開催されます今総会の意味は、非常に重いものがあろうかと思います。
 その会合にふさわしく、鳩山元総理にご講演をいただくことになりました。今さら私から申し上げるまでもなく、民主党政権の初代総理であります。当時総理は、「普天間基地」を国外、少なくとも県外に移転することを国民に約束したわけでありますが、それが不成功に終わり、責任をとって辞任されました。総理をお辞めになって、沖縄県民に申し訳ないとのお気持ちから、県民にお詫びを申し上げながら、「辺野古基地」建設反対のために県民の皆さんと一緒に座り込みやデモにも参加されました。今、日本にこれほどの良心的な政治家がおりましょうか。
 私は、かつて議員在職中、苦楽をともにした仲間として、本日ご本人をお迎えできることを心から喜んでおりました。私の不注意でかないませんが、日本の進路についてお話をいただけるわけで、心から歓迎いたします。
 また、照屋義実氏から、沖縄問題に関し熱烈な問題提起がなされます。そして、「アジアの共生へ、自立日本の総合安全保障を考える」と題して多士済々の方々にご参加いただき、真摯なパネルディスカッションが行われ、それらをふまえ、これからの日本の進路の方向性が決められていくことを、心から期待しております。
 さて、現下の日本の政治状況を見ると、嘆かわしいというような言葉では言い表せないほど危機的状況にあると言わざるを得ません。安倍政権は戦争法を制定し、7月の参議院選挙で、「改憲勢力3分の2獲得」をわれわれが打破したことなどどこ吹く風で、憲法改悪の策略を強引に推し進めようとしております。そして中東へ自衛隊を派兵することまでもくろんでおります。これは、自衛隊を己が私兵とするもので、絶対に許されません。
 森友・加計問題に見るごとく、政治から道義という言葉を抹殺してしまいました。今、重要閣僚が相次いで辞任し、英語検定問題で業界との癒着が取り沙汰されております。また、桜を見る会問題では、総理の地位を自己の保身のために利用していると、国民から厳しい指弾を受けております。
 消費税増税を強行し、国内における貧富の格差をはじめ、国民の分断・亀裂は深刻な状況に陥っております。今日の、まさに戦争前夜を思わせるような嫌な雰囲気を払拭し、民主主義を進化させることが必要であります。
 私どもは、今こそ安倍政権打倒に立ち上がり、奮闘すべきではないでしょうか。国民運動の強化が求められます。
 安倍政権を打倒した後、どういう政権をつくるかも重大な課題であります。それに関し、多くは語れませんが二つのことを申し上げたいと思います。
 一つは、外交問題であります。日米同盟を進化させると称する日本のアメリカへの従属化をいかに脱却するか、そのための新しい安全保障構想を打ち立てる必要があります。朝鮮半島の非核化を実現し、日本の非核化も実現して日・韓・朝の3カ国で、米・中・ロに対し核兵器廃絶を訴え、核兵器禁止条約を実効あらしめることを求めたいのであります。
 それには、まず北朝鮮との国交回復を実現することであります。また、深刻な日韓関係を、日本がした植民地支配をふまえ、合理的に解決し、日本と南北朝鮮との絆をつくることであります。これを単なる夢に終わらせてはなりません。
 6カ国協議を進化させ、新たな安全保障構想をつくることで、日米安保は不要になるのです。
 内政面においては、第一に改憲を阻止することであります。消費税の廃絶を含め、税のあり方、財政のあり方を根本的に問うことであります。格差解消を含め貧困問題は非常に深刻です。
 一連の豪雨災害対策をはじめ、われわれが取り組むべき課題は山積しております。
 それらを解決するためには、再度申し上げますが、どういう政権をつくるかを考え、野党共闘をさらに進めることであります。野党に対し、本日のこの総会で議論を深め、闘う野党になってもらうよう働きかけを強めるべきであります。その前哨戦として、高知の知事選を勝利させたいと思います。
 明治の大政治家田中正造は、「亡国に至るを知らざれば即ち亡国」と喝破いたしました。このままでいけば、日本は正に亡国に至るのではないかという危機感を持って、われわれは今日の集いを持っております。われわれは主権者です。子どもの未来のためにも闘う責務があるのです。これこそが、正に日本国憲法がわれわれ主権者に求めていることではないでしょうか。
 今総会が、皆さんの討議を経て、立派な成果が収められますよう祈念し、代表世話人を代表してのごあいさつといたします。

(原田章弘代表世話人が代読)

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