2021 新年のご挨拶 屋良 朝博 さん

共有(シェア)Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin

衆議院議員 屋良 朝博

 「日本の若者はなぜ社会問題を議論しないのか?」
 昨年、ある時同席した駐日スウェーデン大使から問われた。私たちは答えに窮し、貴国の若者はどうですか、と問い返した。大使は「スウェーデンの若者は未熟だと思われるかもしれませんが、自国だけでなく世界の問題について真剣に論議する」と語った。
 同席したアメリカ人は、「アメリカの若者も真剣に議論しますよ」と当然のことのように語る。どうも日本に住む欧米人からみると、私たちの社会はふんわり芯がないように受け止められているのかもしれない。
 なにも若者だけではなく、国会でさえしっかり議論しているのか、とも問われそうだ。森友、加計、桜を見る会、黒川検事長、日本学術会議。いずれも安倍・菅政権は「お答えを差し控える」と繰り返すばかりで、国民への説明責任など露ほどにも感じていない様子だ。メディアも移り気なので報道が薄れると、野党も世論が離れるのが気がかりになる。
 この国では真実を炙り出す仕組みがないのだろうか。19年4月の補欠選挙で当選し、国会の中で強く感じていることだ。沖縄の米軍基地問題を追及していると心底そう思う。噓と作り話が何重にも沖縄問題を覆い隠している現実に怒りを覚える。
 まずは「辺野古が唯一」という大噓だ。住宅地の真ん中にある普天間飛行場の危険性を取り除くために人口が少ない名護市辺野古の海岸を埋め立てて普天間の機能を移転する。「一日も早く危険を除去する」と言うが、工事は今後13年以上も続く。沖縄以外に普天間を移転できないのかと問えば、「抑止力を維持」するため「地理的優位性」に富む沖縄からは動かせないと政府は説明する。
 普天間を含め沖縄の米軍基地の7割を占める海兵隊は、海軍艦艇で移動する。沖縄に残る部隊は司令部と実戦兵力は小ぶりの遠征隊だけになる。遠征隊要員約2200人のうち地上戦闘兵力はわずか800人でしかない。
 800人といえば安倍前首相が山口県下関から桜を見る会に招待した支援者の数と同じだ。その程度の兵力規模を「抑止力だ」と防衛省などが言い募るほど、この国の防衛政策の合理性が問われる。「イージス・アショア」の導入についても政府は防衛強化の有効性を強調していたが、日本では「安全保障」を敵国の脅威に軍事力で備えると理解されるが、それは国防・防衛である。敵対国であっても外交、貿易、人的・文化的な交流などあらゆる手段を駆使して争いを回避するすべての営みが本来の安全保障政策である。
 そもそも論、本質論が不足しているために虚無的な空気が広がり、前出のスウェーデン大使が指摘した「議論をしない」人たちがつくられるのかもしれない。民主主義が定着していないということだろうか。
 今年はいよいよ憲法論議が本格化しそうだ。本質論のない危うさを抱えながら。

共有(シェア)Share on Facebook
Facebook
Tweet about this on Twitter
Twitter
Share on LinkedIn
Linkedin