激変の世界情勢を踏まえ、安倍政権打倒の方向を確認

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広範な国民連合 第1回全国世話人会議

「めざす日本の進路」をもとに広範な戦線形成をめざす

 広範な国民連合は、第23回全国総会(昨年11月)後の最初の全国世話人会議を4月14日、川崎市で開催した。総会後の訪中団の成功や東京、神奈川、愛媛、福岡などでの総会開催と各地での闘いを総括しながら、急テンポで変化する情勢を分析・議論し、新たな情勢を織り込んで全国総会決定の当面の具体化方針を決めた。全国事務局の責任でその概要を報告する。

 第23回全国総会から5カ月余、この期間に世界はこれまでにも増して急テンポで激変した。
 息詰まるような朝鮮半島の緊張は、南北両政権の平和攻勢で劇的に緩和し、米朝首脳会談も予定されている。中朝首脳会談も行われ、両国間関係の緊密化が顕著となった。
 衰退するアメリカを率いたトランプ大統領は、中国を主要なターゲットとした「貿易戦争」を発動した。中国が強国として登場しアメリカの世界覇権を脅かすのをあくまで阻止する「巻き返し戦略」を世界中で強めている。アメリカの戦略家は、ここ500年、16回の覇権争奪のうち12回は戦争になったと言っている。
 戦争を含んだ緊張が世界中で著しく高まっている。トランプは、英仏を引き込みシリア爆撃を強行した。トランプはロシアに対抗しているが、同時に中国や朝鮮をもにらんでいる。予定される米朝首脳会談もどうなるか、予断を許さない。ロシアは日米首脳会談をにらんでだろうが、わが国北方領土で軍事演習を強行した。中国は、台湾の対岸で軍事演習。トランプ政権が、台湾との政府高官相互訪問を実現する旅行法を制定したことへの対抗もあるのだろう。
 いずれにしても世界は、それぞれの国が「自国第一」で、力と力の応酬の時代となっている。

対米従属国家の限界

 屈辱的な対米従属政権である安倍政権は、文字通りの内憂外患で、国際的孤立と立ち遅れだけが明瞭で哀れなほどである。安倍首相は首脳会談でトランプ大統領にすがりついた。しかし、冷厳な国際関係をごまかすことはできない。ゴルフをやったからといって、「こんな長い間、(安倍晋三が)米国をだませたとほくそ笑んだ日はもう終わりだ」と公言するトランプが変わるわけがない。拉致問題解決までトランプに頼み込んで、自国民の保護すらできない哀れな従属政権の姿を満天下に知らしめただけである。
 安倍に託さざるを得ない支配層も、従属的な日米同盟強化だけでは不安なのだろう。空母や敵基地攻撃能力保持など軍事大国化とそのための憲法改悪にも前のめりである。しかし、自立してこの国を運営する自尊心すら失ったような支配層主流に真の自主路線は取れない。そもそもこの政権自体が風前のともしびである。
 アベノミクスなどと言われる国内経済は超金融緩和、実質的にはバブルで維持されているが、2020年を前後して国家財政赤字も限界点に近づいている。森友問題に続く防衛省の隠蔽問題、それに財務官僚トップのセクハラと、政治(自民党と国家官僚体制)は制度疲労というか「制度腐敗」とも言える限界状況。
 国民の怒りは高まって内閣支持率も急低下している。それでも対米従属政権、安倍政権は居座り続けている。しかし、議会野党は力不足で、支持が広がっていない。
 今ほど政権を取り替える国民的力の結集が求められる時はない。
 私たちは第23回全国総会では次のようにその基本方向を定めた。
 「日米同盟強化路線に代わり、『平和と自主』の政策対抗軸を持ち、国民的怒りと力を結集した新たな政治勢力の形成が求められている。こうした政策方向をめざす広範で強力な国民運動を発展させなくてはならない。これを基礎に、自主、アジアの平和・共生を実行できる政権をめざさなくてはならない。時間がかかるとしてもこれ以外にはない」
 改めて、広範な国民連合が果たすべき役割の大きさを確認できる。

激変の世界、対米従属国家・日本の直面する諸課題

 激変の世界で、わが国の対米従属路線、とりわけトランプとの関係を誇示した安倍の対米従属路線は経済でも外交や安全保障でも完全に行き詰まった。わが国はどこから見ても持続不可能に近づいた。

(1)トランプ政権が始めた貿易戦争は、日本の進路の分岐点に

 「貿易戦争」の最大のターゲットは中国。アメリカにとって最大の貿易赤字国というだけでなく、中国が進める強国化の重要な柱である「(2025年までに)世界一の製造強国」の目標達成を阻止しようとする技術覇権争奪こそ核心である。まだ、駆け引きの段階だが、中国も譲るわけにはいかない。日経新聞は「全面的な対決が回避できたとしても、技術覇権をめぐって米中が争う構図は今後強まることはあっても弱まることはない」と結論付けていた。
 日本にも深刻な影響が避けられない。トランプは、鉄鋼やアルミニウムの輸入制限を手始めに、日本に経済主権をさらに放棄させる日米FTAを求めている。安倍は首脳会談を「協議枠組み」合意でごまかしたつもりのようだが、トランプは「数週間で結論」と迫っている。しかも、安全保障と絡めて強引である。対米隷属の安倍政権はなすすべがないであろう。貧困化する国民生活と東アジアの平和を犠牲に、高額武器輸入でごまかすか。
 戦後、対米従属を選択したわが国財界、大企業は、まず農林業を犠牲に差し出し、その後も繊維産業に始まって貿易摩擦のたびに中小企業、地場産業、国民を犠牲にしてきた。民族の独立に不可欠な食料やエネルギーの自給・安全保障も放棄し、大企業は対米従属政治に守られてアメリカ市場で利益を稼いできた。
 しかし今、そうやって利益を享受してきた自動車産業なども狙い撃ちされている。支配層、大企業の中にも葛藤があるだろう。今後、貿易や為替など経済をめぐって日米間矛盾の激化は避けられない。
 財界を含めて国民の間に対米従属政権への不満と自立経済を求める機運をかつてなく高めることになる。中国の提唱する「一帯一路」政策など、アジア近隣諸国の経済協力関係確立が重要な課題である。
 経済主権の確立、国民経済の再建が問われる。

(2)防衛・安全保障政策でも、二つの道が問われる

 米中対峙と朝鮮半島情勢の劇的展開で、東アジアの政治状況は流動化し始める。
 特にこれからの数年間、中国は習近平指導部が国内を安定させ経済的にも軍事的にもあるいは一帯一路政策のような国際関係でも力をつけ、強国化を進める時期である。トランプ政権はこれをあらゆる力を使って阻止する算段で、米中のつばぜり合いは非常に緊張した状況となっている。どのように推移するか。余裕を失い、しかも強引に対中国戦略を進める「自国第一」のアメリカだから、東アジアは絶えず戦争の危険と隣り合わせとなる。
 朝鮮半島情勢は劇的に緩和局面となった。どのように推移するか、アメリカの動きは予断を許さない。力の政策を強行すれば再び一気に緊張激化である。中国抑え込みが戦略のアメリカは、自国に届かない核やミサイルであれば「容認」する可能性もある。そうなれば、わが国対米依存派が期待するアメリカの「核の傘」など気休めにもならない。アメリカはまた、対中国で日本に軍拡と武器購入を要求し、中国牽制で日本の核武装すら容認、あるいはそそのかすかもしれない、そんな状況もあり得る。
 アメリカのアジアへの乱暴な介入に対抗して、アジアのことはアジア人が決める流れも強まるは必定。
 安全保障環境は激変し、日本の安全保障、外交に大きな影響が出ざるを得ない。安全保障をめぐって、対米従属下での軍事大国化の道か、平和で自主の道か、二つの道の争いが本格的に問われる。
 安倍政権は、憲法改悪で対米従属下の軍事大国化で日本を守る、強い日本を唱えている。石破氏なども、事実上の核武装も含む「自立」の方向のようである。自民党総裁選でも隠れた争点になる。
 国民が望むのは、平和的で自主的な安全保障政策である。平和にアジアと共生する、専守防衛・独立自主の防衛力を踏まえた自主外交・安全保障政策を進め、真に自立の日本を実現する道が求められている。

(3)国家財政は深刻な事態、金融危機の可能性も

 金融危機後、世界は各国中央銀行の超低金利・通貨垂れ流しと巨額の財政出動で辛うじて支えられてきた。この結果、政府も企業も借金まみれで、未曽有の金融危機がいつ襲ってもおかしくない、そんな状況だ。
 わが国は、先進国ではGDP比で世界一の借金国家。超低金利で国債費が抑えられて辛うじて維持できているにすぎない。金利が上昇したら利払いが急増し破綻は避けられない。日本銀行が円札を刷って、発行された国債の4割以上を買い取っているから現状にとどまっているが、いつまでも続けられないことは明らか。円の価値は傷つき深刻な事態となる。
 すでに米国、続いて欧州も出口に向かっていると言われる。しかし、日銀は「アベノミクス」を維持する上でも、黒田緩和を継続せざるを得ない。日本のある金融機関のトップが、「問題が噴き出すときは一瞬。殺気にも似た緊張感を常にもっている」と語っていた。しかも、何か事が起こっても、国家財政には危機に対処する余裕はない。
 来年10月、消費増税が強行されれば家計消費はさらに大幅に落ち込み、オリンピック後の20年以後の景気は深刻な事態が予想されている。
 財界は、とりわけ社会保障などの民営化、国民負担増を政府に求めている。この方向が今年の骨太方針にも盛り込まれる。
 国民負担増に反対し、国民を豊かにして経済を発展させるとともに、応能負担原則での財政運営が必要である。

(4)世界的な技術革新競争に立ち遅れる日本、焦る財界。急テンポに攻撃が強まるだろう

 世界中で、「第4次産業革命」と言われるAI(人工知能)化と技術革新が進み、企業間、各国間で激しい競争となっている。争奪戦の世界で軍事面にもそれは及び様相を激変させている。また情報戦争では、米大統領選や英国のEU離脱投票にも介入し結果を左右したと言われるほどである。世界の姿は文字通り激変のさなかにある。
 わが国は立ち遅れ、政府や財界の文書を見ても「周回遅れ」などと危機感にあふれている。
 財界が求める「働き方改革」の狙いも、技術革新に対応できる人材確保と労働時間規制なしの労働強化で成果を上げさせることである。労働市場でも「勝者総取り」の傾向をさらに促進すると言われる。AIロボットで、「数年以内に仕事の30~40%を技術で置き換えることができる」と言われるほどである。
 技術革新は時代の流れとはいえ、誰のために使われるかが肝心である。このままでは社会の2極化、政治の2極化を急速に進めることになる。

「持続困難な日本」、もう一つの道が求められる

 どこから見ても、わが国は「持続困難な日本」となっている。
 国民のごく一部はますます富裕化し、東京圏だけはまだ発展しているように見えるが、国民の大部分は急速に貧困化、地方・地域は疲弊。多くの若者たちは希望が持てない、結婚もできない、出産や育児など考えられない状況に追い込まれている。対米従属下の一部大企業のための行き過ぎたグローバル化を見直し、国民を豊かにする国民経済の再建が不可欠である。
 貿易戦争と本当の戦争の危険すらあるこの世界で、特に食料やエネルギーなどの自給確立は不可欠。脱原発で自国にある再生可能エネルギーによる最低限のエネルギー自給体制確立なしに、民族的存続は不可能である。最低限の専守防衛の実力は必要にしても、食料やエネルギーなしに安全保障など成立しないからである。
 独立国としての外交力で近隣諸国との平和的共存こそ、真の安全保障となる。日米安保体制、とりわけ沖縄の犠牲は限界だ。
 持続不可能となった対米従属路線に代わりどのような日本をめざすか、対抗軸を示さなくてはならない。われわれは4半世紀前の結成時に「めざす日本の進路」(別掲)として確認している。この考え方を広め、議論を組織し、政策を今日の状況に合致したものに前進させるとともに、それを担う戦線形成、国民連合強化を進める活動を重視する。
 同時に、国民の切実な課題を中心に具体的な国民的課題を重視し共同行動を発展させるため奮闘する。
 この二つの方面を結び付けて広範な国民連合の運動を進める。

国民的な闘いの課題

 広範な国民連合は、国民各層と地域の切実な要求を中心に国民的諸課題での闘いを支持し闘う。当面、特に以下のような課題での闘いを発展させるため積極的に奮闘する。
①辺野古新基地建設反対。翁長雄志知事を先頭とする沖縄県民を断固支持する。
 沖縄と横田基地など全国へのオスプレイ配備と訓練に反対。
 すべての米軍基地撤去、日米地位協定抜本改定。
②安倍政権の下での憲法9条改悪に反対する。
 軍事大国化反対! 空母やトマホーク・ミサイルなど敵基地攻撃能力確保、南西諸島へのミサイル基地建設・配備などに反対する。
 自衛隊は専守防衛に徹せよ! 独立自主で文民統制の確立。
③朝鮮制裁をやめろ、日朝対話を。植民地支配の謝罪と反省に立って即時国交正常化を。
 朝鮮半島の非核化を支持し、わが国は核兵器禁止条約を批准し、非核を国是に東アジアの非核化。
 侵略戦争の謝罪と反省を踏まえ、日中平和友好条約の精神でアジアの平和・共生を。
④生活保護や年金など福祉削減反対。
 物価値上げ反対、増税・国民負担増反対。
 非正規雇用、若年や高齢者などを中心に大幅賃上げの実現。
 過労死を許さない。労働の規制緩和反対。
⑤アメリカの圧力に屈せず、食料安保、エネルギー安保を中心に経済主権の実現。
 日米FTA反対。TPP11反対。日欧EPA反対。
 食料自給強化、地産地消の推進。企業農業から地産地消の家族農業中心の農業政策への転換。
 林業活性化で、山河を守り洪水や土砂災害を防止して国土を保全し、豊かな海を育て、農山漁村を復活させる。
 原発再稼働反対・運転即時停止、廃止。対米従属のエネルギー政策を転換し、持続可能な自然エネルギーで自給確立。地産地消推進。
⑥安倍政権打倒!
 政財官の癒着を断ち切れ。
 財界優遇対米従属路線の政権による省庁再編反対。外務・防衛など独立自主の国家機構の確立。
 民主主義と地方自治の回復。

国民連合の当面する全国的な活動方針

(1)広範な国民連合の「めざす日本の進路」の考え方を広め、戦線を広げ、国民連合の強化をめざす

 「めざす日本の進路」を国民連合内外で議論するとともに懇談会や討論会などを全国各地で開催する。当面、特に憲法問題を含む安全保障政策や経済自立・経済主権(エネルギー、食料自給を中心に)政策問題などを重視する。
 会員を増やし国民連合組織を強めるため努力する。

(2)特に重視する闘いの課題と諸戦線での対策

①各県でも全国でも、もっと国民生活課題、切実な不満と要求を重視し、闘いを支持しあるいは呼びかけ、広げる。
②平和のための全国地方議員訪朝団を成功させ、日朝国交正常化の世論形成のため奮闘する。
③日中平和友好条約締結40周年に際し平和のための日中民間交流を発展させる。
④第15回全国地方議員交流会を成功させる。

広範な国民連合がめざす進路(1993年結成総会で採択)


 日本は政治的にも軍事的にも経済的にも決して覇権を求めず、いかなる国の覇権も認めず、すべての国とりわけ近隣のアジアの国々や民衆との平和・友好・協力の関係を発展させる。日本は冷戦の終えんですでにその論拠を失った日米安保条約を清算し、対米追随の日米基軸をあらためる。私たちは国際社会において、このように自主的な日本の進路をめざす。


 日本は再び侵略戦争をくりかえさないことを固く決意し、過去の植民地支配や侵略戦争の被害者に対する戦争責任を誠実にはたす。日本は国際紛争の解決には武力を用いず、貧困や圧迫など紛争の要因をとりのぞくために努力する。日本は米軍基地をなくし、自衛隊を海外に派兵せず、率先して軍備を縮小し、世界に核兵器廃絶と全面軍縮を求める。私たちは国際社会において、このように平和な日本の進路をめざす。


 日本は国の大小や社会体制にかかわりなくすべての国の平等な関係、国際社会の民主主義を追求する。日本は国連安保理常任理事国の席を求めず、大国中心の国連を民主的な国際機関に改革するために努力する。日本は開発途上諸国の自立的経済発展に協力し、政府間の外交だけでなく自治体やNGOの民間外交を重視する。私たちは国際社会において、このように民主的な日本の進路をめざす。


 私たちは経済民主主義の確立をめざす。労働者の権利、農林漁民や中小商工業者の営業を保障し、教育・医療・福祉・住宅など国民の生活基盤を充実し、これらを基礎に経済を発展させて財産・所得の格差を縮小し、弱者の権利を守って、すべての国民がひとしく経済の発展に応じた豊かな暮らしを享受できるよう、大企業優先から国民生活優先へ産業・経済・財政政策の転換をめざす。


 私たちは憲法改悪に反対し、政治的民主主義の徹底をめざす。情報公開などを通じて国民の政治参加を広げ、住民自治を保障する地方分権を確立し、政・財・官の癒着を断ち切って政治腐敗を浄化し、政治に対する大企業の影響力の行使を排除して、すべての国民が平等に政治的権利を行使することができ、民意が政治に正確に反映されるよう、実質のある主権在民の確立をめざす。


 私たちは社会生活における民主主義の確立をめざす。いっさいの差別と抑圧を一掃し、人種、信条、性別、社会的身分、国籍を問わずすべての人々の基本的人権をはじめとする民主的な権利と自由を擁護し、学問・文化・芸術・スポーツの自主的で実り豊かな発展を保障する社会の実現をめざす。


 私たちは住民の健康と潤いのある生活を守り、次の世代に残す豊かな環境と資源の保護をめざす。大企業の利潤追求のための大量消費、資源浪費をやめさせ、産業廃棄物に対する企業責任の追及など、住民の健康や環境を保護するために必要な規制を強化し、消費者みずからの生活の質の問いなおしを求め、持続的発展が可能な環境保全型社会の実現をめざす。

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