[都知事選] 「国際金融都市東京」はいらない

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都民の生活と営業を守る都政を実現しよう

広範な国民連合・東京事務局長、杉並区議会議員 松尾 ゆり

 東京都知事選挙が近づいています(6月18日告示、7月5日投票)。4年前、自民党代議士だった小池百合子氏は無所属候補として(しかし自民党籍のまま)立候補、自民党とりわけ東京都連との対立構図をつくって圧勝しました。
 小池氏の選挙政策は「東京大改革」。自民党の「都議会のドン」の利権体質を批判し「都政の透明化」を掲げた政策は、あたかも自民党と対決する政治家であるかのような演出となって、自公政権への批判、不満の受け皿として東京都民の大きな支持を得ました。
 しかし、知事となった小池氏は何をしてきたのでしょうか。
 例えば、築地市場移転問題は大きな注目を集めました。選挙中は「築地市場についてはいったん立ち止まって考える」と言っていた小池氏でしたが、その後「築地は守る、豊洲は生かす」「市場機能を残す」「食のテーマパーク」など、発言が変わり、そのたびに関係者は振り回され混乱しました。結局は豊洲移転が実行され、現在すでに築地市場は解体されて更地となっています。都民の台所であり、かつ世界から注目される観光スポットでもあった築地市場は小池知事の手によって幕引きとなりました。
 東京オリンピック・パラリンピックの費用負担問題でも組織委員会と対立構図をつくってみせましたが、結局は膨大な財政負担で決着。また2017年の総選挙では国政政党「希望の党」を立ち上げて一時は台風の目となったものの、自身の「排除」発言で惨敗。マスコミにアピールすることにはたけているが、終始一貫した政治理念、都政政策など求める方が無理、というのがおおかたの評価です。
 都職員のアンケート(「都政新報」調査)でも「パフォーマンスが先行」が93・7%、「独断的な行動が都政運営に影響を与えている」が89・7%など、厳しい評価を受けています。
 そんな中、今回都知事選では東京オリ・パラを大いに宣伝しつつの選挙戦を描いていたことでしょう。ところが延期となり、いま小池氏はコロナを逆手にとっての自己宣伝に余念がありません。延期が決まるまでは記者会見にも出なかったのに、延期した途端、連日のメディア露出、あげく自身が登場して「ステイホーム」を呼びかけるテレビCMを9億円の公費を使って流し、ひんしゅくを買いました。オリ・パラ開催にこだわったためコロナ対策が遅れ、死者、感染者をむざむざ増加させたことへの責任は、国内最大の感染地の知事として、極めて重大です。
 大阪府や北海道の知事も同様ですが、自公政権に対する国民の不満の受け皿となってはいるものの、現実の生活と生命を守る役割を果たしているわけではありません。小池氏も店舗の営業自粛「協力金」をめぐっては国と対決してみせましたが、現実には都の協力金支給も全く間に合っていないのが現実です。しかも、コロナ感染が広がる真っ最中の3月に、こともあろうに、全都立病院を独立行政法人化し、公的な医療を削減することを決めました。
 医療、福祉、いわゆる民生費の削減は、石原慎太郎知事時代の緊縮財政以来、加速されてきたものです。都立病院は石原知事の時代に統廃合が進められて半減、現在は8病院です。コロナ危機で「医療崩壊」といわれる状態をつくりだし多くの貴い人命が失われたことは都政の責任です。相談窓口としてコロナ対応を担う保健所は、国の政策でもありましたが、最も多かった時の71カ所から、現在は全都で31カ所と半数以下に減らされています。今日の職員の激務と都民の苦境を招いています。

「国際金融都市」が引き起こした深刻な大都市問題

 そもそも、都民にとって都政が解決すべき課題とは何でしょうか。
 東京一極集中は全国的にも重大な影響を与え、東京圏以外の地方を疲弊させるものとなっていますが、同時に都民にとっては、日々の通勤に始まり、教育、保育、介護、住環境に至る深刻な都市問題の元凶となっています。今回のコロナ危機において、人口集中の危険性、生活にかかわるインフラの脆弱さがあらためて露呈したのではないでしょうか。
 なかでも都民の大多数を占める労働者、中小事業者の雇用・賃金・経営の問題は本来都政にとっての最も大きな課題であるはずですが、都政が日頃から十分に対応してこなかったツケを失業、倒産・廃業という形で都民が払わされている現状です。
 では、歴代都政は何をめざしてきたのか。ひとことでいえば「国際金融都市東京」。多国籍大企業、資本が稼ぎやすい拠点としての東京の整備です。
 石原氏は1999年に就任すると「東京構想2000―千客万来の世界都市を目指して」を発表し、湾岸開発や3環状道路など都市インフラの整備、規制緩和による都市再開発を行って、中国や韓国などアジア諸国の成長に対抗して東京がアジアのハブになるという構想を描きました。その後も「アジアヘッドクォーター構想」にみられるように、「世界で一番ビジネスのしやすい都市」という目標は一貫しています。
 小池氏は、2019年12月に「『未来の東京』戦略ビジョン」を発表しました。ここでもやはり「世界で最もビジネスしたい都市」「世界中のグローバル企業が都内で活動」、そのための「外国企業に対する税制優遇や規制緩和メニュー充実」などが打ち出されています。石原知事以来の歴代知事と同様、都民生活には見向きもせずに民生費を削減し、「金融都市東京」づくりに邁進する姿勢は変わりません。
 さらに、小池氏は「新たな都政改革ビジョン」として行革方針を掲げました。規制改革を進めるための有識者会議の設置、指定管理者制度や独立行政法人化、コンセッション方式(運営権の売却)など、大企業のために都の事業と財産を開放する方向性が盛り込まれており、都民生活の悪化をよそに、多国籍大企業のために東京をいかに効率的に使うかを追求する方針となっています。
 また、小池氏は日本会議や「在日特権を許さない市民の会」(在特会)との関係も密接といわれます。虐殺の犠牲者を追悼する「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」に対し、歴代知事が(石原知事でさえも)送っていた追悼文を小池氏は初めてとりやめました。さらに、今年は、ヘイト集団の集会妨害を口実に、式典会場の使用許可を保留していますが許されることではありません。
 他方、国の主権に関わる横田基地に関しては積極的な発言はなく、「米軍基地は必要だろうか」という記者の問いに対して「それはトランプさんに聞いて」と答えるなど、まともに取り組もうとする姿勢すらありません。
 広範な国民連合・東京は今年1月に開催した総会で、次のように決議しました。

 「国際金融都市東京の形成を目標とする小池都政のもとで、東京都政は都民生活の悪化をよそに都市の改造に邁進してきた。(中略)
 国策でもある水道の民営化、卸売市場制度の改悪、IR(カジノ)、また、都営交通の民営化や都立病院の独立行政法人移行案も、小池知事のもとで推進されようとしている。
 幅広い都民の連携で都知事選をたたかい、都民の生活を守る政策を打ち出す都政に転換しよう。」

 広範な国民連合・東京は、まだ十分な対応ができていませんが、今後も小池都政の本質を明らかにして、幅広い皆さんと連携しながら都政の転換のため奮闘する所存です。

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