「日本の食料基地」の北海道農業を守り育てるために
2019年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
昨年を振り返りますと、北海道は長雨・低温その後の高温障害、さらに台風の被害に未曽有の大地震と、農業に多大な被害をもたらしました。このため、農作物は全般的に平年を下回る作柄となり、大変厳しい年となりました。
さて、本連盟が運動の重点課題としている国際貿易交渉ですが、安倍総理大臣は「自由貿易協定を結び、高水準で自由・公正なルールに基づく経済圏を作っていくのが私の基本的な考えだ」との方針のもと、次々に交渉妥結、国会批准と進めています。TPP11が昨年の12月30日に発効となり、日EUのEPA協定も2月1日から発効されることとなっています。さらに新たな貿易協議(FFR)の段階で心配していた事実上のFTAと言える日米物品貿易協定交渉の開始が秒読みとされており、RCEPなども含めて、安倍総理大臣が掲げる成長戦略である自由貿易の環境作りを急速に推し進めています。しかしながら、政府は多くの国民がこの国の食料がどうなるのだろうかとの心配はおろか、生産現場の農業者の声にも耳を貸さず、際限のない自由化と国内法の改悪によって、本道農業への多大な影響のみならず、地域経済に打撃を与えかねない状況にあります。
こうしたなかで、本連盟は2008年に策定した『真の農政改革』政策提言で、これからの農業の進むべき道筋を示してきました。昨年末に2018年増補改訂版を作成し、政策の柱は変わりませんが、時代の変化に合わせ改訂をさせて頂きました。「日本の食料基地」の北海道農業を守り育てるのは、家族農業を柱とした多様な農業の経営体であり、今後も経済を支え・環境を守り・自然を生み出し・観光を支える生命産業を発展させるための提言です。多くの皆さまに本提言の意義を提示し、「真の農政改革」実現に向けて邁進していきます。
最後になりますが、今年が実りある一年であり、皆さまとともに健やかに過ごせますことを心よりご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。