第5回(22回総会)全国世話人会議を開催

 広範な国民連合は、2月初めに、第5回(22回総会)全国世話人会議を開催しました。編集部の責任でその概要を報告します。
 会議ではまず、世界経済危機の深まりを背景に各国の国内対立はかつてなく激化し、トランプ政権など激変がもたらされたこと、その結果各国間の対立も激化し国際情勢は一変、とりわけ東アジアが、戦乱を含むさまざまなリスクに満ちているとの認識を確認しました。とりわけトランプ政権のアメリカで、対米従属の安倍政権のわが国は激しく揺さぶられています。アベノミクスも破綻し、安倍政権は、首脳会談にも見られるように「朝貢外交」で、沖縄県民とわが国国益を差し出した。いちだんと平和も危うくなり、そのツケは大軍拡予算で、社会保障費などが削られ国民の生活はいっそう苦境に立たされます。
 いまほど、平和と自主外交、国民生活危機打開の政権が求められる時はないと確認できます。ところが野党各党や連合指導部は、安倍政権の「強い、安定した日本」とか「賃上げと働き方改革」などの欺瞞に対抗できずに、高い内閣支持率を許しています。しかし、沖縄県民の闘いをはじめ、昨年の一連の選挙での東北の乱や新潟知事選などにも示されたような国民の怒りは急速に高まっています。
 全国で、この怒りとエネルギー結集して政治変革に結びつけられるか問われます。「自主・平和・民主」の日本をめざす広範な国民連合が果たさなくてはならない役割は極めて大きなものがあります。その役割を果たそうとの決意に満ちた会議となりました。

当面する闘いの課題では、――

  1. 一部富裕層は別に、国民大多数の生活条件は急速にいちだんと悪化しています。安倍政権との闘いでは、この国民的な、とりわけ貧困に苦しむ大多数の人びとの怒りとエネルギーを結集することとが特に重要です。
     全国で、労働者や農林漁民、商工業者や中小企業などの切実な生活要求課題を熱心に支持し、各層の連携を促すことを重視します。とりわけトランプ政権で予想されるわが国への負担要求を警戒し、自動車産業問題や農畜産物問題などに注目し、犠牲転嫁に反対します。
  2. 沖縄県民の闘いは、ますます全国的な政治闘争の焦点です。闘いを支持し、全国で米軍基地撤去をめざします。
     闘い方では、各県の地域課題とできるだけ結び付けて闘うように工夫します。福岡県では、北九州市の大量の土砂を辺野古埋め立てに使う計画に反対する県民世論形成と結び付けて闘う方向を決めています。東京では、羽田空港の離発着を制限している米軍の関東上空支配(横田空域)問題と結び付けて闘おうとしています。神奈川県などがすでに取り組んでいますが、全国的に日米地位協定改定の課題を重視します。
  3. 中国や朝鮮・韓国をはじめフィリピやベトナムなどを含めて、平和のための東アジア民間交流を重視します。
     米軍が、空母カール・ビンソンを南シナ海に派遣し、不測の事態すら予測されます。一方、今年は盧溝橋事件80年、日中国交正常化45周年です。日中友好、平和のための民間交流促進が重要な政治課題となります。
     また、朝鮮半島でも緊張が煽られ、安倍政権はそれにも加担しています。韓国では、朴槿恵即時退陣、財閥体制解体、新ミサイル(TAHHD)配置撤回、従軍慰安婦問題などの闘いが前進しています。
     朝鮮半島での戦争策動に反対し平和を求め、北朝鮮敵視に反対して日朝国交実現が急がれます。
     訪中団、訪朝団に取り組みます。
  4. 農民や商工自営業者の要求と闘いを支持すること、原発再稼働反対・原発なくせの闘いを支持し2018年に期限を迎える日米原子力協定破棄を求める世論形成をすすめること、共謀罪新設など民主主義破壊と反動化に反対し憲法改悪に反対することなども重要な課題となっています。
     
     また、第14回全国地方議員交流会を開催し、成功させるため奮闘することを決めました。
     農林水産業の衰退と地方展開した製造業の撤退などで、地域経済は疲弊の限りです。トランプ政権は、コメや牛肉など畜産物の輸入拡大を迫ってくるでしょう。自動車産業部品工場なども岐路に立たされます。しかも、政府は、地方の固有の財源である地方交付税制度そのものを破壊しています。地方、地域はまさに存亡の時です。
     この地方と自治体政治の現状を出し合い、きちんとした政策対案を打ち出し、広範な力を結集して闘うときです。全国の力を結集して成功のため奮闘します。

 組織強化でも、広範な国民連合の原点に戻った、活発な議論となりました。
 国民各層の要求に応えて、もっと国民生活の切実な課題を取り上げ闘うこと、また、安倍政権の進める対米従属下の軍事大国化と民主主義破壊の反動化に反対する共同闘争の発展にいっそう努力します。これは国民連合が基礎的に重視すべき課題です。
 同時に、国民連合は「自主・平和・民主の国の進路を実現する」ための政治的組織であり、安倍政権を打倒し、新しい政権をつくるために「広範な国民各層の連合」を実現することが本質的な役割、任務です。
 この二つの課題、任務を同時的にすすめる必要があります。前者の課題を先行させて現実の共同闘争を発展させ、それと結び付けて、考え方・認識を広めるために「日本の進路」を広め、国民連合の賛同会員を増やし、組織を全国に強めるよう努力します。
 当面する安倍政権との闘いを前進させるためにも、「安倍政権の支持基盤」となっているような商工業者や農民、都市の中間層など、いわば保守層をも引き付けるような文字通り「広範な」戦線形成が必要です。その点で、昨年11月の「亡国の道を打ち破り日本の未来を拓く」取り組みの経験は重要でした。
 今後も、この方向を堅持するとともに、最大の社会的勢力である労働者が政治舞台に登場するよう促すことが重要です。連合労組でも自民党支持層が一番多いといった状況を許してはならず、広範な国民連合ももっと労働者の要求と闘争を支持する活動を重視します。
 また、当面する総選挙問題も重要です。野党の連携、野党統一候補は、自公与党を追い詰めようとすると必要必須ですが、それだけで政治を変えられるものでないことも言うまでもありません。昨年の参院選の結果をみても、農民など地域で苦しんでいる人びとの支持を引き付けたところで前進しているわけです。われわれは、毎日の生活に苦しみ終われ、「誰が当選しても変わらない」と政治不信を強める過半数を超える国民の怒りとエネルギーを結集した実力ある国民的闘いを準備しなくてはなりません。
 組織強化では、全国いたるところで、「日本の進路」を普及し広範な国民連合の考え方を広め、賛同してくれる会員を増やし、都道府県組織を強化することです。福岡県などでは「地域懇談会」が組織されて力になっています。こうした経験に学ぶことも重要です。
 特に今回、財政強化でいくつか措置を決定しました。賛同会費を納める、「日本の進路」を大量に広めるなど、全国の賛同会員の皆さんと支持者の皆さんのご協力を訴えます。

 最後に、広範な国民連合第23回全国総会を、11月18日(土曜)、19日(日曜)に、三重県伊勢市で開催することを決定しました。
 全国でこの1年大いに奮闘し、成果と前進、貴重な経験を持ち寄ろうではありませんか。

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