コロナ禍で困窮の学生を労働者・農民・市民が支援

「ほっかいどう若者応援プロジェクト」の取り組み

北海道労働者福祉協議会理事長 出村 良平

 新型ウイルス感染症の感染拡大の長期化は、多くの生活困窮者を生み出しています。国や地方自治体での支援策も打ち出されましたが、要望に応えきれていません。学生の窮状もマスコミでも取り上げられ、なかには退学を考えている学生も数多くいるなどと悲痛な声が届けられるようになってきていました。 “コロナ禍で困窮の学生を労働者・農民・市民が支援” の続きを読む

球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る

温暖化と戦後の土地利用、森林・河川政策などの人災

水害がない流域の未来を考える

つる 詳子

 2020年7月4日に球磨川流域を襲った水害から9カ月。いまだに被災地はその爪痕を強く残したままである。護岸の樹木がなぎ倒され、見通しが良くなった球磨川の両岸は、補強用の黒いフレコンバッグで覆われ、泥出しや家財搬出を終えた窓、ドアがない家、柱だけになった家、解体して家屋がなくなった更地と、殺風景な景観が広がっている。 “球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る” の続きを読む

球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る

嘉田由紀子さんオンライン講演と討論の集い開催

ダムによらない治水・利水を考える県議の会代表 西 聖一(熊本県議会議員)

 2020年7月4日の豪雨は熊本県人吉地域を中心に、球磨川に注ぐ支流や本流の氾濫をもたらし、死者・行方不明者67名、家屋被害は一部損壊まで含めて7359棟、今なお仮設住宅で暮らしている方が1814戸という大災害を引き起こした。

 この災害を受けて、川辺川ダムの建設を中止としていた熊本県蒲島知事は、ダムも含めたあらゆる治水対策を行うと転換を表明した。知事は12年前の就任直後に、50年にわたる川辺川ダム建設論争に終止符を打つべく、ダム建設中止を表明した。しかし、治水協議会では12年間、治水方法を巡って議論だけが空転し、具体的治水事業も行われない中に、今回の惨事を迎えてしまった。

 ダム建設推進派がここぞとばかり、「生命と財産を守るためにはダム建設が必要である」という主張を強め、知事も方針を撤回せざるを得ない状況となってしまった。その後は、議会、国交省にも方針転換の承認を受けたとして、大変なスピード感で進んでいる。 “球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る” の続きを読む

コロナ感染症の課題 ■ 日本政治の問題点がえぐり出された

21世紀の「新しい国づくり」をめざす

衆議院議員 川内 博史

 新型コロナウイルス感染症は、日本の政治や行政の問題点をえぐり出しました。
 自民党の政治手法、あるいは行政マネジメントはあくまで平時の手法であって、今のような緊急事態あるいは非常事態においては機能不全に陥るということが明らかになったとみています。自民党の政治は財界・業界主導で、そこから上がってくる陳情、要望、意見を政策に反映させていくやり方です。 “コロナ感染症の課題 ■ 日本政治の問題点がえぐり出された” の続きを読む

コロナ感染症の課題 ■ 日本の問題点をあぶり出した

国民の命を守る医療政策に抜本的転換を

元日本医師会会長 原中 勝征

 今ようやく、日本でも新型コロナウイルス感染症対策のワクチン接種が始まります。しかし、外国製です。私はこれはおかしいと思う。日本の科学は高度で、その技術製品を外国にどんどん輸出している国なのに、しかも製薬会社もいくつもありワクチンを作る会社もいくつもあるのに、なぜコロナのワクチンを作らなかったのか。
 最初からアメリカのファイザーと英アストラゼネカから輸入するという動きだった。
 ウイルスから本当に国民を守るためには、効果のある薬を探すか、ワクチンを作るかです。国民もそれの一日も早い実現を望んでいた。しかし、何の説明もない。
 一方で、菅首相は経済回復のためと、「Go To トラベル」に何兆円も財政を使うことを自慢げに発表した。しかし、こうした中で多くの国民の命が奪われた。
 ワクチンを外国から買うにしても、先進国でも途上国でもワクチン接種が始まって世界で1億人を超している。日本ではようやく接種が始まった。2カ月も遅い。
 政府に本当に国民を守ろうという気があったのだろうか疑問を持たざるを得ない。返す返すも不思議です。 “コロナ感染症の課題 ■ 日本の問題点をあぶり出した” の続きを読む

東日本大震災 ■ 東電フクイチ原発事故10年に

復興を食いつぶした大企業、失われた故郷

自主・平和・民主のための広範な国民連合

 今年2月13日23時7分、10年前の大震災の余波というM6・3、最大震度6強の地震が東北・関東を襲った。
 ハリウッド映画のジャンルの中に「地球人類滅亡」がある。大別すると、①地震(火山爆発、津波)、②原水爆放射能、③ウイルスなど感染症、④小惑星地球衝突である。私たち日本人は、「人類滅亡4パターン」の二つを経験し、現在③の真っただ中にいるのだ。 “東日本大震災 ■ 東電フクイチ原発事故10年に” の続きを読む

特措法改正で本当に変わるのは何か

コロナ特措法改悪に反対する

専修大学ジャーナリズム学科教授(言論法) 山田 健太

 緊急事態宣言を出してもコロナ特措法の強制力がないので効果が薄いといわれている。いわば伝家の宝刀を抜いてはみたが竹光では戦えない、という論法だ。そうしたなか、コロナ特措法(新型インフルエンザ等特別措置法)の改正が予定されており、「要請→命令→罰金(過料)」という新しい「予防的措置(蔓延防止等重点措置)」の制度が導入されることになりそうだ。報道では、罰金か補償か、罰金で強制性は担保できるか、といった論点で議論されているが、改正の肝はどこにあるのか。本当に変わるのは、何なのか――。 “特措法改正で本当に変わるのは何か” の続きを読む

コロナ第1波を検証し今後に備える ■ コロナ差別があぶり出したもの

差別が根差す社会に生きる人すべてが「当事者」であるという認識と行動

公益財団法人反差別
人権研究所みえ 常務理事兼事務局長
松村 元樹

三重県で何が起こったのか?

 三重県では、4月に松阪市の中華料理店が新型コロナに関するデマのターゲットになりました。「コロナが出た」「店の周りは気をつけた方がよい」「従業員が感染している」などのデマがSNSで拡散され、予約がすべてキャンセルになり、店には、「感染者が店にいるのか」などの電話が相次ぎました。昼の時間帯の来客は、30人~40人あったのに10人程度まで減ったのです。 “コロナ第1波を検証し今後に備える ■ コロナ差別があぶり出したもの” の続きを読む

コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える

民族や国籍で差別することなく支援すべき

参議院議員 徳永 エリ

あまりに場当たり的な政府の対応

 厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に 1月31日時点のQ&Aで、「中国国内では、ヒトからヒトへの感染は認められるものの、ヒトからヒトへの感染の程度は明らかではありません。過剰に心配する事なく、風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行う事が重要です」と、危機感のない見解を示していた。 コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える” の続きを読む

コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える

真の政治家とはこうした危機の時に動けるか

国の難局、地方の難局に腹をくくって立ち向かうということ

Save Okinawa Project代表
玉城 研太朗
(沖縄県医師会理事・那覇市医師会理事・那覇西クリニック診療部長)

 「卯の花の 匂う垣根に 時鳥 早も来鳴きて 忍音もらす
 夏は来ぬ」

 1896年に発表された、佐佐木信綱作詞、小山作之助作曲の日本の唱歌「夏は来ぬ」。
 わたくしはこの曲がとっても好きだ。長い冬が終わり、卯の花が咲き乱れ、ホトトギスが鳴く、いよいよ夏がやってきた、と何というのでしょうか、弾けんばかりの夏の爽快感が見事に歌われており、心躍らされるそんな歌ではないだろうか? 沖縄県に長く厳しい冬などないが、いよいよ梅雨も明け、まっつぁおな空と照り付ける太陽、エメラルドグリーンの海を眺め、わたくしはとある会議の前に沖縄県恩納村にある谷茶前の浜公園に立ち寄り、この歌を聴きながら、ここ数カ月の出来事、沖縄県が日本全国があるいは世界中が立ち向かって闘ってきた「COVID-19」のことを思い返していた。 コロナ第2波が目の前 ■ 課題を考える” の続きを読む

コロナ第2波と大災害に備えを

安全保障とは国民の命と安全を守ること

「日本の進路」編集部

 75年目の8月15日がやってくる。アジアで何千万の人びとの命を奪い、日本人も何百万人が命を落とした日本のアジア侵略戦争と太平洋戦争。そして沖縄地上戦と米軍の原爆投下による広島・長崎の惨禍。莫大な犠牲の上に今日の日本がある。
 コロナ禍が加速し浮き彫りにした歴史の転換点で、過去の歴史をしっかりと振り返り未来を選択しなくてはならない。戦争をしない、させない政治、何よりも国民の命を守る政治。安全保障とは国民の命と安全を守ること、そして国際の平和を守り、諸国の共生を実現し、諸国民の命を守ることだ。
 安倍首相は口を開けば、「国民の生命、安全を守る」、そのため「強い国」をつくると言う。ところが、その政権の下で、他国の攻撃によってではなく国民の命が次々と奪われている。これは人災、いわば政災だ。 “コロナ第2波と大災害に備えを” の続きを読む

[コロナ危機どう闘うか] 感染症と戦争の人類史から、ポストコロナ政治を構想する(2)

参議院議員、前滋賀県知事、
元日本環境社会学会会長 嘉田 由紀子

 コロナ対策をめぐる日本政府の対応、その日々の動きを国会議員として近くで見ながら、安倍政権のちぐはぐさを前稿で示してきた。ポイントは、これまで新型コロナウイルスは「感染率は低いが、致死率は高い」といわれ、それに合わせて「封じ込め」「社会分離」政策がとられてきた。しかし欧米各国との比較で見ると死亡率は2~3桁少なく、「感染率は高いが、致死率は低い」という病の部類になるのではないか。となると、ここまで全国の学校を3月以降休校にして、日本中に経済・社会的活動制限をした政策に正当性があったのだろうかという疑問がわく。 [コロナ危機どう闘うか] 感染症と戦争の人類史から、ポストコロナ政治を構想する(2)” の続きを読む

[コロナ危機] コロナ禍と労働者

雇用と生活を守るJAMの取り組み

JAM副書記長、組織・政策部門長 川野 英樹

未曽有の緊急事態宣言

 JAMは、機械金属産業の中小企業・ものづくり製造業を中心とした約1900単組、38万人が加盟する産業別労働組合である。
 その特徴は、何といっても中小企業単組の構成比が高いということ。300人未満の単組が85%、100人未満の単組が60%を占めており、中小企業単組の「雇用と生活の維持と確保」に焦点を当てた運動が中心とならざるを得ない。
 もう一点は、構成企業の大半が中小・サプライヤー(中小部品供給会社)であり、大幅な景気変動時には発注メーカーから一方的なキャンセルや納入停止が多発する。また、原材料調達が困難で納期遅延が発生した場合は、ペナルティー(違約金)が発生するなど、公正取引慣行の確立が主要な政策課題となっていた。 [コロナ危機] コロナ禍と労働者” の続きを読む

[コロナ危機] コロナ危機の時代をどう生きるか

武器ではなく人、子育てや教育こそ最重要

日中友好協会会長 元駐中国大使
伊藤忠商事名誉理事 丹羽 宇一郎

 新型コロナウイルスの感染拡大について、「パンドラの箱が開いた」とよく言われるが、この中から出てきた新型コロナウイルスの正体はいまだにハッキリ分からない。いわゆる「専門家」といわれる人たちが口にするのは、感染者数や亡くなった人数など、すでに終わった話ばかりで、どうなるのかは誰も言ってくれない。
 また、この新型コロナの感染拡大を防ぐために、「『3密』を避けましょう」と言われています。しかし、毎日電車通勤をしなければいけない人たちや、買い物をする人、そうしたところで働く人たちにとって、この「3密」を避けるのは大変難しいことです。
 これからは「ウィズコロナ」です。「コロナと共に」にということです。ワクチン開発の成否も分からないなかでは、新型コロナウイルスに対する免疫を高めるしかありません。そうして免疫を高めた世界でコロナと共生・共存していかざるを得ない時代が確実にきます。 [コロナ危機] コロナ危機の時代をどう生きるか” の続きを読む