コロナ感染拡大。秋は倒産・廃業と大失業の始まり

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今こそ命と生活を守る政治を急げ

『日本の進路』 編集部

 コロナ感染は急拡大。国民の命を守る、生活を守る緊急時である。
 子供の貧困率が全国平均の倍以上、3人に一人の沖縄県(全国は7人に一人)。次のような記事が地元紙に出た。
 「先が見えないのが何よりつらい」。那覇市に住む女性(32)はため息まじりにこう吐露した。6歳の息子と母親と暮らすシングルマザー。建築関係の会社で正社員として働くが、1年前から那覇市松山の飲食店でアルバイトを始めた。昼間の仕事の月収は16万円程度。子どもの保育料や食費などで出費がかさみ、「Wワークをせざるを得ない」がコロナ禍で一変した。バイトする店は4月に休業。収入源の一つが絶たれた上、自宅で過ごす支出も増えた。女性は「いつまでもつか」と表情を曇らせる。勤める会社で人員整理の話が出始めた。業績悪化で派遣やパートの同僚は雇い止めに遭った。「自分もいつクビになるか分からない。コロナの終息を願うばかり」と祈るように両手を重ねた。(「琉球新報」8月16日付)
 全国の多くの労働者と事業者に共通するつらさである。
 感染拡大抑制は緊急課題。しかし、これ以上休業すれば経営が成り立たない。ほとんどがテレワークなどあり得ない。休業でも労働者には何の補償もないところが多い。感染拡大を止めようとすれば企業に補償が不可欠だ。労働者にも直接の補償が必要だ。
 国が傍観している中で、感染症対策の最前線の都道府県は財源が乏しく、頑張ってはいるが満足な手を打てない。
 全国知事会の飯泉会長(徳島県知事)は8月11日、西村経済再生相にオンライン会議で、「休業要請を行っていくにあたり、補償金的な協力金、これを支給していくことが不可欠」と求めた。まったく当然の要求である。
 ところがこれに対して西村経済再生相は、「足りない場合は、根拠を示すよう」求めたという。この切実な全国知事会要望への能天気な返答。怒りを越して悲しくなる。全国の知事たちはどう思われたか。
 政府の無策どころか感染拡大を促すような失策も重なりコロナの感染はさらに広がり、秋には爆発的かとも言われる。感染症対策も、生活対策や企業対策も、文字通り正念場を迎える。
 もはや国民は、自民党政権には感染症対策を望んでいない。「辞めてくれ!」だけである。内閣支持率は30%そこそこである。
 政権打倒の闘いを発展させる秋である。
 4︱6月期GDPは過去最大の落ち込み。
 安倍首相は6月18日、通常国会閉会後の記者会見で、「事業規模230兆円、GDP(国内総生産)の4割に上る、世界最大の対策を決めた。経済をV字回復させる」と、大見えを切った。その後、多くの反対を押し切って前倒しで「Go To トラべル」を強行した。判断も、見通しも、政策も間違えた。
 経済の底が抜けて国民は塗炭の苦しみを味わわされている。
 だが、その影響は一様ではない。三菱総研の調査結果では、年収200万円以下世帯では半数が収入減少、とくに3割以上の世帯が3割以上減収、すなわち60万円以上収入が減少している。

 かくて、生活困窮者が激増。全国社会福祉協議会が統括する、最大20万円まで無利子で借りられる「緊急小口資金」に生活資金を求めて殺到。申請件数は8月1日で約60万件。
 多くのエコノミストはこの経済危機を少なくとも4年以上は続くと見ている。世界中が、1929年恐慌以来の「大恐慌」となった。
 しかし、株価は3月初めに大きく落ち込んだものの再び史上最高値圏にあり、投資家たちは大儲け。日銀が株式を大量に買っているからだ。今日、日銀は上場企業の56%にあたる2100社超で実質的に上位10位以内の「大株主」だ。筆頭株主となった企業も97社と1年前(23社)から急増。
 この先経済は、V字回復どころでない厳しい状況が続く。一握りの金持ちや大企業のためではなく国民のための政治への根本転換が必要だ。

倒産・廃業と失業が急増

 雇用者数(6月)は前年同月比94万人も減少、3カ月連続である。とくに宿泊・飲食サービス業、卸売・小売業、建設業、生活関連サービス・娯楽業などが厳しく、製造業も減った。特に減少が大きいのが非正規雇用である。6月は1年前より104万人も少なかった。
 減少した雇用者の70%は29人以下の小零細企業である。特に4人までの零細事業所では6月の1カ月間で10万人もの雇用が失われている。
 職に就いているが実際には仕事がなかった「休業者」も全体で236万人となり、1年前を90万人上回った。失業予備軍である。いつまでもちこたえるか。
 企業の休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」があってこの状況である。パートや学生を中心とするアルバイトなどはほとんどその恩恵に浴さない。厚労省はこの助成期間を年内いっぱい延長という方針のようだが、焼け石に水だ。
 零細企業や中小企業は需要が消え、休業も余儀なくされるなど厳しさは限界に。
 「持続化給付金」で、8月初めまでに294万件の支給があった。だが、法人で200万円、個人事業主やフリーランスで100万円、1回だけでは息も継げない。5月から無利子融資制度で息を継いでいる事業者も多いが上限4000万円、無利子でも返済はしなくてはならない。
 需要が消え、売り上げ激減で零細な事業者、中小企業はどん底にある。わずかな支援措置もたちどころに底を突くだろう。零細な事業者や中小企業の倒産・廃業が、高齢化と後継者不足で激増するのは間違いない。調査会社の東京商工リサーチは、自主的に経営や事業をやめる廃業や資金に余力を残して清算手続きする解散などが20年に5万件に上ると推計する。
 M&Aなどで、企業淘汰と集中が進む。強い企業だけがより強くなって生き延びる。
 大企業や財界は、コロナ禍をわが国が立ち遅れたデジタル化、技術革新を一挙に進めるチャンスと見ている。すでに多くの大企業が企業内容のリストラに着手、希望退職の募集を始めている。三菱総研は、2022年に事務職、生産・輸送・建設職で153万人の労働者が「余剰」になると予測する(前ページのグラフも含めて同総研「ポストコロナの世界と日本」)。
 政府は後押しするため「中小企業減容認」に舵を切った。7月21日の「日経新聞」は次のように報じた。「政府は(成長戦略で)中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める」
 企業の大倒産・廃業時代、労働者の大失業時代が始まる。

地方自治体への財政支援を抜本的に強化せよ

 感染症対策強化では、検査と隔離、そして重症化させない。そのためには、休業補償と医療体制の強化支援が肝心だ。
 生活支援では「10万円の給付」を持続しろ。消費税を抜本的に見直せ。零細な事業者と中小企業支援に財政を投入しろ。持続化給付金も毎月必要だ。
 財源は、日銀に株価対策などやめさせ、地方債を直接買い取らせろ。大企業の内部留保を吐き出させろ。

 地方自治体に思い切って財政を回し、それぞれの地域の特性に合致した感染症対策、住民生活支援、地域経済支援を実現しろ。
 安倍政権打倒の国民的闘いを発展させるとともに、国民各層の切実な要求を支持し、打開のために自治体に対策を実行させることが極めて重要になっている。生活に苦しみ悪政に怒る人びとの要求と闘いを支持する具体的な行動を地域で組織しよう。
 子ども食堂にとどまらず「大人食堂」が切実に必要となっているし、住居や医療の確保を支援する取り組みなども重要だ。これからは生活のための切実な要求を一つ一つ、一緒に行動し解決していくような運動を進めることが求められる時代となる。中小企業の倒産や廃業の続出、大失業時代に備えなくてはならない。

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