遺志を受け継ぎ、玉城デニー候補必勝へ

故 翁長雄志沖縄県知事を追悼する

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 翁長雄志沖縄県知事が8月8日、急逝された。心から哀悼し、ご冥福をお祈り申し上げます。


 9月30日が新しい知事を決める知事選投票日となった。翁長知事の遺志を受け県民多くの負託に応えて、玉城デニー氏が立候補を表明された。翁長知事を支えた沖縄経済人の中心、金秀グループ会長呉屋守將氏が選挙母体「平和・誇りある豊かさを!ひやみかちうまんちゅの会」代表に就任し、仲里利信前衆議院議員が本部長を務め「オール沖縄」体制の再構築をめざしている。
 広範な国民連合は、翁長知事の遺志を受け継ぐ県民の闘いを先頭で前進させようとする玉城デニー氏を断固支持し勝利のために全国が力を尽くすよう呼びかける。

「自立と共生の沖縄」をめざす

 故翁長知事は6月23日の沖縄全戦没者追悼式「平和宣言」で、「『辺野古に新基地を造らせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません」と語った。残念ながら遺言となってしまったこの決意を沖縄県民のみならず私たちもしっかりと受け継ぐ時である。
 さらに玉城デニー氏が立候補表明記者会見で述べた、「『自立と共生の沖縄』をめざして、生まれてくる子どもたち、あすを担う若者たちに平和で真に豊かな沖縄、誇りある沖縄、新時代沖縄」を切り開く新しい闘いでもある。私たちは、玉城デニー氏のこの方向、この決意を断固支持する。
 この闘いはひとり沖縄にとどまらず、亡国・腐敗の安倍政権との闘いのこの秋の天王山である。米軍基地を撤去し、平和でアジアと共生し繁栄する沖縄をめざす岐路となる闘いであり、日本の平和、自主のためのきわめて重大な政治戦である。地方自治と民主主義のための闘いでもある。
 翁長県政成立以来4年間、安倍政権との国民的闘いの先頭に立ち全国を激励し続けた沖縄を破壊しようと、政権の側は集中砲火を浴びせてきた。今また、官邸、官房長官を先頭に襲い掛かっている。
 沖縄といわゆる「本土」・ヤマトンチュとの間、さらに沖縄内部にも分断を持ち込もうと狙い、さまざまな策動を強めている。安倍政権にはこうした差別と分断の政治策動によってしか、平和と自主・自立を希求する国民の意思を押しとどめることはできない。それは、大企業・中央重視の安倍政権の経済政策で、地域の疲弊と貧困化が全国民に重くのしかかって変革への機運が高まっているからである。
 4年前、当時沖縄自民党の中心で那覇市長であった翁長雄志氏は県内の全市町村長や議会議長らとともに、米軍輸送機オスプレイの配備撤回と普天間飛行場の県内移設断念などを求める「建白書」を安倍首相に提出した。その後、沖縄経済界の中心である呉屋守將氏なども立ち上がって地方自治・地域経済復興のため「オール沖縄」の巨大な力が形成された。
 この「オール沖縄」の戦線を守り発展させるとともに、さらに戦線を全国に広げ形成するため奮闘しなくてはならない。

沖縄は「万国津梁」の精神でアジアの国々との平和的共存共栄を歩んできた

 今こそ私たちは翁長雄志知事を追悼し、氏が体現していた「沖縄のこころ」を理解し共有することが大事である。
 翁長さんは、「平和宣言」で次のように述べている。
 「私たちは、平和を希求する『沖縄のこころ』を大事に今日を生きています。しかしながら、戦後実に73年を経た現在においても、県民は、広大な米軍基地から派生する事件・事故、騒音をはじめとする環境問題等に苦しみ、悩まされ続けています。
 東アジアをめぐる安全保障環境は、大きく変化しており、平和を求める大きな流れの中にあっても、20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場問題の唯一の解決策と言えるのでしょうか。日米両政府は現行計画を見直すべきではないでしょうか。
 沖縄の米軍基地問題は、日本全体の安全保障の問題であり、国民全体で負担すべきものであります。国民の皆様には、沖縄の基地の現状や日米安全保障体制のあり方について、真摯に考えていただきたいと願っています。
 かつて沖縄は『万国津梁』の精神の下、アジアの国々との交易や交流を通し、平和的共存共栄の時代を歩んできた歴史があります。そして、現在の沖縄は、アジアのダイナミズムを取り込むことによって、再び、アジアの国々をつなぐことができる素地ができており、日本とアジアの架け橋としての役割を担うことが期待されております。その期待に応えられるよう、私たち沖縄県民は、アジア地域の発展と平和の実現に向け、沖縄が誇るソフトパワーなどの強みを発揮していく、一層、国際社会に貢献する役割を果たしていかなければなりません」

日本国憲法の上に日米地位協定が、国会の上に日米合同委員会がある

 さらに翁長知事は、文字通り「遺言」となってしまった7月27日の「撤回」の記者会見で次のように述べた。
 「安倍総理は戦後レジームからの脱却という言葉もよく使って日本を取り戻す、と言っていましたけども、その中に沖縄が入っているのかということにも答えていただけませんでした。一番日本にとって大切な北東アジアの政治情勢、国際情勢に手をこまねいて大切な拉致問題に関しても他人任せというのが今の状況だ。
 今の日本のアメリカに対しての従属は、日本国憲法の上に日米地位協定があって、国会の上に日米合同委員会がある。この二つの状況の中で日本はアメリカに対して何も言えない状況がある。これはもし違うなら反論しながら『そうじゃないよ。ちゃんと憲法が日米地位協定抑えているよ、国会も日米合同委員会から報告させているよ』と日本の最高権力がそうやっているならいいが、みんな日米合同委員会で決められて、何も問題がないということで国会でも議論にならない。
 こういう中で撤回ができないときにどうなるんだと、効力を発しないときどうなるんだと、なります。
 (アジアの平和をめざす)そういう動きは必ず日本を揺り動かす、今の日本の動きではアジアから締め出されるのではないか。私たちの沖縄は何百年も苦労してきたが、今やっと飛び立とうとしている。それは十二分に可能な世の中になってきている」
 広範な国民連合は、この遺志をしっかりと受け止め、玉城デニー後継候補必勝のために奮闘するとともに、自主・平和・民主の日本を創りあげるため奮闘することをお誓いします。翁長さん、お疲れさまでした。ご冥福をお祈りいたします。

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