日中平和友好条約締結40周年
中国敵視の「防衛大綱」改定と軍備強化、挑発訓練に反対
日中平和友好条約が1978年8月12日北京で調印、10月23日東京での批准書交換によって締結されてちょうど40年が過ぎた。条約で両国は、「主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させる」ことを確認した。
今、この諸原則に沿った両国関係はますます重要になっている。わが国が戦後ずっと従属的依存関係を深めてきたアメリカは強引な「アメリカ第一主義」を進め、貿易戦争発動の経済貿易関係でも、対朝鮮外交など外交や安全保障でも、わが国には政財界を含めて激震が走っている。歴史の反省に立っての中国をはじめとするアジア諸国との平和友好関係促進はわが国の生存と繁栄にますます不可欠となっている。大企業、財界の中にも日中関係強化を望む声が改めて高まっている。
中国に対する復讐心に燃えていた安倍首相だが、10月にも訪中し関係改善を促進したい意向といわれる。結構なことである。だが、政府は同時に中国を「懸念事項」として「強い危機感」をもって「防衛大綱」の改定を進め、さらに自衛隊版「海兵隊」と米海兵隊による合同軍事訓練を東シナ海で行うという。
左手に武器を持ち右手で握手を求めて、両国関係が本当に好転するはずはない。ましてやアメリカが中国を自国の国益に挑む「修正主義勢⼒」と断定し、全面的な対抗策を強めている中である。安倍首相の進める方向はわが国をアメリカの対中戦略の鉄砲玉にしかねない危険な動きにほかならない。
今こそ日中平和友好関係の強化、とりわけ民間での関係強化の努力が重要となっている。
広範な国民連合は、今年2月代表団を派遣し、中国国際交流協会と意見交換し、同協会が主催した「中日平和友好条約締結40周年記念座談会」にも参加した。その中で劉洪才中国国際交流協会副会長など中国側が強調したことは、日中国交正常化など戦後の日中関係の発展に果たした民間外交の重要な役割だった。「座談会」で日中双方の参加者は異口同音に民間交流の重要さを強調した。広範な国民連合からも吉田伸全国世話人、山本正治事務局長が、日中関係発展のためわが国で国民的な「日中不再戦」の運動が重要になっていること、とくに労働者や学生を中心に青年の友好交流発展のために努力したい旨を表明した。同時に、習近平主席が提唱している「アジアのことはアジア人が決める」の精神でアジアに対する域外大国の干渉に反対する共同の闘いの重要さを指摘した。
改めて、日中不再戦の国民的世論強化のための努力を呼びかける。