球磨川大水害から ■ いつでもどこでも起こり得る

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嘉田由紀子さんオンライン講演と討論の集い開催

ダムによらない治水・利水を考える県議の会代表 西 聖一(熊本県議会議員)

 2020年7月4日の豪雨は熊本県人吉地域を中心に、球磨川に注ぐ支流や本流の氾濫をもたらし、死者・行方不明者67名、家屋被害は一部損壊まで含めて7359棟、今なお仮設住宅で暮らしている方が1814戸という大災害を引き起こした。

 この災害を受けて、川辺川ダムの建設を中止としていた熊本県蒲島知事は、ダムも含めたあらゆる治水対策を行うと転換を表明した。知事は12年前の就任直後に、50年にわたる川辺川ダム建設論争に終止符を打つべく、ダム建設中止を表明した。しかし、治水協議会では12年間、治水方法を巡って議論だけが空転し、具体的治水事業も行われない中に、今回の惨事を迎えてしまった。

 ダム建設推進派がここぞとばかり、「生命と財産を守るためにはダム建設が必要である」という主張を強め、知事も方針を撤回せざるを得ない状況となってしまった。その後は、議会、国交省にも方針転換の承認を受けたとして、大変なスピード感で進んでいる。

 しかし、球磨川流域の多くの住民は、「氾濫被害の科学的な検証がなされていない」「ダム建設で防げる流量根拠に疑問がある」として数次の要望書等を提出している。しかし、その対応は満足のいくものではない。このような中で、地元の人吉を中心に学習会や集会を開催し、議論を深めたいという希望があった。しかし、コロナ禍で人を集めての集会ができない状況で困っていた。

 そうした中で、2月23日にオンラインで嘉田由紀子参議院議員の講演会を開催するに至った。私たち、「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」が主催し、「命と暮らし・平和を守る熊本ネットワーク」「立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会」、それに「広範な国民連合全国事務局」の3者の共催だった。

 オンラインは参加することはあっても、主催することは初めて。しかも、事務局の東京と嘉田さんの滋賀県、そして主催の熊本県との連携がうまくいくのか、またチラシを配らずに、SNSによる参加募集でどれくらいの参加があるのか大変不安な点もあった。

 結果的には、全国から80人を超える参加者、その中には、著名なダム関連の有識者や全国でのダム反対活動をしている仲間、インターンシップの大学生に加えて、多くのマスコミも関心を持って参加。地元テレビ局ではニュースでも取り上げた。さらに別の局でも、後日、特集が組まれる計画がある。

 講演と討論の内容は、熊本県から3名の現地報告、嘉田さんの流域治水の講演、その後、福岡県中嶋玲子県議から九州北部豪雨(2017年)での朝倉市の水害状況の報告を受け、嘉田さんを中心に発言者とのディスカッションが行われた。

 私たちにとって、嘉田さんの長年の取り組みによって、国交省内部でもダムによる治水行政を見直す変化が出てきており、治水計画の基本となる河川法も流域治水を取り入れた内容に改正が進められているとの報告もあり、ダムによらない治水を求める市民団体にも、心強いメッセージをいただいたものと思う。

 川辺川ダム建設反対は地域の課題だが、全国の仲間と問題意識を共有して、共に闘う運動の輪が大きく広がったことで、これからの運動に弾みがついたと考えます。

 

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